携帯電話番号宛にメッセージを送信できる「SMS」は、マーケティングチャネルのひとつとしてさまざまな用途に活用されています。メールや電話とは違ったメリットがあるSMSマーケティングとはどのようなものなのかチェックしておきましょう。
本記事では、SMSマーケティングのメリットや注意点などを詳しく解説します。SMSマーケティングに取り組んでいる企業の事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- SMSを活用したマーケティングとは
- SMSをマーケティングに活用するメリット
- SMSをマーケティングに活用する際の注意点
- SMSを活用したマーケティング施策
- SMSマーケティングの活用事例
- SMSマーケティングで意識したいポイント
- 空電プッシュでSMSマーケティングを推進しよう
SMSを活用したマーケティングとは
SMSは「Short Message Service」の頭文字を取ったもので、携帯電話番号を使ってメッセージをやりとりできるサービスです。SMSは広く普及していて、個人利用にとどまらずビジネスにも活用されています。
SMSを活用したマーケティングでは、顧客へのメッセージをメールアドレス宛ではなく携帯電話番号宛に送信します。キャンペーンの案内やクーポンの配布、予約のリマインドや支払いの請求など、利用用途はさまざまです。
詳しくは次項で紹介しますが、SMSをマーケティングに活用すると多くのメリットがあります。そのため、メールやSNSに加えてお客様との連絡手段にSMSを取り入れる企業も少なくありません。
SMSをマーケティングに活用するメリット
SMSがマーケティングで広く活用されているのは、メールなどにはないSMSならではのメリットが多くあるためです。具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 携帯電話番号で送信できる
- 普及率が高く利用者が多い
- 開封率・到達率が高い
- コストパフォーマンスが高い
4つのメリットについて、詳しく解説します。
携帯電話番号で送信できる
先ほど紹介したとおり、SMSは携帯電話番号で送信できるサービスです。携帯電話番号はほとんどの人が持っているため会員登録時などに入手しやすく、情報配信についての許諾があれば手軽にメッセージを送信できます。
携帯電話番号を変えずにキャリアを乗り換えることも可能なため、長い期間同じ電話番号を使い続けている人も多いでしょう。そのため、一度取得した携帯電話番号を長期的にマーケティングに活用できる点もメリットです。
普及率が高く利用者が多い
SMSは普及率が高く、利用者が多いというメリットもあります。ほとんどの携帯電話キャリアはSMSに対応していて、iOSやAndroidといったスマートフォンのOSの種類を問わず利用できます。
ガラケーにも対応しており、キャリアや端末に関係なく携帯電話さえ持っていればSMSを利用できるため、現代ならほとんどの人に対してアプローチが可能でしょう。
開封率・到達率が高い
SMSがマーケティングに広く活用されているのは、開封率・到達率の高さも理由のひとつです。メールと違ってSMSはそもそもの受信数が少なく他のメッセージに埋もれにくいことや、メッセージアプリのポップアップ通知でユーザーの目に留まりやすいことなどから、高い開封率を誇っています。
到達率が高いのは、携帯電話番号は変更されるケースがあまりないためです。メールアドレスは気軽にいくつも取得できるため、「会員登録時のメールアドレスはすでに使っていない」といったケースも珍しくありません。
SMSなら上記のようなメールのデメリットを解消でき、ユーザーに到達する可能性が高く開封してもらいやすいのも大きなメリットです。
コストパフォーマンスが高い
SMSは1通送信するごとにコストがかかりますが、メッセージを作成する手間や開封率の高さを考慮するとコストパフォーマンスは高いといえます。SMSは短いメッセージの送信に適したサービスで、本文の作成にそれほど手間や時間はかかりません。メールマガジンのように長文や画像を作成する必要がなく、手軽に送信できます。
制作コストがそれほどかからない一方で開封率・到達率が高いため、送信ごとに費用がかかったとしても、コストパフォーマンスが高いといえるでしょう。
SMSをマーケティングに活用する際の注意点
SMSはメリットの多いサービスですが、マーケティングに活用する際は以下の点に注意が必要です。
- 文字数に限りがある
- 画像や動画は送ることができない
- 特定電子メール法を遵守する
3つの注意点について、詳しく解説します。
文字数に限りがある
SMSは、送信できる文字数に制限があります。送信できるのは1通あたり最大全角670文字、半角1530文字までで、メールのような長文は送信できません。そのため、入力するメッセージは短くまとめ、URLを併記して詳細が確認できるWebページに誘導するのが基本的な活用方法となります。
SMSのサービス開始当初は、全角70文字までしか入力できませんでした。2019年に現在の最大全角670文字に拡大されましたが、古い端末を利用している場合は全角70文字の制限がかかり、メッセージが分割して送られるケースがある点にも注意が必要です。
携帯電話番号宛に長文のメッセージを送信したい場合は、「RCS」を活用しましょう。RCSはSMSと同様に携帯電話番号によるメッセージの送受信が可能なサービスで、日本でも大手キャリアが「+メッセージ(プラスメッセージ)」という名称で提供しています。+メッセージなら、全角2730文字まで送信できます。
関連記事:プラスメッセージの料金とは?メリットやSMSとの違いを解説
画像や動画は送ることができない
SMSは文字数の制限があるだけでなく、画像や動画も送信できません。送信できるのはテキストのみで、HTMLメールのような装飾も不可能です。SMSは「短くシンプルなテキストを送付するためのツール」だと認識しておきましょう。
先ほど紹介したRCS(+メッセージ)なら、画像や動画の送信に対応しています。写真やPDFファイルなどの送信も可能なので、ビジネス上のやりとりにも活用できます。
特定電子メール法を遵守する
新商品の案内やキャンペーンの告知など、宣伝のためにSMSを活用しようと考えている場合には、「特定電子メール法」について理解しておく必要があります。特定電子メール法とは、広告や宣伝のメールを送信する際の禁止事項などを定めた法律です。
「宣伝メールを送信するには受信者の事前承諾が必要」「送信者に関する情報を明記する」といったルールが定められており、SMSも対象のため法律の内容をしっかり確認しておきましょう。
特定電子メール法については以下の記事で詳しく紹介しているので、併せてチェックしてみてください。
関連記事:【第4回】SMS導入担当者が必ず理解しておきたい3つの法律
SMSを活用したマーケティング施策
SMSはさまざまなマーケティング施策に活用できます。例として、以下のようなものが挙げられます。
- キャンペーンの通知
- 来店客のフォロー
- 新商品・新サービスの告知
- クーポンの配布
- アンケートの依頼
このように、顧客へのあらゆる通知や連絡にSMSが活用できます。長文の入力には向いていないので、要点を絞ってわかりやすく短い文にまとめ、詳細はURLに誘導するのが一般的です。
そのほか、開封率の高さを利用して顧客データのスクリーニングにも活用されています。会員情報更新のお願いなど、アクティブユーザーを把握するのにも役立ちます。
SMSを活用したマーケティング施策については以下の記事で詳しく紹介しているので、併せてチェックしてみてください。
関連記事:【SMS活用編】第14回 SMSマーケティング徹底解説!~SMSを使った効果的なマーケティング方法とは~
SMSマーケティングの活用事例
SMSのマーケティング活用方法を検討する際には、実際の事例を参考にするとイメージしやすくなります。ここでは、NTTコム オンラインが提供するSMS送信サービス「空電プッシュ」を活用してマーケティングに取り組む3社の事例を紹介します。
株式会社ジェーシービー
クレジットカードをはじめキャッシュレス決済サービスを手掛ける株式会社ジェーシービーでは、郵便・電話・メールに次ぐ第4のツールとしてSMSを採用しました。「電話に出てもらえない」「ほかのメールに埋もれて気づいてもらえない」などツールごとに課題があるなか、SMSは「電話よりも心理的な抵抗がなく、メールより確実に情報を届けられるツール」として活用しています。
導入当初は急ぎの案内を中心に利用していましたが、現在はサービスを便利に使ってもらうためのさまざまな案内に活用の幅を広げています。例えば、Web上の手続きが完了していない人への「お手続きはまだ完了していません」といったメッセージや、コールセンターで対応した人への満足度調査のお願いなど、社内の7部署10担当以上にSMSの活用が広がりました。
青森マツダ自動車株式会社
青森マツダ自動車株式会社では、新車の情報やイベント告知といったプロモーション活動にSMSを活用しています。SMS導入前のプロモーション手段は紙のDM(ダイレクトメール)が中心でしたが、人件費や送料などのコストや手間がかかっている実情がありました。この作業をSMSに切り替えて紙のDMを8割削減し、店舗の担当者の作業負荷の軽減に成功しています。
紙のDMから切り替えたメリットとして、顧客に常に最新の情報を見てもらえる点も挙げられます。中古車は在庫の変動が激しく、以前はDMに掲載した車について問合せがあっても案内できないことがありましたが、SMSからURLに誘導することでクリックした時点の最新情報を確認してもらえるようになりました。
SMSは開封率が高いため、SMSの案内がきっかけで展示会やイベントに来てくれる人がいたり、公式サイトのPV数が上がったりなど成果が出ています。
株式会社ウェブクルー
自動車保険や生命保険など複数の業種で一括見積り依頼・資料請求サービスを提供する株式会社ウェブクルーでは、2015年からSMSを活用しています。見積り結果ページへの導線をメールで配信していたもののアクセス率に課題があり、SMSに切り替えたところアクセス率を約1.5倍に伸ばすことに成功しました。
しかし、当時利用したのは海外のSMS送信サービスで、他の企業との意図しない番号重複や携帯キャリアによる到達率のばらつきなどが課題でした。そこで、独自の発信番号を設定できる国内サービスの「空電プッシュ」に切り替えています。
空電プッシュの採用によりキャリアで差があった到達率も向上し、ビジネス上重要な見積り比較表ページへのアクセス数アップにつながりました。
SMSマーケティングで意識したいポイント
SMSマーケティングを成功させるためには、以下のポイントを意識することが大切です。
- 端的でわかりやすいメッセージを作る
- 短縮URLを活用する
- 一斉送信を活用する
- 定期的な振り返りと改善を行う
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
端的でわかりやすいメッセージを作る
文字数に制限があるSMSは、端的でわかりやすいメッセージを作る必要があります。また、画像や動画でユーザーの目を引くこともできないため、短い文章でいかに興味を持ってもらうかが重要です。ひと目で内容がわかりにくい文章や長過ぎる文章は読み飛ばされ、URLをクリックしてもらえる可能性も低いでしょう。
スマートフォンにSMSが届くとポップアップ通知が出るようになっており、冒頭の一部の文字が表示されます。そのため、通知に表示されるわずかな文章で興味をもってもらえるような工夫が必要です。
短縮URLを活用する
SMSにURLを記載する場合、短縮URLの活用が有効です。短縮URLを利用することで、長いURLを短くできるため、文字数制限がある中でも伝えたい情報を伝えることができます。さらに、文字数によって送信のコストも変わるため、コストの削減にもつながります。
関連記事:SMSで短縮URLを活用しよう!メリットと代表的な活用シーン
一斉送信を活用する
大量のSMSを1通ずつ送信するのは手間と時間がかかるため、件数が多い場合は一斉送信を活用するのがおすすめです。あらかじめ携帯電話番号のリストを用意しておけば、同じ内容のメッセージを一斉送信することができます。
より効率的にSMSマーケティングを行うなら、SMS送信サービスの利用も検討してみてください。送信予約や宛名の差し込みなど、便利な機能が提供されているサービスがおすすめです。
定期的な振り返りと改善を行う
SMSに限らず、マーケティング施策は定期的な振り返りと改善を繰り返すことが大切です。送信したメッセージごとに開封率やURLへのアクセス数などを確認し、効果が出たものと出なかったもの、それぞれの要因を分析しましょう。これにより、どのようなポイントを押さえればユーザーからの反応がよいのかが推測できるようになります。
振り返りや改善を行わず、効果が低いSMSを送り続けても意味がないため、SMSマーケティングで高い成果を得られるようPDCAサイクルを回しましょう。
空電プッシュでSMSマーケティングを推進しよう
携帯電話番号に対してメッセージを送信できるSMSは、マーケティングにも活用できます。普及率や開封率の高さなどメールとは違ったメリットがあるため、お客様へのアプローチ手段のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
NTTコム オンラインが提供する「空電プッシュ」は国内シェアNo.1の法人向けSMSサービスで、業界を問わず多くの企業で活用されています。到達率は99%(自社調べ)と圧倒的で、申し込み後最短4営業日で利用できるスピード感も魅力です。
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