携帯電話番号宛てにメッセージを送信できるSMSは、到達率や着眼率の高さからビジネスの場でも多く採用されています。特にSMS送信する顧客数が多い企業の場合、API連携により自動化でき、より効率的に利用できます。

しかし本当にAPIや自動送信の機能が必要か、どのような基準で選ぶべきか悩みも多いでしょう。そこでSMS送信のAPI連携が必要なケースやメリット、選ぶときのポイントをご紹介します。

この記事の内容
  • APIとはシステム同士を接続する仕組みのことで、何らかの条件でSMSを自動送信するにはSMS送信サービスと自社システムのAPI連携が必要
  • API連携を活用すると、スマホアプリ利用時の本人認証や予約をした方へのリマインド送信など、さまざまな用途で利用できる
  • SMS自動送信のためのSMS送信サービスを選ぶ際には、到達率やセキュリティ対策に加えて、開発工数や導入事例の数も参考にすることが大切
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SMSの自動送信にはAPI連携が必要となる

何らかの条件でSMSを自動送信するには、API連携が必要です。はじめに、API連携とはどのような機能なのかを把握しておきましょう。以下で、API連携を利用するうえで押さえておきたいポイントを紹介します。

APIとは?

APIはApplication Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の略です。インターフェースはパソコン用語で何かと何かをつなぐ接点という意味があります。つまり、アプリケーションやソフトウェアといったシステムを、別のプログラムと接続する仕組みをAPIと言います。

例えば、自社の持つシステムを他事業者が提供するシステムとAPI連携することで、自社開発せずに必要な機能を利用できるようになります。

APIの機能やメリットについては以下の記事でも詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

関連記事:顧客への連絡業務を効率化するエコシステムとは? ~システム間連携で顧客コミュニケーションのDX推進を~

API連携することで自動送信が可能

API連携が可能なSMS送信サービスを使うと、自社のシステムにSMSの自動送信機能をプラスできます。例えば、Webサイトの会員登録やログインの際に用いられるSMS認証は、自社サイトとSMS配信送信サービスをAPI連携することで実現できる機能です。

一斉送信はAPI連携なしに利用可能

API連携が必要なのは、他のシステムにSMS配信の機能を持たせたいときです。SMS送信サービスの管理画面で利用できる機能については、API連携を使う必要はありません。例えば、一斉送信などはAPI連携なしに利用可能です。

「自動送信はすべてAPI連携が必要」と思っている方もいるかもしれませんが、API連携をしなくても使える機能は多くあります。「自社サイトにログインリクエストがあったとき」「お店を予約した前日」など、予約送信や一斉送信のトリガーとしてSMS送信サービス以外のシステムを参照するときに、API連携が必要になります。

SMSの自動送信が活用されるシーン

SMS送信においてAPIを活用した自動送信が必要になるシーンは、システムと連携して自動かつ即時にSMS送信が必要となる場合です。例えば、「スマホアプリ利用時の本人認証」や「サービスと連動した情報配信」「予約をした方へのリマインドの送信」を実現したい場合、API連携は不可欠でしょう。

そこで、これらのシーンでSMS送信APIや自動送信機能がどのように活用されているのか見ていきます。

スマホアプリ利用時の本人認証

スマホアプリの本人認証に、SMSのAPI連携を活用するケースは多く見られます。

会員制サイトなどのログイン時、メールアドレスやパスワードなどのログイン情報の他に、多要素認証の一つとして「SMS認証」を求められるシーンが増えてきました。「SMS認証」とは、ユーザーが登録した携帯電話番号宛てに、ログインに必要なワンタイムパスワードがSMSで送られてくる本人確認方法です。

ログインしようとしている人が本人か確認でき、万が一ログイン情報が誰かの手に渡ってしまった場合でも、携帯電話が手元にあることで、不正アクセスを防げます。

特に重要な取引を行う金融サービスや、個人情報が登録されたWebサイトやアプリの場合、SMS送信を取り入れた多要素認証が一般的です。自社サービスやアプリのセキュリティ強化のためSMS認証を導入する場合、API連携が必要になるでしょう。

また、SMS認証の活用事例を弊社サイトにてご紹介しておりますので、ぜひご参考にしてください。

自社サービスとAPI連携した情報配信

自社のサービスとAPIを連携させることで、有効な情報配信ツールとして活用できます。

SMSはメールやDMなどに比べ到達率、着眼率が高いといわれています。メールやDMは誤入力や情報変更により届かない場合や、迷惑メールとして振り分けられてしまう場合もしばしばあるでしょう。特にメールは他のメールに埋もれてしまいがちで、配信内容を見てもらえる確率は、さらに低減してしまいます。そのため情報配信ツールとしてSMSは非常に優れていると言えるのです。

また、購買など顧客のアクションをトリガーとしたSMS送信や、予約日のリマインド、請求書発行など、必ず確認してもらいたいメッセージにもSMSは最適です。応用として、SMSに記載されたURLをクリックしていないユーザーにだけ、自動でSMSを再送信するといった使い方も可能になります。

自社サービスとAPI連携することでタイムリーな情報配信ができている事例は以下よりご覧いただけます。

予約をした方へのリマインドの送信

自社で利用する予約システムとSMS送信サービスをAPI連携すると、予約をした方へリマンドの送信ができるようになります。

予約の数日前に予約内容やキャンセルポリシーなどを記載したSMSを送信すると、「予約したことを忘れていた」「予約日時を勘違いしていた」といった理由のノーショーの防止に役立ちます。

ノーショーは食材費や人件費などが無駄になり、店舗側の損失が大きいため、できるだけノーショーが起きないように対策が必要です。しかし、すべての予約客に対して電話で確認するのは手間がかかるため、実施が難しいのが現状ではないでしょうか。

API連携で指定したタイミングで予約確認のSMSを自動送信すれば、手間をかけずにノーショー対策ができるようになります。

関連記事:ノーショーとは?SMSを活用したノーショー対策もご紹介

API連携でSMS送信するメリット

API連携によるSMSの自動送信には、業務効率化やコスト削減などさまざまなメリットがあります。ここでは、API連携でSMSを送信するとどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。以下でメリットを4つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

業務効率化ができる

SMSを自動送信できるようになれば、スタッフが手作業でSMSを送信する必要がありません。仮にSMS送信作業を「1日30分」とした場合、月20日間の労働なら1か月あたり10時間費やしていることになります。API連携によってSMS送信作業が不要になれば、その分ほかの業務に時間を充てられるようになり、業務効率化を実現できるのが大きなメリットです。

人件費コストとミスを削減できる

API連携による自動化は、人件費コストとミスの削減にもつながります。SMSの手動送信にかかっていた時間がなくなれば、スタッフの人員配置を見直して人件費の削減が可能です。宛先の設定やメッセージの入力を手作業で行うとミスをするおそれがありますが、システムによる自動送信ならミスの心配もありません。正確かつ効率的なSMS送信ができるのは、API連携によるSMS自動送信のメリットのひとつです。

開発のコストを減らすことができる

自社システムに一からSMS送信の機能を追加しようとすると、開発に多くのコストと時間がかかります。一方、SMS送信サービスのAPI連携を活用する場合、SMS送信機能を一から開発する必要はありません。

SMS認証や予約のリマインド送信など、希望する機能を比較的少ないコストと時間で実現できます。システム開発にかかるコストや時間は、なるべく抑えたいと考える企業がほとんどでしょう。API連携を利用することで、この希望が叶えられます。

SMS認証でセキュリティを強化できる

SMSの送信にはお客様の携帯電話番号を用いるため、個人情報の流出を防ぐためにシステムのセキュリティ強化は必須です。セキュリティの高いAPIを導入することで、自社でセキュリティ対策を一から準備する負担を軽減しながらセキュリティを強化できます。

また、API連携を活用すると自社サイトにSMS認証の機能を追加できるのもメリットです。IDとパスワードだけの認証は不正アクセスのリスクがあるため、多くの企業が自社のサイトやアプリにSMS認証を取り入れています。

SMS送信API導入の流れ

API連携を活用したSMSの自動送信には、多くのメリットがあることがわかりました。そのため、自社でも導入を進めたいという企業も多いでしょう。

API連携を使ってSMSの自動送信を実現するには、以下の流れで進めます。

  1. SMS送信サービスを選定する
  2. APIの認証を受ける
  3. システム開発を行う

それぞれのステップについて、以下で解説します。

1.SMS送信サービスを選定する

はじめに、利用するSMS送信サービスを選ぶ必要があります。SMS送信サービスは種類が豊富で、API連携で実現できる機能やかかるコストはサービスによって異なります。自社がどのような用途にSMSの自動送信を利用したいのかを明確にしたうえで、最適なサービスはどれなのか比較検討を行いましょう。

候補を絞ったら、各事業者に詳細を問い合わせて自社の希望を実現できるのか確認してください。提案内容やコストなどを比較して、自社の希望や条件に最も合うサービスを選定し、契約を結びましょう。

2.APIの認証を受ける

SMS送信サービスを選定したら、APIを利用するための認証を受ける必要があります。一般的には、APIキーやシークレットキーなどを用いて認証を受けます。詳細はサービスによって異なるため、サービス提供事業者に事前に確認しておきましょう。

API連携が初めての場合は、サポート体制が整ったサービスを選ぶのがおすすめです。API認証の際に、電話やチャットなどでサポートしてくれる事業者もあります。API認証の際のサポートについても、契約前に確認しておくとよいでしょう。

3.システム開発を行う

APIの認証を受けてAPI連携ができるようになったら、希望する機能を実装するためのシステム開発を行います。SMS送信サービスのAPIは基本的にSMSの送信部分しか提供していないため、ほかの部分は自社で開発が必要です。例えばSMS認証機能を利用したいなら、認証コードの発行や入力されたコードの突合といった機能は、自社で開発しなければなりません。

自社で開発するか、開発を外部に委託するかも、事前に検討しておくとスムーズです。また、サービスによっては認証機能を搭載したAPIなどを提供しているため、自社での開発が最小限にできるサービスを選ぶという方法もあります。

SMS送信APIを選ぶときの5つのポイント

SMS送信APIにはさまざまなメリットがあるとわかった一方で、多様なサービスの中からどれを選ぶべきか迷うでしょう。そこで、必ず確認したいポイントを5つご紹介します。

最終的には要件を満たすサービスを選ぶことになりますが、これからご紹介するポイントは共通したチェック項目ですので、ぜひ参考にしてください。

到達率

到達率は重要なポイントです。特に必ず届けたい情報配信やSMS認証として使う場合、到達率が低いとトラブルになりかねません。そこで、SMSの到達率を左右するポイントについてご紹介します。

まず、SMS送信方法には「国内直収接続」と「国際網接続」があります。到達率は「国内直収接続」が優れています。「国際網接続」は受信拒否設定をされている可能性があり、到達率では劣るため導入前に確認しましょう。

また、忘れてはいけないのが送信性能です。 SMS認証などの送信数ボリュームが多い場合、”遅延なく着信”する送信性能を有したサービス選定が重要です。

セキュリティ対策

セキュリティ対策やサービス運営ポリシーも要確認事項です。万が一不正なアクセスにより、個人情報の漏えいが起きたり、悪用されてしまったりした場合、ユーザーはもちろん会社に甚大な損害をもたらします。

確認項目としては、公的機関のガイドラインに即しているか、適切なデータセンタで運用されているか、第三者の監査・認証をしているか、脆弱性に対する情報収集能力があるか、外部アタックリスクの対策が練られているか、内部不正対策が取られているかなどです。

自社での開発工数

API連携により開発コストは押さえられますが、開発が不要というわけではありません。APIと自社システムとの連携は、自社開発が必要です。自社側の開発作業コストを見積もらなければ、求めるコストパフォーマンスを発揮できない場合があります。

契約前にAPI仕様書を確認できるか相談しましょう。企業によってはAPI仕様書の開示にNDAなどの締結が必要になるため、あらかじめサービス提供会社に打診しておくとよいでしょう。

事前に仕様書の確認ができていれば、シンプルに整理されたAPIを選びやすく、開発もスムーズに進みます。

サポート体制

API連携した場合、利用用途によっては、24時間SMS送信されることもあります。障害や頻繁なメンテナンス、突然サービスが終了するとなると多大なユーザー影響があるため信頼できるサービス選定が必要です。

また、緊急時にも問題なく対応できるサポート体制があるかも重要です。こちらは見落としがちなポイントですが、24時間故障受付とは言ってもメールの受付だと回答をもらえるのはいつでしょう?24時間365日電話受付窓口が設置されていると非常に安心です。

トラブル時だけでなく、テクニカルな疑問が発生した際も、直接技術担当者から回答がもらえるとスムーズな解決につながります。技術者と直接やり取りできない場合、迅速に回答が得られないことがあるので要注意です。導入前にサポート体制を確認しておくと安心です。

導入事例

事業者が公開している導入事例は、「ほかのサービスより優れている部分がある」「比較的容易に導入できる」といった判断ができるひとつの指標です。導入事例が多いほど、多くの企業に選ばれていることの証明になります。

特に、自社が希望する機能に近い導入事例があるサービスがおすすめです。サービス提供事業者側に開発の技術やノウハウがあると考えられ、自社にとって最適な提案をしてもらえるでしょう。同様の導入事例があるサービスなら、コストや開発にかかる時間を抑えられる可能性もあります。

SMSの自動送信の活用事例

業務効率化の実現やコストの削減などのメリットがあるAPIを活用したSMSの自動送信は、さまざまなサービスに活用されています。ここでは、SMSの自動送信を活用した企業の事例を3つ紹介します。

損害保険の請求受付用URLを自動送信

損害保険会社から代理店委託を受けて保険商品の販売・サービスを手掛ける東京海上日動あんしんコンサルティング株式会社では、大学生を対象とした損害保険の業務にAPI連携によるSMS自動送信を活用しています。

大学生を対象とした保険商品のため入学前の3月には問い合わせが集中し、事故にあったときの請求も同じ窓口で受けていることから、対応が追いついていないのが課題でした。そこで、音声ガイダンスに沿って「請求」を選択したお客様に対して、オペーレーターに空きがなく携帯電話からの着信であると確認できた場合、案内用のURLを記載したSMSを自動送信する仕組みを導入しました。

その結果、Webからの請求率が30%アップし、電話での請求関連の問い合わせを約14%まで削減することに成功しています。電話での受け付けが減っただけでなく、Webでの受け付けは内容を自動でExcelに転記できるため、業務効率化も実現しました。

支払い後のサンクスメールの送付

法人、および個人向けにレンタル携帯サービスを展開している株式会社アーラリンクでは、お客さまから支払いのあった際のサンクスメールの送付にAPIを活用した自動送信を利用しています。

自動送信を導入する前は、1日の最後にまとめて手動でサンクスメールを送信していましたが、支払いからサンクスメール到着までにタイムラグがあるため、支払いが完了したかお客さまから電話で問い合わせが来るケースが多くなっていました。

顧客の増加にともない、問い合わせに対応する時間の増加を懸念し、導入したのがNTTコム オンラインが提供するSMS送信サービスの「空電プッシュ」です。

社内システムと空電プッシュのAPIを連携することで、支払いがあったタイミングでタイムリーにSMSでサンクスメールを送ることができるようになりました。

APIの連携による自動送信の実現は、企業側の負担の軽減だけでなく、支払い後にすぐにサンクスメールが来ることによるお客さまの安心感にもつながっています。

オンラインゲームの新規会員登録・ログイン認証

オンラインゲームの開発・運営に携わる株式会社サミーネットワークでは、新規会員登録やログイン認証にSMSの自動送信を活用しています。

サミーネットワークでは、健全なゲーム運営・コミュニティ運営を妨げる複数アカウントの防止を課題としていました。

オンラインゲームでは、ユーザーが複数のアカウントを持つことで、「リセマラ」や「チーミング」などの特定のユーザーが有利になる行為ができてしまいます。また、複数アカウントを持つことで、特定の人物を集中的に誹謗中傷するような荒らし行為が起こりやすくなるという問題がありました。

複数アカウントを防止し、不正を防ぐ目的で導入したのがSMS認証です。SMSでは、携帯電話番号に基づいた認証を行うことが可能です。携帯電話番号はメールアドレスと異なり、通常1人1〜2台分しか持っていないため、複数のアカウントを作ることが難しい傾向にあります。

SMS認証を導入することで、複数アカウントの作成による不正がしにくい健全な環境を作ることに成功しています。

SMS送信APIで自動送信を実現しよう

SMS送信APIのメリットや、本人認証や即時性のある情報配信を実現したい場合は、API連携が必須であることをお伝えしました。

また、複数あるSMS送信サービスの中から選定するためには、「到達率」「セキュリティ」「開発工数」「サポート体制」をポイントに選定する必要があります。それに加え、要件にあったSMS送信サービスを選ぶことが失敗しない選び方といえます。

NTTコム オンラインの「空電プッシュ」は高い送信性能やセキュリティを求められる金融機関や情報サービスへの導入実績も豊富で国内シェアNo.1の実績があります。

API連携の導入をご検討の方は、「空電プッシュ」にぜひご相談ください。