「+メッセージ(プラスメッセージ)」は、ドコモ・au・ソフトバンクの3社が提供するリッチコミュニケーションサービス(RCS)規格に準拠したメッセージサービスです。まだ聞き慣れない方も多いかもしれませんが、各キャリアのサブブランドやMVNOでも利用できるようになり、ますます便利になっています。

SMSの利便性をさらに向上させたサービスのような位置付けのため、ビジネスにも広く活用されています。この記事では+メッセージでできることから料金体系、企業での活用法、メリット・デメリット、SMSやLINEとの違い、企業での活用事例まで詳しく解説します。

この記事の内容
  • +メッセージとは大手キャリア3社によって提供されるメッセージサービスで、SMSと同様に携帯電話番号だけでメッセージのやりとりができる
  • +メッセージの料金体系は送受信時に通話料ではなくデータ通信量を消費する
  • +メッセージを企業で活用するには、審査が必要な公式アカウントを作成する
  • +メッセージはテキストだけでなく写真や動画を送れる、到達率・開封率が高い、送信元名として企業名を設定できるといった多くのメリットがある。
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+メッセージ(プラスメッセージ)とは

+メッセージとは、ドコモ・au・ソフトバンクの大手キャリア3社によって提供されるメッセージサービスです。SMS(ショートメッセージサービス)と同じように携帯電話番号だけでメッセージのやりとりができます。

SMSにはない大きな特徴として、写真や動画、スタンプ、長文のメッセージなども送受信ができます。SMSやEメール、LINEといった既存のメッセージサービスの良いポイントを集めた新しいサービスと言えるでしょう。

また現在はドコモ・au・ソフトバンクのサブブランドやMVNOでも利用範囲が拡大しつつあります。さらにiPhoneとAndroid両方に対応しており、iPhone同士・Android同士でなくてもやりとりが可能です。

+メッセージ(プラスメッセージ)でできること

+メッセージは、先にご紹介したように電話番号でメッセージを送受信できるサービスです。短文のテキストメッセージはもちろん、SMSではできない長文や写真、動画、スタンプの送受信にも対応しています。また、LINEと同様に相手がメッセージを読むと「既読」がつく機能が搭載されていることも特徴です。

+メッセージ(プラスメッセージ)の料金体系と通信量

では、+メッセージの料金体系はどのようになっているのでしょうか?同じく電話番号を利用してメッセージを送信するSMSは、送信時に1通あたり文字数に応じて3〜33円程度の通話料が発生します。一方で+メッセージでは、送受信時に通話料ではなくデータ通信量を消費します。

そのため通信量定額のプランでスマホを契約している場合や、自宅や外出先でWi-Fiを使用する場合は料金を気にする必要はありません。ただし、これは+メッセージのアプリをお互いに利用していることが前提となります。もし送信相手がアプリを利用していない場合、+メッセージを送信してもSMSとして扱われて通話料が発生するので注意しましょう。

+メッセージ(プラスメッセージ)の企業での活用法

企業は+メッセージの公式アカウントを作成することで、お客様とやりとりすることができます。公式アカウントとは企業専用のアカウントのことで、店頭や電話で行っていたお問い合わせ対応を+メッセージで代替することが可能です。お客様と双方向のコミュニケーションが取れるため、関係強化・販売促進にも効果があります。

公式アカウントを発行するには審査が必要です。キャリアに認定された企業のみが公式アカウントを持つことができるため、なりすましアカウントが作られることはありません。お客様と企業がお互いに安心してメッセージのやりとりができるため、契約内容の確認や料金の督促といった重要な連絡にも活用できます。

+メッセージ(プラスメッセージ)のメリット

メッセージをやりとりできるサービスとしてはSMSやEメール、LINEなど既存のものが多くあります。ここでは、+メッセージを利用することで得られる7つのメリットについて紹介します。

携帯電話番号でやりとりできる

1つ目は、送信する相手の携帯電話の番号を知っていればやりとりができることです。メールアドレスは頻繁に変更されることが多いのに対し、携帯電話の番号を変更する機会は少ないため、確実に相手に届く確率が高くなります。

またLINEのように相手のIDを検索して友だち登録をする作業も不要で、+メッセージのアプリをダウンロードして起動すれば簡単にやりとりを開始できます。+メッセージのアプリはスマホ本体の連絡先と同期されるため、連絡先に登録している相手であればすぐにアプリ上に追加可能です。

写真や動画を送ることができる

2つ目はテキストだけでなく写真や動画を送ることができる点です。すでに撮影した写真や動画を送るほか、その場で撮影してそのまま送ることもできます。

写真や動画を送ることができず、テキストだけでやりとりするSMSと比較すると、視覚情報もプラスして相手に伝えることができるためコミュニケーションエラーが起きにくくなります。資料の共有などもできるため、ビジネス上のやりとりも大きく効率化するでしょう。

関連記事:SMSで画像や写真を送るには? 送信方法を詳しく解説

既読の確認ができる

3つ目は送信したメッセージの既読・未読が確認できることです。LINEのように相手がメッセージを読むと「既読」のマークがつくため、伝えたい情報が伝わったか相手の状況を把握しやすくなるメリットがあります。

関連記事:SMSが届いたかどうか分かる?既読機能で開封済みかチェック

また、複数人でのグループトークでは、誰が既読で誰が未読なのかがわかる機能もあるため、共同で作業をしている場合は進捗確認や情報共有などが効率的に行えるでしょう。ただし既読機能はON/OFFの切り替えが可能なため、状況や必要に応じて選択できます。

スタンプを活用できる

4つ目はスタンプの送受信ができることです。LINEのようにスタンプを使えることはSMSにはない特徴で、多彩なコミュニケーションを実現できます。

スタンプは+メッセージのスタンプストアから無料または有料でダウンロードします。LINEと比較するとスタンプの種類はまだ少ないですが、期間限定のクリエイタースタンプも登場するなど増加傾向にあります。

スタンプを活用してメッセージをさまざまなテイストで彩ることができるため、ビジネスやプライベートなどあらゆる場面に対応できます。

到達率・開封率が高い

5つ目はメッセージの到達率や開封率が高いことです。+メッセージはSMSと同様に80%以上の到達率と開封率が期待できます。

LINEなどでは公式アカウントが受信者からブロックされてしまうことがよくありますが、この原因の大半はお客様にとって不要な情報やメッセージの受信数自体が多いことです。+メッセージではこのようなことを防ぐために、ガイドラインとして運用ルールが設定されています。そのため+メッセージの公式アカウントはブロックされにくく、メッセージを確実に届けられることがメリットです。

双方向のコミュニケーションができる

6つ目は企業からの一方的な発信ではなく、お客様と双方向のコミュニケーションができることです。特別な設定をしなくても、+メッセージでは企業が発信したメッセージに対してお客様からの返信をもらうことができます。面倒な作業は不要で手軽に返信ができるため、企業は自社に対するお客様のリアルな声やニーズを受け取って把握することができます。アンケートなどの回収率も上がるでしょう。

テキストだけでなく画像や動画なども送信できるため、さまざまな用途で活用することができます。

送信元名として企業名やブランド名を設定できる

7つ目は企業名やブランド名をメッセージの送信元名として設定できることです。+メッセージでは、審査をクリアした企業だけが送信元名を企業名やブランド名に設定でき、受信した際に表示されます。

お客様は一目でどの企業からのメッセージなのか把握できるため、詐欺やなりすましを疑うことなく安心感を持って開封することができるでしょう。またきちんと企業名が設定されていることで、企業に対する信頼感も高まります。

+メッセージ(プラスメッセージ)のデメリット

ここまで紹介したように+メッセージにはたくさんのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。+メッセージを効果的に活用するために、デメリットについてもしっかりと把握しておきましょう。

非対応のキャリアもある

+メッセージには大手キャリアや多くのMVNOが対応していますが、一部のキャリアは対応していない場合もあります。たとえば楽天モバイルは2024年1月時点で+メッセージには対応していません。

「メッセージを送信したつもりがキャリアが非対応のため届いていなかった」という事態を避けるために、受信者のキャリアには注意する必要があります。+メッセージが対応していないキャリアの利用者に対しては代わりにSMSで送信するなど、対応策を検討することが重要です。

LINEほど利用者が多いわけではない

+メッセージの利用者は増えているものの、知名度や日常的に利用する人はLINEと比べるとまだ少ないです。企業がメッセージを送信しても、LINEほどの反応や効果は得にくいかもしれません。

ただし+メッセージの利用者は2024年2月時点で4,000万人を突破しており、確実に増加しています。さらに利用者を増やすためのキャンペーンやコンテストなども頻繁に行われており、今後も利用者は増え続けシェアは拡大していくでしょう。企業が早めに+メッセージを導入しておくことにはメリットがあるといえます。

iPhoneの場合、事前のインストールが必要

Androidには+メッセージのアプリが標準で搭載されていますが、iPhoneには搭載されていません。そのためiPhoneユーザーが+メッセージを受信するには、事前にAppstoreでアプリをインストールする必要があります。SMSと違いインストールの手間がかかることはデメリットといえるでしょう。

+メッセージを送る企業側もこうしたデメリットを理解し、受信者へのアナウンスを心がけるなどの配慮が求められます。

+メッセージ(プラスメッセージ)とSMSとの違い

+メッセージとSMSはどちらも携帯電話番号でメッセージの送受信ができますが、主に以下の3つの違いがあります。

長文のメッセージを送ることができる

+メッセージは、SMSと違い長文のメッセージを送ることができます。SMSの文字数は最大全角670文字、古い機種では最大全角70文字という上限が設定されており、この上限内に内容をまとめなければなりません。一方、+メッセージなら全角2,730文字まで送信可能なため、文字数を気にせずに長文を作成して送信できます。

顧客に送信する場合も販売促進や関係強化のマーケティング施策をしっかり盛り込んだリッチコンテンツを作成できるため、SMSと比較して費用対効果も高くなります。

関連記事:SMSの文字数制限とは?活用例やサービスを選ぶポイントも紹介

グループチャットができる

+メッセージでは、複数の相手とやりとりができるグループチャット機能があります。SMSでは1対1のやりとりしかできないため、グループのメンバー全員に情報共有する場合は大変な手間と時間がかかっていました。+メッセージなら複数人でのグループを作成でき、メンバーそれぞれの既読/未読まで確認できるため利便性が大きく向上します。

グループチャットのメンバーは最大100人まで追加できるため、仕事のプロジェクト管理・進行、顧客へのイベント・キャンペーン告知、家族や友人とのやりとりなどあらゆる場面で活用できるでしょう。

+メッセージ(プラスメッセージ)はデータ通信量がかかる

SMSと+メッセージは料金体系が異なります。SMSが1通あたり3〜33円程度の通話料が発生するのに対し、+メッセージはメッセージのボリュームに応じてデータ通信量が発生します。

SMSと同じ料金体系と思い込んでいる場合、思わぬ高額な料金が発生してしまう可能性があるので注意しましょう。また、+メッセージは画像や動画などのコンテンツも送信できるため、データ通信量をたくさん消費してしまいがちです。契約が定額プランでない場合は使いすぎにも気をつけましょう。

+メッセージ(プラスメッセージ)とLINEとの違い

SMSと比較して、+メッセージはスタンプの使用や既読機能など、LINEと似た機能が搭載されています。またUIもLINEと近いです。では、+メッセージ(プラスメッセージ)とLINEの違う点についてみていきましょう。

アカウントの登録が不要

+メッセージはLINEと違いアカウントの登録が必要ありません。LINEを使い始める場合、アプリをダウンロードしてからまずはアカウント登録を行います。年齢確認や位置情報、連絡先の連携を行いアカウント登録が完了してからメッセージのやりとりができるようになります。

一方、+メッセージはアプリをダウンロードするだけですぐにメッセージのやりとりを開始できます。送信相手の電話番号を知っていれば友だち登録なども必要ないため、アプリの設定が苦手・慣れていないという方でも扱いやすいでしょう。

無料通話機能はない

+メッセージには、LINEと違い無料通話機能はありません。名前のとおりメッセージ機能に特化しているため、LINEと比較するとメッセージ以外の機能は少なめです。

しかし、メッセージに特化しているからこそ、多くの相手へ確実に情報を届けたい場面などに適しているといえます。特にビジネスシーンにおける顧客へのアプローチ手段として活用される機会が多いです。

+メッセージはメッセージ機能に特化したツールであることを意識して活用し、無料通話などの機能はほかのツールを併用するのがおすすめです。

タイムラインなどSNSの機能はない

LINEにはメッセージ機能のほかに自分の近況や伝えたいことを友だち全員に向けて投稿する「タイムライン」というソーシャル機能があります。このようなSNS機能は+メッセージにはありません。

既にご紹介したように、+メッセージはメッセージ機能に特化したサービスです。メッセージ以外の機能は少ないですが、シンプルだからこそ誰にでも使いやすいというメリットがあります。このような特徴がLINEとの大きな違いです。

+メッセージ(プラスメッセージ)の企業での活用事例

では、+メッセージは実際に企業でどのように活用されているのでしょうか。国内最大手の移動体通信キャリアとして知られる株式会社NTTドコモでの+メッセージの活用事例を紹介します。

同社はスマートフォンを利用しているお客様向けのサポートサービス「あんしん遠隔サポート」において、LINEを使っていないお客様でも使えるチャットツールとして+メッセージを導入しました。

+メッセージはアカウント作成が不要で電話番号さえあればメッセージのやりとりができるため、スマホやインターネットに関するリテラシーがあまり高くない方々からも簡単で使いやすいと好評です。現在ではテキストチャットでのサポート利用者のうち1/3程度が+メッセージを利用しており、利用者数は順調に増加しています。顧客満足度調査では80~85%のお客様から「満足している」との回答が得られました。

+メッセージ(プラスメッセージ)を活用しよう

+メッセージは、SMSやEメール、LINEなどの既存のメッセージサービスそれぞれの良いポイントを集めた新たなメッセージサービスです。携帯電話番号だけで送信できる、画像・写真・スタンプを送信できる、グループチャットができるなど、さまざまなメリットがあります。メッセージ機能に特化したシンプルなサービスのため、誰にでも使いやすいことも特徴です。

NTTコム オンラインが提供する空電プッシュ for RCSは、+メッセージとSMSを自動的に振り分けて送信する新たなサービスです。送信先の携帯電話が+メッセージアプリを利用している場合は+メッセージ宛に、利用していない場合はSMSとしてメッセージを配信することにより、すべての携帯電話にアプローチできます。

簡単・確実にメッセージを送信して双方向コミュニケーションを実現するために、ぜひ空電プッシュ for RCSの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。