ホテルや飲食店の予約当日になってもお客さまが現れない「ノーショー」は、経営側にとって重大な問題です。近年はノーショーによって大きな損失を被る事業者も増えており、経済問題化されている中、できる対策が多数考案されています。

この記事では、「ノーショー」の意味やSMSを含む有効な対策方法について詳しく解説します。ノーショーによる被害額のデータや具体的な損失の内訳なども紹介しますので、ノーショー被害に遭わないために効果的な対策を検討している方は、ぜひお役立てください。

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ノーショーの意味と当日キャンセルとの違い

「ノーショー(No-Show)」とは、ホテルや飲食店での予約を入れたにもかかわらず、当日お客さまが現れない事態のことです。予約キャンセルの連絡がないため、店舗側はお客さまがいらっしゃる想定で準備をしますが、予約日時にお客さまが姿を見せず、無断キャンセルになります。

店舗からの連絡が無視されてしまうケースも多く、キャンセル料の徴収も難しいなど、経営を脅かすとして社会問題化しています。

ノーショーは当日キャンセルと似ていますが、当日キャンセルは予約当日になってお客さまからキャンセルの連絡を受けます。キャンセル理由や状況を確認できる上、店舗側は予約の穴埋めに着手できます。最近はTwitterやFacebookなどのSNSで情報を拡散し、来店してもらうことで損失を減らせるケースも見られます。

一方、ノーショーは事前連絡が一切ないため、お客さま側の状況や経緯を確認できません。加えて、店舗側からは一方的に予約を取り消せないので、結果的に材料費やサービス料などが無駄になってしまうのです。

ノーショーの被害額は2,000億にもおよぶ

ノーショーで実際にどのくらいの被害が出ているのかを知るために、「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」のデータを紹介します。

2018年11月の「サービス産業の高付加価値化に向けた外部環境整備等に関する有識者勉強会(平成29年度経済産業省委託調査事業)」にて発表された上記レポートによると、ノーショーによる損失は推定で最大2,000億円にも上るとされます。

加えて、一度のノーショーが閉店に追い込むような深刻なダメージになりえると指摘しており、飲食業界全体における深刻な問題であり、早急かつ十分な対策が必要なことがわかります。

ノーショーによる被害は、決して見過ごせるものではありません。経済産業省は、各事業における生産性を大きく阻害する要因として認識し、関係省庁と連携して業界全体に渡るノーショー問題の解決を支援するとの意向を明確にしています。

ノーショーによる損失の具体例

ノーショーによる損失は金銭だけでなく、商品やサービス、機会など多岐に渡ります。団体など予約人数が多いと損失の規模も大きくなります。また、貸し切りの場合は売上が立たず、純粋にマイナスだけが生まれるため被害も膨大です。ノーショーの具体的な損失について詳しく紹介します。

食材費が無駄になる

レストランや食事付きのホテルでの予約の場合、料理の食材費が無駄になります。通常、店舗側は予約が入ると、メニューや人数など条件によって原材料を購入します。ノーショーだと予約時間までにキャンセル連絡がなく、お客さまも現れないため、来店時間に合うように用意された材料や料理が丸ごと損失となってしまいます。

すでに調理や盛り付けがなされ、料理として完成している場合は、他の料理や用途に転用することが難しいため、食材費をすべて失います。

人件費や光熱費が無駄になる

サービスを提供する人件費や光熱費においても無駄が出てしまいます。ノーショーにより、旅館で対応するスタッフの人件費やエアコンなど空調設備の運用費、飲食店なら料理を作る際の水道・ガス・電気代などにおける損失が発生します。団体での貸し切りだと部屋も広いため、光熱費も馬鹿にできないでしょう。

エステサロンや美容室でスタッフを指名している場合は、ノーショーが出ることで指名料も得られなくなります。

廃棄の費用がかかる

ノーショーが出て無駄になってしまった料理は、食材費だけでなく廃棄する際も費用がかかります。飲食店やホテルでの食事付プランの場合、予約人数が2~3人でもノーショーが出ると、料理を廃棄する費用が発生します。30~50人といった大人数での予約になると、廃棄する料理の量も増え、料理の廃棄費用は高額になるでしょう。

他の料理に使いまわせない食材や、保管が難しい生ものなどはそのまま廃棄するため、不必要な経費発生により、店舗の利益を圧迫します。

機会損失になる

ノーショーは金銭的な売上だけでなく、機会の損失にもなります。予約を確保するために、他のお客さまからの予約を受け付けられず、他の人が利用する機会が失われてしまいます。当日に別のお客さまに来ていただいたとしても、キャンセルかどうかはっきりしない段階ではお断りする必要があります。

人気のあるレストランやホテルでは特にキャンセル待ちを希望する人が多いため、事前キャンセルの連絡さえあれば損失を回避できる可能性は残っています。しかし、ノーショーだとキャンセル待ちへの対応も困難です。

ノーショーの代表的な理由

ノーショーの代表的な理由は、どのようなものなのでしょうか。ノーショーの当事者へは連絡が付かないケースが多く、直接確認することは難しいですが、考えられる内容や調査データからある程度予測できる項目を紹介します。

とりあえず予約しただけ

人気店なので席や部屋を確保するために「とりあえず予約しただけ」という理由でノーショーを起こす人がいます。

2019年11月に株式会社TableCheckが発表した「第3回「飲食店の無断キャンセルに関する消費者意識調査」によると、「とりあえず場所を確保するために予約した」との回答が全体の約34.1%で、無断キャンセルの理由のトップでした。第2位の「人気店なのでとりあえず予約」は約32.5%に上り、同様に高い数字となっています。

以上により、「行くかどうかはわからないが、とりあえず予約を入れる」ために無断キャンセルしたケースが実は多いことがわかります。

予約を忘れていた

「予約していたことを忘れていた」「予約日時を勘違いしていた」という理由でノーショーが起こるケースも少なくありません。うっかり予約を忘れてしまう、あるいは別の日だと勘違いしているため、予約当日になってもキャンセル連絡が入ることはないでしょう。

また、予約が過ぎてしまった後に気づいても「(もう遅いだろうから)連絡する必要性がない」と勝手に判断する人もいるようです。

当日に体調不良になった

予約当日に体調不良になり、どうしても来店できずにノーショーになってしまうケースもあります。急な体調不良や予期せぬ事故など、店舗に連絡を入れたくても連絡ができない状況の場合は仕方がないでしょう。

ただ、体調不良による判断力の低下で「体調が悪いから連絡が億劫だ」と無断キャンセルする、あるいは「連絡しなくても当然」と決めつけてしまう人もいるようです。

ノーショーを減らすための対策

飲食店やホテルの経営側にとって大きな課題であるノーショーを減らすためには、キャンセル料についての説明の徹底や予約確認などの対策が大切です。ここでは、ノーショー対策方法を具体的に解説しますので、参考にしてください。

連絡先を確認しておく

予約確認や当日の連絡のために、予約者の連絡先を確認しておきましょう。予約した当人や団体の代表者と連絡が取れる電話番号を押さえておくことで、キャンセル料の不払いを避けられます。

連絡先に連絡がとれるか、事前にチェックしておくと安心です。メールアドレスは入力ミスが起きやすく、本人がメールを見たかどうか判断しにくいため、電話番号が望ましいでしょう。

キャンセル料について事前に説明する

予約時点でキャンセル料の規定について説明することで、ノーショー予防に役立ちます。店舗利用や来店がない場合でもキャンセル料が発生することや、その基準について予約者に理解してもらうだけでも、重複予約や直前キャンセルの予防につながります。

飲食店でのノーショー問題が注目されている昨今は、キャンセル料の徴収も一般的になりつつあります。予約サイトや予約システム内で、キャンセル料について明示することで、利用者側の気づきも促せるでしょう。

事前決済やデポジット制を取り入れる

料金の事前決済やデボジット制の導入や、クレジットカード情報の登録などもノーショー対策として有効です。事前に料金を支払ってもらうことで、キャンセル料をスムーズに回収でき、ノーショーによる損害を抑えられます。

ただ、予約のハードルが高くなるため、予約数自体が減ってしまうリスクもあります。大手旅行サイトのように、日にちが近くなるほどキャンセル料を高く設定するなど、工夫しながら取り入れると良いでしょう。

予約のリマインドと確認

予約の数日前に、予約内容やキャンセルポリシーをリマインドとして連絡することで、予約日の勘違いや無断キャンセルなどの軽減につながります。

予約が近くなった段階で、お客さまに店舗や旅館の名前や予約日時、予定内容に問題がないか、キャンセル料金などを伝えましょう。電話連絡だと確実ですが、つながらない場合は通常のメールよりも開封率や到達率が高いSMSもおすすめです。

SMSはノーショー対策に有効

SMSは、ノーショー対策として効果的です。SMSを使って予約のリマインドを送ることで、無断キャンセルの代表的な理由である「とりあえずの予約」を含め、「予約忘れ・勘違い」の軽減に役立ちます。ノーショー対策としてSMSが有効な理由を、SMSの特徴と絡めて紹介します。

電話番号がわかれば送信できる

SMSは、電話番号がわかればメッセージを送信できるため、メールアドレスなど複数の連絡先が不要です。また、スマホやガラケーなどの種類に関係なく、すべての携帯電話に標準搭載されている機能で、到達率が高く、本人に読んでもらえる確率が高いでしょう。

SMSには全角最大670文字という文字数制限がありますが、店名や予約日時、キャンセル料などの説明は十分扱えます。短縮URLを貼ることも可能ですが、受信側がアクセスしない可能性もあるので、本文に記載する方法が望ましいでしょう。

電話で連絡が取れない人でもつながりやすい

SMSは時間と場所を問わず使用でき、電話に出られない相手に対してメッセージを残せます。日中忙しくて電話に出られない場合でもコンタクトを取りやすいため、予約の確認や無断キャンセルの予防に有効です。

従来の電話連絡では相手が出るまでかけ続ける必要がありましたが、SMSを使うことで店舗側の労力やコストの削減が期待できます。

開封してもらえる可能性が高い

SMSは、視認性が高いため、メールに比べて開封率が高いという特徴があります。SMSの場合、メールのように迷惑メールフォルダに分類される可能性がなく、メッセージが目にとまりやすいでしょう。

また、MNP(携帯電話番号ナンバーポータビリティ)の浸透で、機種を変えても携帯電話番号を引き継ぐ人が増えており、電話番号の変更が少なく、本人にメッセージを届けやすい点もメリットです。

SMSでノーショー対策を始めよう

ノーショーは、飲食業界や旅行業界において重大な問題です。気軽に利用できる予約サイトが浸透していることもあり、簡単に予約できてしまうものの、無断キャンセルによる店舗側の被害は見過ごせません。ノーショーによって店舗側が疲弊することのないよう、有効な対策を取り入れましょう。

ノーショー対策にSMSを活用する場合には、SMS送信サービスの利用がおすすめです。NTTコム オンラインが提供する「空電プッシュ」は、SMS送信市場シェアNo.1のSMS送信サービスです。API連携により、他のシステムとの連携にも対応しています。サポートも充実しており、スムーズな導入が可能ですので、下記よりご要望についてご相談ください。