携帯電話番号宛にメッセージを送信できるSMSは、到達率や開封率が高いなどのメリットから、多くの企業で導入されています。顧客とのやり取りが多いカスタマーサポートでも、SMSを活用することで、電話業務の負担軽減やコスト削減といった効果が期待できます。

本記事では、カスタマーサポートへのSMS導入を検討している方に向けて、SMSのメリットや注意点、企業における活用事例についてご紹介します。SMSを有効活用してカスタマーサポートにおける課題解消や業務効率化を実現するために、ぜひご覧ください。

この記事の内容
  • SMSはポップアップ通知が設定されており、高い到達率・開封率を誇る
  • カスタマーサポートでは、待ち呼やあふれ呼、よくある質問への回答などにより、オペレーターの業務負担や顧客満足度の低下といった課題が出やすい
  • SMSをカスタマーサポートに導入することで、IVRと連携することで、顧客が自身の課題を自己解決でき、業務効率化につながる
  • 企業のカスタマーサポートがSMSを活用する際には、一斉送信や到達履歴の確認などの機能を備えた法人向けSMS送信サービスが役立つ
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SMSを活用するメリットとは?

企業が顧客とのやり取りにSMS(ショートメッセージサービス)を導入する背景には、短文テキストでわかりやすく情報を伝えられることに加えて、到達率や開封率の高さなどが挙げられます。ここでは、SMSを活用する主なメリットについて解説します。

携帯電話番号がわかれば送信できる

SMSは、相手の携帯電話番号がわかればメッセージを送信することが可能です。メールアドレスのように自分で変更、削除できないため、本人に連絡がつきやすい連絡手段です。

また、近年はMNP(携帯電話番号ポータビリティ)の浸透により、機種変更後も同じ電話番号を引き継ぐ人が増えています。一度電話番号を知れば、その後も本人とやり取りできる可能性が高いでしょう。

携帯電話に標準搭載されており、顧客が操作に慣れている

SMSは、スマホだけでなくガラケーにも標準機能として搭載されており、アプリのインストール不要で使い始められます。1人1台携帯電話を所有していると言われている現代において、SMSは高い利用率が期待できます。

また、顧客の使い慣れたデバイスで使えて心理的ハードルが低い点や、場所やシーンを選ばず簡単に確認できる手軽さもメリットです。

到達率と開封率が高い

SMSは、メールなど他の連絡手段に比べて高い到達率や開封率を打ち出しています。到達率とは、送信メッセージのうち相手が確認できる状態で届いた割合のことで、SMSは90%以上と言われます。

また、SMSはホーム画面に通知が表示される設定のため、多くの人がスマホを使う際に気づきやすい傾向にあります。NTTコム オンラインが実施した「日常生活に関する調査」では、コールセンターに電話をかけることがある20代以上の男女のうち、全体の約93%がSMSを確認していると回答しています。

60代のシニア層でも89%であることから、世代を問わず多くの人が受信したSMSの内容を確認していることがわかります。

SMSの活用が期待できるカスタマーセンターの課題

SMSを活用することで、カスタマーサポートにおける課題解消につながり、結果として業務効率化や業務負担の軽減といった効果が見込めます。ここでは、SMSにより解決が見込めるコールセンターによくある課題について解説します。

待ち呼・あふれ呼

カスタマーサポートの人手不足や稼働制限などによって起こる問題に「待ち呼」や「あふれ呼」があります。一時的に大量の入電があった際に、顧客を待たせてしまうことは「待ち呼」、オペレーターの対応数を上回ってしまう状態を「あふれ呼」と言います。

待ち呼やあふれ呼が増えると応答率が下がり、機会損失や顧客満足度の低下につながる可能性があります。オペレーターの一時的な増員により解決できる場合もありますが、人件費や教育コストがかかるため、躊躇する企業も多いでしょう。

そこでSMSを導入し、顧客の課題に合わせた案内を送信すれば、オペレーターがすぐに対応できなくても顧客の待ち時間を短縮できます。また、FAQページや手続き用ページへSMSを使って誘導すれば自己解決を促せるため、オペレーターの業務負担の軽減にもつながります。

SMSと電話応対を組み合わせて、人的サポートが必要な場合のみオペレーターが対応するといった仕組みを構築することも可能です。

顧客と連絡が取れない

従来のカスタマーサポートでは、電話やメールでの連絡が一般的ですが、連絡が取れない顧客への対応を課題とする企業も少なくありません。顧客が単に忙しくて電話に出られないケースもありますが、知らない電話番号に出ない人は一定数います。

繰り返し電話をかけるとなるとオペレーターの手間がかかりますし、郵送で連絡するにもコストが高くなってしまいます。到達率と開封率の高いSMSを活用すれば、電話に出られない顧客でも都合の良いタイミングで確認できます。

また、要件とともに折り返し用の電話番号を明記して、顧客から連絡をもらえるよう促すことも可能です。手続きページの短縮URLを記載しておけば、オンライン上のやり取りだけで完了でき、双方にとって負担軽減になります。

よくある質問に関する問い合わせ

カスタマーサポートには、サービスサイトやFAQページを見れば解決できる問い合わせも入ってきます。よくある質問に関する連絡に対応していると負担になるだけでなく、オペレーターによる個別対応が必要な問い合わせが後回しになってしまう可能性もあります。

そこで、オペレーター対応が不要な問い合わせに対して、解決策が記載されたページのURLをSMSで自動返答することで、オペレーターの負担を減らすことができます。

また、顧客の問題や疑問をすぐに解決でき、電話の保留や折り返しを待つストレスが減るため、満足度の向上も期待できるでしょう。

カスタマーサポートにおけるSMSの活用シーン

ここからは、カスタマーサポートにおける具体的なSMS活用方法を4つ紹介します。自社におけるSMS活用シーンを検討するためにお役立てください。

IVRと連携してお問い合わせを他チャネルに誘導する

顧客からの問い合わせに効率よく対応するには、SMSとIVR(自動音声応答システム)を併用する方法が役立ちます。IVRとは、顧客の入電に対して自動音声ガイダンスで複数の選択肢を提示し、該当する番号を選んでもらうシステムです。

IVRとSMSを連携し、適切なFAQや問い合わせフォームなど他のチャネルへ誘導するURLをSMSで送信することで、顧客自身で自己解決してもらえることができます。オペレーターとの対話が必要な場合には直接通話する選択肢を用意しておくと、スムーズな対応が実現するでしょう。

なお、IVRの自動音声ガイダンスを、Webページもしくはアプリで可視化したシステムもあります。電話口からSMSを用いてWebへ案内できるため、電話口で音声案内を聞くことなく、スマホ上で自己解決へと促すことが可能です。

事務手続きのご連絡(書類不備や支払い連絡など)

書類不備や支払いの督促など、カスタマーサポートから顧客に連絡するケースでもSMSの活用が便利です。重要事項の連絡や事務手続きの案内に関して、電話がつながらない場合にはオペレーターが繰り返し電話をかけなければなりません。また、日中忙しい顧客にとっては、営業時間内に折り返すことが難しいこともあるでしょう。

SMSはポップアップ通知が入るため、スマホを開いてすぐに読んでもらえる可能性があります。また、電話口での説明が難しい情報も、SMSのメッセージなら正確に情報を届けられます。

事前連絡(配送日や工事日など)

SMSは、配送日時や予約の事前連絡にも活用できます。荷物の配達や工事の訪問、来店など事前予約が必要な場合、予約忘れや無断キャンセルによって機会損失の可能性があります。

SMSで前日や当日朝などにリマインドを送信することで、急なキャンセルを防ぎ、売上損失の回避につながります。顧客の目につきやすいSMSでの連絡は、電話よりも簡潔な上、言った言わないなどの伝達ミスを防ぐためにも役立ちます。

また、SMSに変更やキャンセル申込のページURLを掲載しておけば、顧客の都合が良いタイミングで手続きを行えて便利です。カスタマーサポートでの予約管理・更新がしやすくなり、キャンセル待ちの顧客へスムーズに案内できるでしょう。

アンケートの実施

カスタマーサポートでの電話終了後に、応対品質アンケートをSMSで送付することで、高い回収率が期待できます。電話の場合はオペレーターのリソースを確保する必要がある上、回答をもらえるまでかけ直さなければならず非効率的です。また、郵送はアンケートを回収するまでに時間を要する上、コストが割高になるでしょう。

その点、到達率と開封率の高いSMSを使うことで、短時間に大量のアンケートを送付できます。好きなタイミングでURLをタップして回答を入力できるため、顧客側の負担も軽減されています。

カスタマーサポートにおけるSMSの活用事例

ここで、カスタマーサポートにSMSを活用している企業の事例を紹介します。SMS活用により、顧客とのコミュニケーションが改善し、成約率の向上やトラブル件数の軽減につながったケースも紹介します。自社におけるSMSの導入・運用を検討する際にお役立てください。

SMBC日興証券株式会社様

ネットでの投資サービスにも注力しているSMBC日興証券株式会社では、コールセンターでの業務負担を課題としていました。お客様に十分な情報提供を行おうと思うと、通話時間が長くなってしまう状況を改善すべく、業務効率化の手段としてSMSに着目したと言います。

SMS送信サービスの導入後、「パスワードがわからない」などの問い合わせにかかる対応時間を、月あたり1500分(25時間)も削減できました。また、電話を切った後にSMSで情報を送ることで、通話中のメモが不要になり、お客様の負担も軽減され安心してもらえていると話しています。

金融機関として正確で充実した情報をお伝えすることは変えずに、時短など効率的な方法としてSMSを活用し始めた結果、他部署からも注目され、社内でSMS活用が進んでいます。

アート引越センター株式会社

アート引越センター株式会社では、引越し前の見積り予約システムを導入したものの、リマインド方法がなかったため、当日不在などによるキャンセルが発生していました。店舗によっては訪問前日に電話で連絡していたものの、担当者のアポイントが忙しく後回しになってしまうことも多かったと言います。

また、電話業務は時間がかかるため、予約管理システムの効果が薄れていたため、通知機能を含めた改善策としてSMSが候補に上がりました。

既存システムとのAPI連携を利用して、予約時間のリマインドを自動送信する仕組みを構築したところ、訪問時不在によるトラブルが解消されました。また、予約前日のアポイント時間を月4,400時間(全国合計)ほど削減でき、空いた時間を問い合わせ対応に当てるなど、顧客対応の向上にも寄与できています。

SOMPOひまわり生命保険株式会社

SOMPOひまわり生命保険株式会社では、コールセンターでの幅広い業務にSMSを活用しています。従来の電話応対品質アンケートは電話で行っていたものの、具体的な改善につながりにくい状況にありました。

使っていたSMS自動送信サービスは一斉送信しかできず、柔軟な個別対応ができない点などを不便に感じていたと言います。

SMS送信サービスを切り替えたところ、電話応答直後にSMSを送ってアンケートを取れるようになりました。問い合わせ内容とオペレーター対応との自動紐づけにより、迅速かつ具体的なフィードバックが実現しています。

アンケート方法を変更したことで顧客からの不評がなくなり、回答率が上がり自由コメントによるフィードバックも増えました。

カスタマーサポートでSMSを導入する際の注意点

カスタマーサポート業務にSMSを導入することで、企業側と顧客双方にとってメリットが見込めますが、運用する上での注意点もあります。ここでは、カスタマーサポートでSMSを導入する際に気をつけたいポイントを見ていきましょう。

一度に送信できる文字数に制限がある

SMSには一通あたりの文字数上限が設けられています。現在は原則として最大670文字(全角)ですが、使用する端末によっては従来のように最大70文字(全角)のため注意が必要です。

また、大手キャリアの回線を利用する格安SIMでは、SMSがオプション契約の場合もあります。文字数の制限を超えた長文を送信しても、分割されて届くか送信エラーとなるため事前に確認しておきましょう。

関連記事:SMSの文字数制限とは?活用例やサービスを選ぶポイントも紹介

画像やファイルを送信できない

SMSは短いテキストに特化したサービスであり、画像やPDFなどのファイルを送ることはできません。テキスト以外のデータを送りたい場合には、データ保存先のURLをSMSに記載し、受信した人にアクセスしてもらう方法があります。

また、SMSと同じように電話番号を使う他のサービスには、画像やファイルを添付できるものもありますが、端末やキャリアなどの条件に注意しましょう。

関連記事:SMSで画像や写真を送るには? 送信方法を詳しく解説

件名を入れることができない

SMSは、メールのように件名を入れることはできない点にも注意が必要です。メールであれば件名をつけて端的に要件を提示できますが、SMSは対応していません。

そのため、受信した顧客が一目で用件を把握できるよう、括弧をつけるなどして本文を工夫する必要があるでしょう。

法人でのSMS活用にはSMS送信サービスがおすすめ

カスタマーサポートに限らず、ビジネスにおけるSMS活用にはSMS送信サービスがおすすめです。SMS送信サービスとは、SMSの送受信に関する多彩な機能を搭載したシステムです。法人向けのSMS送信サービスでは、一斉送信や予約配信、到達履歴確認などの幅広い機能を使って、顧客とのやり取りを効率化できます。

APIを使った既存システムとの連携により、顧客への自動送信も可能です。また、URLクリック率などのデータも一元管理でき、マーケティングや業務の改善に役立つでしょう。

多くのSMS送信サービスがある中で、料金体系や使用回線のセキュリティ性、送信処理能力の規模などを比較検討して選ぶことが大切です。

カスタマーサポートにSMSを導入しよう

カスタマーサポートで起きがちな待ち呼やあふれ呼、連絡がつかないなどの課題を解消するためにSMSが有用です。到達率や開封率の高いSMSを活用すれば、顧客への情報伝達が効率化され、オペレーターの業務負担の軽減や生産性の向上につながります。

また、顧客が抱えがちな電話につながらないストレスや待ち時間も解消できるなど、双方にとってさまざまなメリットが期待できます。自社のカスタマーサポートにてSMSを導入する際は、SMS送信サービスが便利です。

NTTコム オンラインが提供する「空電プッシュ」は、国内の主要キャリアネットワークを利用したSMS送信サービスです。IVR連携や既存システムとのAPI連携にも対応しており、カスタマーサポート業務の負担軽減や生産性の向上に貢献します。送信規模や用途に応じてご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。