2022/02/16
自治体において住民との連絡が必要な業務は多々ありますが、電話や郵送物で住民との連絡を取ろうとするものの、なかなか確認いただけないという課題があります。特にコロナ禍において、対面での接触も厳しく訪問もしづらいという中、自治体におけるSMSの有効活用が活発になってきています。
本記事では、自治体が住民とのコミュニケーションにおける課題に対して、どのようにSMSを有効活用されているかを導入事例とあわせてご紹介します。
目次
従来、保健所等から電話などで感染者に連絡していましたが、「休んでいて繋がらない・電話に出られない」「感染して体調が悪い中で電話をかけるため、相手に負担を強いる」「住民が折り返し連絡をすると今度は繋がらず負担」などの課題がありました。注意事項の説明に数日かかることもありました。
SMSを活用し療養に必要な情報を感染者の携帯電話に知らせることで、迅速な連絡ができるようになり、職員の業務負担も減らすことができました。
自治体向けSMS送信サービス「空電プッシュ for LGWAN」 千葉県にて新型コロナ感染者への連絡利用に採用(千葉県)
当初は、予約日時や接種会場を明記したハガキをお送りしていましたが、ハガキは郵送代がかかります。また、ハガキでは接種日直前の緊急連絡対応(悪天候による注視等の連絡)ができないことも課題でした。
オンライン予約により連絡先電話番号は9割が携帯電話番号だったため、ハガキの代替えとしてSMSでの連絡に切り替えることで大きなコスト削減につながりました。また、当日予約の連絡にも対応可能ですし、悪天候による中止の連絡もスムーズに実現できました。
「あなたのコロナワクチン接種は◯月◯日の◯時です。接種場所は◯◯です。」
「このメッセージはワクチン接種の1回目の予約をされた方にお送りしています」というメッセージも別送することで安心感を与えています。
コロナワクチン接種を円滑に進めるための予約日リマインドや緊急連絡。空電プッシュの導入により低コスト・省力化で効率よく実施(静岡県富士市)
40歳以上75歳未満の方を対象に受診していただく「特定健診」の受診勧奨業務において、毎年、区報や区のホームページ、ポスターやチラシ、SNSなどで告知をしたり、一部の対象者には受診勧奨ハガキを送付したりとさまざまな取り組みを行っていましたが、受診率があがらずに悩んでいました。
特定健診の対象者に向け、週2回のSMSを送信した結果、コロナ禍で特定健診の受診を控える方が多く、都内や23区全体では対前年度比で9割弱に落ち込んだ中、取り組んだ自治体では対前年度比で、ほぼ同率となりました。
空電プッシュが保険料の収納率と特定健診の受診率の向上に貢献。SMSによる「非対面かつ直接的」な情報発信でコロナ禍の課題をクリア(東京都荒川区)
「妊娠中のケア」「出産後の新生児訪問」「乳幼児健康診断」という各種支援の実施率を高めたいという課題がありました。従来のハガキは着眼率が低く、電話もなかなかつながらない課題がありました。特にハガキは宛名記載・郵送の手間、住所に本当に居住しているかの確認など多くの稼働がかかっているという課題がありました。
「妊娠中のケア」「出産後の新生児訪問」「乳幼児健康診断」の対象となる方のなかで、携帯電話の番号を把握している方に向けてはハガキや電話よりも先にまずSMSを送信しています。電話と比べてSMSの方が明らかに反応が良く、すぐに折り返しの電話やメールをいただけます。最初に反応率の高いSMSを送ることで、ハガキを送る作業や電話をかける件数を大幅に減らすことができました。また、コロナ禍で「乳幼児健康診断」の受診率が下がっている自治体が多いと聞く中、取り組んだ自治体ではほぼ変わらずの受診率を維持できました。
「手軽なSMS送信」で「手厚い母子支援」を実現!スマホ世代の“電話離れ”課題を空電プッシュで解消した府中市の取り組み(東京都府中市)
市税・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の徴収や、滞納者への督促などにおいて、郵便物での督促や催告では、帰宅していない、転居している、などの事情で気づいていただけず、未開封のままでした。また、電話は不在で通話できず、折り返しの連絡もいただけない。臨戸訪問をしても不在であったり、不在の場合に差し置きしている文書に対しても反応がないといった状況が見られました。
未納に関する連絡をSMSで送付した数分後から、着々と返電が入り始めるようになりました。結果、納付額の伸びは、すぐに導入や運用のコストを上回るようになりました。
「XX市徴収課です。未納の市税があります。至急ご納付をお願いします」
「XX市税務部納税課です。〇月〇日に通知を発送しましたのでご確認ください。(直通電話番号)」
「督促」や「催告」という言葉は使わず、「納付確認」という文言で、お問い合わせ先として保険料係や税務部納税課の連絡先を入れてメッセージを送る等の工夫もされています。
SMS導入で、電話や文書の催告では反応が鈍かった層からもレスポンスが得られるように(兵庫県伊丹市)
「空電プッシュ for LGWAN」と税システム専用端末との合わせ技で、より安全にSMSでの住民連絡を実施(東京都八王子市)
住民とのコミュニケーションが発生するさまざまな業務でSMS活用が可能です。NTTコム オンラインでは、行政専用ネットワークであるLGWANを通じて利用可能なSMS送信サービス「空電プッシュ for LGWAN」を提供しています。2017年12月に特許を取得したLGWAN対応SMS送信サービスは、高いセキュリティを維持しながら、SMSを一斉に配信できることから、従来の連絡手段(電話、郵便物、Eメール)に代わる新たなツールとしてご活用頂いています。
ご紹介したコロナ感染時の連絡、ワクチン接種日連絡、特定検診受診連絡、母子支援、税金や保険料の催促などの課題をお持ちのご担当者様はぜひ、着眼率の高いSMSをご検討ください。