国内大手証券会社のSMBC日興証券株式会社様は、SMBCグループの一員であり、グループ各社と連携した手厚いサービスや細やかな対面営業、幅広い商品ラインナップを提供していることで知られています。そんな同社が、2022年2月、コンタクトセンター業務の補助的連絡手段として導入されたのが空電プッシュでした。導入の狙い、活用方法や成果などを、東京コンタクトセンターの祝氏、現場スーパーバイザー(オペレーターのまとめ役)の皆様にお伺いしました。
貴社の特徴や強みについてお聞かせください。
祝氏:当社の特徴のひとつが、対面サービスに強いところです。全国に110の店舗を構え、お客様がお困りになったとき、すぐにご相談いただけるような体制を整えております。他方で、ネットサービスにも力を入れています。例えば、記事から株が買える投資サービス「日興フロッギー」の提供や米国株式のリアルタイム取引など、ネットだからこそできる投資やサービスにも注力しています。
祝様の所属部署や業務内容についてお教えください。
祝氏:私は当社のコンタクトセンター業務を担う東京コンタクトセンターに所属しています。日興コンタクトセンターは、主にフリーダイヤルやナビダイヤルなどでかかってくるお問い合わせ電話や、全国の支店の代表電話を受電するセクションです。一部のお問い合わせには、チャット、メールでも対応をしております。
お問い合わせの内容は、投資商品の注文や手続き、NISAをはじめとする制度や商品に関するもの、オンライントレードの操作方法に関わる内容が多いですね。年間で約120万件のお問い合わせがあり、お電話が9割、残りの1割が、チャット、メールでのご連絡といった状況です。これら多岐に渡るお問い合わせに、東京(2か所)、大阪、名古屋、沖縄の5か所のコンタクトセンターにて対応しております。
2022年2月に空電プッシュを導入されたとのこと。導入前は、どのようなお悩みを抱えていらっしゃったのでしょうか?
祝氏:お問い合わせがお電話に集中してしまう、十分な情報をお伝えしようと思うと通話時間が長くなってしまう、Web上でFAQなどのヘルプページを充実させても口頭では掲載場所が伝わりづらいという課題を抱えていました。
当社のコンタクトセンターへはご高齢のお客様からのお問い合わせが多く、全体の約半数を70歳以上のお客様が占めています。ご高齢のお客様がお困りになりがちなのが、「ネットサービスの使い方」について。「オンライントレードのやり方がわからない」「ログインできない」という方もいらっしゃいます。こうしたお困り事にお電話だけで対応しようとすると、ご説明に時間がかかりご不便をおかけしてしまいます。長い場合は1通話に数十分以上の時間を費やしてしまうこともあり、「お客様にとってよりわかりやすくシンプルなご案内の仕方はないか」と考えるようになりました。
SMSに注目された理由についてお聞かせください。
祝氏:最初はメールで何かできないだろうかと考えたのですが、お客様のメールアドレス登録数が過半数に届かないことがわかりました。であれば、より多くの方がお持ちになっている携帯電話に、簡易的にメッセージを送ることができるSMSのほうが効果的だろうと判断しました。
空電プッシュを選ばれた理由は、どのようなところにあったのでしょうか? 選定の決め手についてお教えください。
祝氏:大きな決め手になったのが「誰でも簡単に使えるところ」です。もともと「コンタクトセンターで現場のオペレーターが使用する」ということを想定していたため、とにかく簡単に送信できるSMS送信サービスを導入したいという思いがありました。
もうひとつは、ログインIDを無制限に発行できるところです。他社サービスの場合は上限があるケースがあったのですが、空電プッシュの場合は、追加費用なしで自由にIDを追加することができました。しかもベンダーさんにお願いすることなく、管理画面を使い、自分たちでIDの発行や削除ができるのです。人事異動などが比較的多い部署でも、問題なく、柔軟かつスムーズに運用できる。この点も魅力的だと感じました。
さらに、お客様に直接ページのURLを案内するために、案内するURLの数だけテンプレートを用意したいという背景から、メッセージテンプレートの作成数が無限というところにも惹かれました。
全体的に、簡単、かつ自由度や柔軟性が非常に高いサービスだと感じ、導入を決定しました。
導入後はどのように活用していらっしゃるのでしょうか?
祝氏:まずはオペレーターがお問い合わせのお電話を受電し、お客様とお話したのち、お問い合わせ内容に応じてSMSを送信するようにしています。例えば、パスワードの再設定ページや住所変更の手続きページをご案内したり、サービス内容がまとめられたページをお伝えして詳細を確認していただいたりしています。電話の補助的な位置づけで、お困り事の解決に直結するURLをご案内しています。
活用を進めるために、イントラネットに空電プッシュ専用のメッセージ一覧ページを作ったとお聞きしています。具体的にどのようなことを行ったのでしょうか?
祝氏:現在、約250種類のURLを送れるようにメッセージテンプレートを設定しているのですが、これを空電プッシュの画面からプルダウンで選択すると時間がかかってしまいます。そこで、イントラネット内に専用ページをつくり、カテゴリーに分けてURLを掲載するようにいたしました。クリックするとメッセージとともにURLがコピーできるようになっており、これを空電プッシュのメッセージ入力画面に貼り付ければ、すぐにSMSを送信できるようにしています。
導入の効果についてお聞かせください。
祝氏:現在使用しているIDは335件ほど。ほぼすべてのオペレーターが空電プッシュを活用しており、各センターから、「お客さまへ迅速なご案内ができるようになった」との報告を受けています。例えば、「パスワードがわからずログインできない」というお問い合わせに対して、空電プッシュの導入後はこれまでより3分ほど早くご案内が完了できるようになりました。一通りの説明を終えたあとに「このあとSMSでパスワードの再設定ページをご案内します。そちらで再設定をお進めください」とご案内することができるため、通話中に切電後の手続きをメモしていただく必要がなくなるなど、お客様により安心していただけるようになりました。
パスワード不明のお問い合わせに対するSMSの送信件数は、月にだいたい500件ほど。500件×3分で、月におおよそ1,500分の通話時間短縮効果が得られているという計算になります。他のお問い合わせもありますので、実際はもっと大きな効果が出ているはず。想定通りの効果に満足しています。
オペレーターの方々の声についてはいかがでしょうか? 率直なご感想や反応についてお聞かせください。
佐藤氏:私たちのセンターではいまのところ不満の声はなく、挙がっているのは「使いやすい」「便利」という声ですね。今後も活用を続け、お客様によりよいサービスを提供していきたいと思っています。
山田氏:私たちのセンターでは支店と交流を持つことが多いセンターです。そのような背景もあって、支店の方から、「空電プッシュ便利そうだね」「支店でも使いたい」という声をよくお聞きしております。将来的には、例えば、書類不備の際の連絡に活用して、お客さまへの迅速なご案内につなげるなど、コンタクトセンター以外での活用も進むのではないかと期待しています。
西田氏:私たちのセンターでも特に不満の声などは挙がっておらず、好評です。よりSMSを活用したいという要望からか、「URLだけでなく動画も送りたい」「定型文をひとつずつ送るのではなく、2~3個まとめて送れるようしてほしい」などのリクエストが届いています。金融機関ならではのセキュリティの問題もありますので、様子を見て対応していけるといいなと思っています。
最後に、今後の活用の展望についてお聞かせください。
祝氏:私たちが空電プッシュを導入したあと、他部署が追随するように空電プッシュの導入を決めました。SMSは、2段階認証や、顧客アンケートの送付、書類の回収連絡などさまざまな連絡に広く使える、企業にとって有用なサービスです。今後も、コンタクトセンターだけでなくさまざまな部署での活用が進むのではないかと予測しています。
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