「予約確認のメッセージを予約日の前日に自動送信したい」「自社サイトのアカウント作成時に本人認証を行いたい」といった場合、SMSの送信予約・自動送信が便利です。SMSはお客様への到達率が高いため、このようなビジネスシーンでも広く活用されています。

本記事では、SMSの送信予約・自動送信とはどのような機能なのかを解説します。具体的な活用シーンや実際の活用事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • SMSは到達率・開封率が高く、連絡手段として長く利用できる上、コストも抑えられるなどビジネスで活用するメリットも多い
  • SMSの送信予約・自動送信は、配送や工事日程の事前連絡や飲食店の予約確認、緊急時の連絡や本人認証などに活用されている
  • SMSの送信予約・自動送信をビジネスで利用するには法人向けSMS送信サービスの利用が便利
API連携でSMS送信 NTT CPaaS 「SMS API」

SMSの予約送信・自動送信とは?

SMSの予約送信とは、あらかじめ指定した日時にメッセージを配信できる機能です。キャンペーン告知やイベント前のリマインドに役立ちます。一方、自動送信とは顧客の行動や状況に応じて即時にメッセージを配信する仕組みです。問い合わせ直後のサンクスメッセージや、決済完了通知などに適しています。

これらを活用することで、担当者の手間を減らしつつ、顧客にタイムリーかつ確実に情報を届けられます。ただし、スマホや携帯電話の標準アプリにはこれらの機能は搭載されていないため、SMS送信サービスの利用が必要です。

SMSの予約送信・自動送信を利用するメリット

SMSの予約送信・自動送信を利用することで、主に次のようなメリットが得られます。

  • 自動化によって生産性を向上できる
  • 到達率・開封率が高い
  • 電話番号だけでアプローチできる
  • 連絡にかかるコストや手間を削減できる

それぞれ詳しく解説します。

自動化によって生産性を向上できる

SMSの予約送信や自動送信を導入すれば、都度担当者がメッセージを作成・送信する必要がなくなります。例えば、顧客へのリマインドや定期的な案内を事前に設定しておけば、自動で確実に配信されるため、送信漏れや対応遅れのリスクを防ぐことが可能です。

これにより、担当者は繰り返しの作業から解放され、本来注力すべき企画や分析といった業務に時間を割けるようになります。結果として、日常のコミュニケーションを効率化しながら、組織全体の生産性を向上させられることは大きなメリットです。

到達率・開封率が高い

SMSは携帯電話に標準搭載されている機能で、送受信に別途専用のアプリをインストールする必要がありません。そのため、誰でも使いやすく、到達率が高いのが大きなメリットです。さらに、受信時にはポップアップ通知が表示されるため、メールと比べて開封率が非常に高い点も特徴です。

特に重要な案内やリマインド通知など「必ず読んでほしい情報」を伝える際に効果的で、ビジネスにおいて顧客との接点を確実に確保できる手段として重宝されています。

電話番号だけでアプローチできる

SMSは携帯電話番号を宛先として送信します。携帯電話の番号はメールアドレスなどと比較して変更されることが少ないため、連絡手段として長く利用できる点がメリットです。また、幅広い年代層が利用可能なため、アプリやSNSを利用しない層へのアプローチにも有効です。企業が継続的に顧客とつながるための基盤となります。

連絡にかかるコストや手間を削減できる

電話やDM(ダイレクトメール)に比べ、SMSは短いメッセージで要件を簡潔に伝えられるため、担当者の負担を大きく減らせます。通話のように相手の都合を気にする必要がなく、郵送のような印刷・発送作業も不要です。

これにより、人的リソースの効率化に加えて、通話料や郵送代といったコスト削減にもつながります。さらに、予約送信や自動送信機能を組み合わせれば、繰り返しの作業を自動化し、より効率的なコミュニケーションを実現することが可能です。

SMSの送信予約・自動送信の活用シーン

SMSをビジネスに活用するなら、送信予約や自動送信の利用がおすすめです。SMSの送信予約・自動送信の活用シーンとして、以下のようなものがあります。

  • 配送や工事日程、面接などの事前連絡
  • 飲食店などの予約確認
  • 顧客へのアンケート
  • 催促・請求業務
  • 緊急時の連絡
  • 本人認証

上記6つの活用シーンについて、以下で詳しく見ていきましょう。

配送や工事日程、面接などの事前連絡

SMSは到達率が高くお客様の目に留まりやすいため、配送や工事などの事前連絡に活用されています。配送や工事のために訪問してもお客様が不在だった場合、再度訪問しなければなりません。SMSで訪問前に連絡を入れることによって在宅率の向上が期待でき、再来訪の手間を削減できます。

実際に、流通企業や固定系通信キャリアではSMSを活用した事前連絡によって、問い合わせの入電の削減や在宅率を約50%向上させることに成功した例もあります。

飲食店などの予約確認

飲食店などお客様から予約を受け付ける業態の店舗では、予約確認にSMSを活用できます。予約の数日前から前日にSMSでリマインダーを送ることで、「日程変更を忘れていた」といった当日キャンセルを防げるでしょう。

また、リマインダーを送る際にキャンセルや日程変更ができるURLを記載しておけば、お客様が日程調整をしやすくなります。席や料理を用意する前にキャンセルや日程変更をしてもらえれば、お店側の損失も最小限に抑えられます。

関連記事:ノーショーとは?SMSを活用したノーショー対策もご紹介

顧客へのアンケート

顧客満足度調査などのアンケートは、メールやはがきで配布しても回収率が低く、十分なデータを得られないケースが少なくありません。その点、SMSは到達率・着眼率が高く、受信直後にアンケートページへ誘導できるため、回答率の向上に役立ちます。

例えば、コールセンターでは対応直後にSMSでアンケートを送ることで、記憶が新しいうちに回答を得られ、従来より多くのフィードバックを集められるようになります。こうした仕組みを活用すれば、効率的に顧客の声を収集し、サービス改善につなげることが可能です。

催促・請求業務

料金の督促や請求は、これまで郵送や電話で行われることが一般的でした。しかし、電話はつながりにくく、郵便物も開封されないまま放置されることもあります。そこでSMSを活用すれば、受信後すぐに確認してもらいやすいため、従来よりもスムーズに連絡を取ることが可能です。

未納者への案内や支払い依頼をSMSで送ることで、回収までの時間を短縮できるほか、担当者の作業負担や郵送・通話コストの削減にもつながります。

緊急時の連絡

SMSは着眼率が高いため、交通機関の運行休止など緊急時の連絡にも適しています。急な欠便や欠航などがあった場合、その便を予約しているお客様には素早くお知らせしなければなりません。

運行休止は影響を受けるお客様の人数が多いため、電話で1件ずつ連絡するのは大変です。また、メールは一斉送信が可能な一方で、見落とされてしまうおそれがあります。SMSならポップアップ通知が出るためお客様の目に留まりやすく、自動送信を利用すれば多くのお客様に自動で連絡できるため、早急な対応が可能です。

本人認証

SMSの活用シーンとして近年増えているのが、本人認証です。サイトやアプリにログインする際、一般的にはIDとパスワードによる認証がよく使われていますが、ID・パスワードが流出するとなりすましによるログインができてしまいます。

一方、電話端末に1つしか割り当てられない電話番号を用いるSMS認証は、なりすましによる不正アクセスの防止が可能です。そのため、金融機関など特に高いセキュリティが求められるサービスはもちろん、そのほかにもさまざまなサービスやアプリでSMS認証が活用されています。

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SMSで送信予約・自動送信する場合はSMS送信サービスが便利

SMSの通常機能では、送信予約や自動送信は利用できません。これらの機能を活用したい場合は、SMS送信サービスの利用を検討してください。

ここでは、SMS送信サービスとはどのようなものなのかを詳しく見ていきましょう。

SMS送信サービスとは

SMS送信サービスは、SMSを効率的に送信できる機能を備えた法人向けのサービスです。スマートフォンや携帯電話を使わずにパソコンからSMSを送信でき、送信予約や自動送信といった通常機能ではできないことも、SMS送信サービスを使えば可能になります。

使用できる機能はサービスごとに異なりますが、主に以下のような機能が利用できます。

  • 送信予約
  • 一斉送信
  • テンプレートの作成
  • 宛先グループごとに送信
  • 短縮URLの生成 など

これらは、SMSのビジネス活用には必須ともいえる機能でしょう。そのため、SMSを活用する企業の多くはSMS送信サービスを利用しています。

自動送信を実現するAPIとは

予約確認や本人認証など、自社が運営するシステムやサイトと連携してSMSの自動送信を行うには、API連携が必要です。APIとは「Application Programming Interface」の略で、アプリケーションやソフトウェアを別のシステムと接続する仕組みのことをいいます。

SMS送信サービスと自社システムをAPI連携することで、「自社サイトにログインしようとしたユーザーにSMSで認証メッセージを送信する」「予約システムに登録された内容をもとにSMSで予約確認を自動送信する」といった操作が可能になります。

関連記事:SMSの自動送信にはAPI連携が必要!活用法やポイントを解説

失敗しないSMS送信サービスの選び方と比較ポイント

SMS送信サービスはさまざまな事業者が提供しているため、選び方に迷うかもしれません。ここでは、複数サービスを比較する際に重要な次のポイントを解説します。

  • 料金体系
  • 接続方式
  • 機能
  • 操作性
  • セキュリティとサポート体制

料金体系

SMS送信サービスの多くは「1通あたり10円前後」の従量課金制を基本としています。ただし、中には初期費用や月額料金が不要で、より低価格なモデルを提供している事業者もあります。

少数の配信であれば大きな負担にはなりませんが、数千~数万件を定期的に送信する場合はコストが膨らむため確認しておきましょう。また、配信数に応じて単価が下がるボリュームディスカウントも活用すると効果的です。

料金が安くても機能が限定されていたり、オプション費用が発生したりするケースもあるため、単価だけでなく総合的な費用対効果を確認することが大切です。

接続方式

SMS送信サービスの接続方式には一般的に「国内直収接続」と「国際網接続」の2種類があります。国内直収接続は携帯キャリアと直接つながるため、到達率が高く安定性やセキュリティの面でも安心できます。一方、国際網接続は海外の事業者を経由するため、国内で受信拒否されるリスクや、メッセージが届きにくくなるケースがある点に注意が必要です。

特に重要な通知や認証コードなどを配信する場合には、国内直収接続を採用したサービスを選ぶことで、信頼性の高いコミュニケーションを実現できます。

機能

SMS送信サービスを導入する際には、まず「自社で何を実現したいのか」を明確にし、その目的に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。マーケティング利用なら、氏名や会員情報の差し込み機能や、URLのクリック数を測定できる機能があると便利です。

一方で、本人認証や通知用途ならAPI連携が必須となり、システムと自動的に連動できるかがポイントになります。また、複数部門で利用する場合はアカウントを分けて管理できる機能も重要です。

必要な機能が不足していると十分に活用できないため、比較検討に入る前に要件を整理し、関係部門の意見も踏まえて確認すると良いでしょう。

操作性

送信サービスの操作性も重要な比較ポイントです。管理画面の使いやすさや設定のしやすさによって、担当者の作業負担は大きく変わります。

さらに「実際の業務フローにどれだけ適合するか」も重要です。例えば、一斉送信を行う場合に顧客データをシステムから直接取り込めるか、既存のCRMや予約管理システムとスムーズに連携できるかといった点は大きな判断材料になります。

導入にあたっては、日常的な利用シーンを想定し、自社の環境と無理なくマッチするかどうかを確認することが欠かせません。

セキュリティとサポート体制

SMS送信サービスを安心して利用するためには、セキュリティとサポート体制も重要です。セキュリティ面では、通信の暗号化やIPアドレス制限に対応しているか、不正侵入を防ぐ仕組みや定期的な脆弱性診断が実施されているかを確認しておく必要があります。加えて、ISO認証やプライバシーマークといった外部認証の有無も信頼性を判断する材料となります。

また、運用中にトラブルが発生した場合に迅速に対応してもらえるサポート体制も重要です。導入初期の設定支援や24時間365日のサポート窓口が用意されているサービスを選べば、安心して長期的に活用することができます。

SMSを利用する上での注意点

SMSは顧客とのコミュニケーション手段として非常に有効ですが、次のようなポイントには注意が必要です。

  • 文字数に制限がある
  • 画像や動画は添付できない
  • 特定電子メール法を遵守する必要がある

それぞれ詳しく解説します。

文字数に制限がある

SMSには、1通あたりの文字数に上限があります。現在はキャリア間でも最大670文字まで送れるようになり、サービス開始当初の70文字制限に比べれば大幅に緩和されました。しかし、それ以上を超えると分割送信されるかエラーとなります。

また、古い端末や契約状況によっては制限が異なる場合もあるため注意が必要です。長文を送る際はURLを挿入して詳細ページに誘導するなど、文字数を工夫して活用することが求められます。

関連記事:SMSの文字数制限とは?活用例やサービスを選ぶポイントも紹介

画像や動画は添付できない

SMSはテキストのやりとりに特化したシンプルなサービスであり、メールやSNSのように画像や動画を添付して送ることはできません。そのため、ビジュアルを伴う情報を直接届けたい場合には工夫が必要です。

一般的には、クラウドストレージやWebサイトに画像や資料をアップロードし、そのURLをSMS本文に記載して案内する方法が使われます。この際、長いURLをそのまま記載すると文字数を圧迫したり追加料金が発生したりする可能性があるため、短縮URLを利用してコンパクトにまとめるのが効果的です。

関連記事:SMSで画像や写真を送るには? 送信方法を詳しく解説

特定電子メール法を遵守する必要がある

特定電子メール法(正式名称:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)は、迷惑メールの増加を背景に2002年に施行された法律で、広告や宣伝目的のメール配信を規制しています。

SMSも営業や宣伝のために送る場合はこの法律の対象となり、受信者の事前同意(オプトイン)を得ることや、送信者の名称・連絡先を明記すること、配信停止の手続きを案内することが義務付けられています。違反した場合は改善命令や停止命令が下されるほか、従わなければ懲役や罰金といった罰則の対象にもなるため注意が必要です。

法令を守らずに配信を行うと企業の信頼失墜につながるため、必ずルールを踏まえた運用を徹底することが求められます。

関連記事:特定電子メール法とは?罰則の内容と違反しないためのポイント

SMSの自動送信の活用事例

SMSの自動送信の活用を検討している方は、実際の活用事例も参考にしてみてください。ここでは、SMSの自動送信を活用している企業の事例を2つ紹介します。

株式会社エビソル

飲食店向けの予約・顧客管理サービスを展開する株式会社エビソルは、同社が手掛ける予約管理システム「ebica」にSMS送信サービス「空電プッシュ」をAPI導入しました。ebicaに登録された予約内容を読み込み、必要なタイミングでSMSの自動送信を実施しています。

例えば、予約登録があった時点で「ご予約ありがとうございます」というSMSを送ったり、野外で運営する飲食店が雨天時に営業を見送ることを予約客に連絡したりするのに活用されています。

ebicaの利用者から「予約日時をリマインドすることでノーショーが減った」といった声も届いていて、同社の顧客である飲食店からも好評です。特に好評なのが番号指定による一斉通知機能で、天候による急な休みなどの緊急連絡を迅速に行えて、従業員にも負荷がかからないとして喜ばれています。

さらに進んだ活用法として、自動音声応答システムを使ったサービスとの連携も実施。音声案内でお客様から予約したい旨を受け付け、その電話番号宛てにウェブ予約用のURLをSMSで自動送信できる機能も提供しています。

SBIデジトラスト株式会社

SBIデジトラスト株式会社は、金融機関向けの認証認可基盤サービス「Trust IdiomⓇ(トラストイディオム)」を提供しています。このサービスのSMS認証部分に、空電プッシュのAPI連携を利用しました。

Trust Idiomのアカウントを作成する際、アカウントのIDに携帯電話番号を使用します。第一段階の認証としてその番号宛てにSMSを自動送信し、そこに記載された番号をお客様に入力してもらうことで携帯電話の所持認証を行う仕組みです。このときのSMS送信に、空電プッシュのAPIを使用しています。

アカウントの新規作成時のほかに、機種変更などでお客様にアカウントのリカバリーを求めるときにもSMS認証で本人確認を実施。また、口座の不正利用などお客様への緊急性の高い連絡にもSMSを活用できる機能を用意しました。

空電プッシュはメッセージの到達率が高く、アカウント作成時にSMSのエラーや送信遅れによってユーザーが離脱してしまうのを防ぐ効果も出ています。

送信予約・自動送信にはSMS送信サービスを活用しよう

到達率の高いSMSはビジネスで活用されるケースも多く、配送の事前連絡やお店の予約確認、Webサイトの本人認証などさまざまなシーンで利用されています。SMSのビジネス利用の多くで送信予約や自動送信の機能が使われていますが、これらの機能を利用するにはSMS送信サービスが必要です。

予約情報など自社システムで管理するデータをSMSの自動送信に活用したい場合は、自社システムとSMS送信サービスをAPI連携させる必要があります。送信予約・自動送信を利用したい場合は、API連携が可能なSMS送信サービスを利用しましょう。

NTTコム オンラインが提供する「NTT CPaaS」は、SMSはもちろん音声通話やメールなど複数チャネルをAPIで簡単に連携できるサービスです。自社システムとスムーズに統合し、顧客体験を向上させるオムニチャネル対応を実現できます。SMS送信サービスを検討する際は、ぜひ「NTT CPaaS」をご活用ください。