アンケートや満足度調査は、商品・サービスや事業そのものの向上・改善に取り組む上で欠かせないものです。メールや郵送などさまざまな実施方法がありますが、アンケート結果を有効活用するためには回答率を高める工夫が必要です。近年は、到達率や開封率が高いSMSをアンケートに活用する企業が増えています。

本記事では、SMSをアンケートに活用するメリットや注意点、活用事例などについて解説します。SMS送信サービスを導入し、アンケート調査にSMSを活用して成果を得ている企業の事例も紹介しますので、より効果的なアンケートの実施方法を模索している企業の担当者の方はぜひ参考にしてください。

この記事の内容
  • 顧客向けアンケートには、メールや電話、街頭、Webといった方法があるが、労力やコスト、回答の集め方などの点で異なる特徴がある
  • SMSは携帯電話に標準装備されており、ポップアップ通知が設定されているため視認性が高く、多くのユーザーにアンケートを依頼しやすい
  • SMSを用いたアンケートは、顧客満足度の調査の他、休眠顧客の掘り起こしやスケジュール調整、ユーザーの状況確認などにも利用できる
  • 法人向けSMS送信サービスは、一斉送信や受信者の開封確認、短縮URL機能などアンケート実施に役立つ機能が多く搭載されている
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代表的なアンケートへの実施方法

顧客を対象としたアンケートの実施方法として、以下のような手段があります。

  • DM(ダイレクトメール)
  • 電話
  • 街頭
  • Web

アンケート調査の目的や対象となるターゲット層によって使いやすい方法は異なるため、適切なものを選ぶ必要があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

DM(ダイレクトメール)でのアンケート

DM(ダイレクトメール)でのアンケートは、アンケート用紙を顧客に郵送し、回答を返送してもらう方法です。対象者の住所が分かれば送付できるため、一般の消費者から企業まで幅広い顧客に使われています。また、インターネットに不慣れなユーザー層など、世代を問わずに実施しやすい傾向があります。

一方で、Webや電話などに比べて返送しなければならず、面倒に感じるユーザーもいるでしょう。また、郵送の手間とコストが発生する上、回収までに時間を要する場合があります。さらに、他の郵便物やポスティング広告に紛れてしまい、そもそも中身を見てもらえないケースも出てきます。

電話でのアンケート

電話でのアンケートは、オペレーターや自動音声によるアンケート調査です。電話口でユーザーに直接回答してもらえるため、効率的に回答を収集でき、短期間で調査を終えられる可能性があります。また、用紙への記入や入力といった手間がかからず、ユーザーの負担が軽減されています。WebやDMでは得られにくいような率直な意見を掘り下げることができる点もメリットでしょう。

ただ、ユーザーを電話口に拘束することとなり、時間や質問量が限られがちです。また、視覚的な説明や長い説明が必要な質問には不向きでしょう。そもそも電話に出てもらえないと回答が得られないため、都合の良い時間帯に架電できるよう工夫する必要があります。SMSやWebなどで事前に通話できる時間帯を申告してもらうなどの対策が有用です。

街頭でのアンケート

街中アンケートは、街中で回答者を募り、回答を集める方法です。テレビ番組などで用いられている手法であり、映像を見たことがある人も多いでしょう。選挙後の施設や店舗の出入り口で利用者に声をかける出口調査も、街頭調査の一例です。

対面調査では、信頼性の高い回答が得られる可能性があります。また、地域住民などエリアに詳しい人と出会えるため、限られた地域や土地と関係性の高い調査に向いています。

ただ、その場所にいる人の属性はバラバラなため、ターゲット層を絞ることが難しく、対象者の属性を限定した調査内容には不向きです。また、調査員のスキルや実施する時間帯などによっては、回答の量や質が変わる可能性があります。人員や時間といったリソースが必要になる一方で、Webや電話に比べると効率が上がりにくく、有用なシーンは限られるでしょう。

Webでのアンケート

Webアンケートは、Webフォームやメール、SMSなどオンラインツールで調査を実施し、回答を集める方法です。Googleフォームや配信システムなどの機能を利用してアンケートフォームを作成し、メールやSMSで送付して回答してもらうやり方が一般的です。

一斉送信機能を用いれば、多くのユーザーに対して効率的に調査を実施できます。ユーザー側は自分の都合の良いタイミングで回答できるため、負担がかかりにくいでしょう。また、DMや街頭のアンケートに比べると低コストで実施でき、集計機能により回答を簡単に抽出可能です。

ただ、高齢者などインターネットに不慣れな人から回答を収集しにくい場合があります。また、軽い気持ちでの回答やいたずらなどが増え、正しいデータを得られない可能性も考えられます。

アンケートにSMSを活用するメリット

SMS(ショートメッセージサービス)は、携帯電話番号を使用してメッセージを送受信できるサービスです。スマホやガラケーなどの機種によらず一般的な携帯電話に標準搭載されており、インストールや初期設定不要で利用できるといった特徴があります。

ここでは、SMSをアンケートに活用する主な3つのメリットを解説します。

到達率・開封率が高く回答が得られやすい

SMSは、メールなどに比べて高い到達率や開封率を誇ります。近年はMNPが浸透しており、機種変更後も同じ電話番号を引き継ぐ人が増えているため、本人に確実に届けられる確率が高い点が特徴です。

また、SMSではデフォルトでポップアップ通知が設定されており、受信と同時に中身を確認してもらいやすい傾向にあります。メールと違って迷惑メールに振り分けられることがなく、着眼率が高いため、個人を対象とするアンケートで回答数を確保したい場合に向いています。

SMS送信サービスを利用することで一斉送信が可能

SMSを一斉・個別に送信する機能を搭載したSMS送信サービスを使って、アンケートを効率的に実施できます。SMS送信サービスは法人向けのサービスで、企業が個人ユーザー向けにSMSを配信する際に使用されています。

主な機能には一斉送信や予約配信などがあります。一斉送信機能を使えば、多くのユーザー宛にアンケートを同時に送信でき、効率的な調査の実施が可能です。

中には、アンケート機能が搭載されているものもあり、アンケートフォームの作成から調査実施、回答の集計までをシステム上で実行できます。また、WebアンケートのURLをSMSで送信し、ユーザーをページに誘導して回答してもらうことも可能です。

他の方法よりコストを抑えられる

SMSを活用することで、低コストでアンケートを実施できます。SMS送信サービスごとに料金体系は異なりますが、1通あたりの送信料は約15円です。DMだと、大量に郵送する場合に数%の割引されることがありますが、それでも1通数十円かかります。加えて、用紙の印刷代も必要です。

街頭調査では人件費や移動費がかかるため割高になります。それに対し、SMSは比較的安い値段で利用できるため、コスト削減や工数削減といった効果が期待できます。また、受信側の費用は一切かからないため、ユーザー側の負担を解消している点もメリットです。

アンケートにSMSを活用する際の注意点

回収率アップや集計作業の効率化などのメリットが期待できるSMSですが、利用する上で注意点もあります。ここでは、アンケートにSMSを活用する際に気をつけたい2つのポイントについて解説します。

送れる文字数に制限がある

SMSは、送信できる文字数に制限があります。大手キャリアの最大文字数は全角670字で、それ以上の長文は送れません。全角670文字以上を送信すると、エラーになるか、もしくは分割されて送られてしまいます。そのため、アンケート内容によっては注意が必要です。

SMSの文字数制限や活用事例については、こちらの記事もご覧ください。

関連記事:SMSの文字数制限とは?活用例やサービスを選ぶポイントも紹介

画像やファイルを添付できない

SMSは、画像や動画、PDFなどのファイルは添付できない仕様です。メールの場合、ファイルや画像データを添付して送信できますが、SMSでは使えないため、やり方を工夫する必要があります。

具体的には、添付したいデータをオンライン上のストレージに一旦保存するか、共有用リンクを取得し、SMS経由で相手に送ることで、受け取った人がダウンロードするといった方法です。視覚的な情報を使ってアンケートを実施したい場合には、SMSは不便かもしれません。

SMSで写真などの画像データを送る方法については、下記記事をご参照ください。

関連記事:SMSで画像や写真を送るには? 送信方法を詳しく解説

アンケート業務へのSMSの活用シーン

ここからは、アンケート業務におけるSMSの具体的な活用シーンを紹介します。自社におけるSMS活用を検討する上で参考にしてください。

顧客の満足度調査

SMSによるアンケートで代表的なものが、商品・サービスの顧客満足度調査です。SMSでWebフォームのリンクを送信し、顧客にアンケートの回答を依頼します。

企業側は、DMや街頭アンケートよりも少ない労力と時間で多くのユーザーに送信できます。また、直接会話する必要がない分、率直で具体的な声を得られる可能性があります。ユーザー側にとっては、都合の良い時間にオンライン上で回答できる点がメリットです。

加えて、企業は商品・サービスの改善に役立つ情報を効率的に得られるため、さらなる提供価値の向上を目指せるでしょう。回答データを「利用者の声」としてWebサイトで公開するなど、プロモーションとしても有効活用できるでしょう。

休眠顧客の掘り起こし

SMSによるアンケートは、休眠顧客の掘り起こしにも役立ちます。過去に商品・サービスを利用された後、一定期間利用履歴がない顧客の電話番号宛に、SMSでアンケートを送ることで、再度利用してもらうきっかけ作りが可能です。

また、派遣会社経由でしばらくの間就業していない登録者を対象に、現在の就業状況をアンケートで確認すれば、仕事紹介につなげることも可能です。

1人ずつ電話するとなると時間がかかる上、労力や費用も発生しますが、SMSならアンケートを一斉送信できます。また、電話だと出てもらえないことがあっても、SMSなら直接のやり取りを避けられるため、気軽に回答してもらえる可能性も高まります。

配送や工事日程等の日程調整

配送や予約などのスケジュール調整や確認にも、SMSが便利です。メールの場合、日程を確認するために何往復もやり取りする必要があり、工数が増えてしまいます。電話連絡もできますが、つながらない場合はかけ直さなければならず、業務負担が増えることもあるでしょう。

SMSの本文にスケジュール確認フォームのURLを添付し、都合の良い日時を回答してもらうだけで簡単に日程調整が可能です。仕事などで忙しく連絡が取れない相手ともスムーズなやり取りが実現します。

具体的な活用事例としては、荷物の配達や電気、インターネット回線の工事などです。アルバイトのシフト管理のために、1人ひとりの出勤可能日をSMS経由で回答してもらうという使い方もできます。

ユーザー状況の把握

顧客1人ひとりの現状に合わせて展開するようなサービスでは、SMSアンケートを通して、顧客の現在の状況を把握することが可能です。メールよりも到達率や開封率が高いSMSなら、アンケート回答率を高めることができ、工数削減にもつながります。

商品・サービスについて問い合わせがあったものの、電話やメールで反応のない顧客に対してもSMSを送信すれば、検討状況のヒアリングをスムーズに実施できます。

例えば、エステサロンや美容室でしばらく来店のない顧客に対し、現在の状況やお悩みをヒアリングするためにSMSを送信するといった使い方が可能です。

アンケートにSMSを活用した事例

ここからは、実際にアンケート調査にSMSを導入した企業事例を紹介します。アンケートの活用方法や導入後の変化などをまとめて説明しますので、自社での活用を検討するために参考にしてください。

明治安田生命保険相互会社様

明治安田生命保険相互会社では、顧客の声を集める目的でSMS活用を開始しました。顧客応対窓口であるコミュニケーションセンターでは、オペレーターの対応品質を測定するためのアンケートに、より効率的な収集が期待できるSMS送信サービスを導入。

アンケートの回答率は20%と期待値の倍以上の数値を達成し、従来までの郵送アンケートで課題だった回答率の低さも解消されています。また、入電データとアンケート結果の紐付けにより、顧客の満足・不満につながるオペレーターの応対を具体的に分析できるようになり、効率的な改善につながっています。

さらには、SMS導入効果が社内で評判を呼び、後に「事務サービス・コンシェルジュによる訪問型サービス」の顧客満足度アンケートにも取り入れられました。訪問サービスでは、50%以上ものアンケート回収率を実現しています。

SMS活用により、対面サービスの品質向上を目指す上で重要なヒントとして回答内容を活用できていると話しています。

SOMPOひまわり生命保険株式会社様

SOMPOひまわり生命保険株式会社では、コールセンターのお客さまアンケートについて、音声ガイダンスの聞き取りにくさや回答時間の長さなどの不満の声が、顧客から挙がっていました。アウトバウンド業務ではSMS自動送信サービスを使っていたものの、一斉送信のみで個別配信ができない点など不便な点を解消したいと考えていました。

そこで、個別送信や半匿名化などセキュリティ基準が高く、多機能なSMS送信サービスへ変更。オペレーター通話の終了後、すぐにWebアンケートURLをSMSで送付するようにしたところ、回答率が約10%アップし、フリーコメントも増加しました。

また、既存顧客のアフターフォローとして、SMSで保険分析の要件とアポイント日時確認アンケートのURLをSMSで送ったところ、1ヶ月の有効通話率が約10%上がっています。

他にも、申込書到着のお礼や契約成立のお知らせ、契約確認事項の書面返送やフォローアップなど、さまざまな事務業務でもSMSが活躍しています。

SMSによるアンケートの回答率を上げるための工夫

SMSを活用することで、アンケート回答率の向上が期待できます。とはいえ、他の手段からSMSに移行するだけでは、適切な回答を得られない可能性もあります。

サービス品質の改善や顧客満足度の向上などに向けた、重要な情報を収集するためにも、回答率を上げるための対策を行うことが大切です。ここでは、SMSアンケートの回答率を上げるためにできる4つの対策法を紹介します。

回答者の負担を軽減する

アンケートで十分な回答を得るためには、回答者の負担を減らすよう工夫する必要があります。回答するのに手間や時間がかかる場合、ユーザーが最後まで回答する確率が下がる可能性があります。

SMS上のURLをタップし、そのまま回答を始められるよう、Webアンケートフォームがレスポンシブ対応であることを確認しましょう。また、シンプルで回答しやすい設問を意識することも大切です。記入式よりも、複数の回答から選ぶ選択式の方が手短に回答できるため、四択などの設問を使うと良いでしょう。

配信のタイミングを考慮する

アンケートの配信タイミングも、回答率に影響します。アンケートの目的や送信先のユーザー層のライフスタイルなどによって適したタイミングは異なるため、スマホを操作しやすい時間帯を狙うと良いでしょう。

例えば、セミナー終了後のアンケートは、セミナー直後に配信するのが理想的です。受講者の記憶が鮮明なうちに送っておけば、アンケートに回答しやすくなります。また、会社員であれば、平日の夕方以降や土日、祝日などの休日だとSMSに気づいてもらえます。

設問数や所要時間をあらかじめ提示する

アンケートの設問数や回答にかかる時間をあらかじめ提示しておきましょう。どれだけの設問があるのか、どのくらいの時間で終わるのかなど、全体像がわからないと、ユーザーはストレスを感じてしまい、フォームを閉じてしまう可能性があります。

設問数や所要時間の目安などをあらかじめ明確にしておくことで、ユーザーが回答するハードルが下がるため、回答率アップにつながります。最近は、アンケートに答えていくと、途中で「50%回答済み」「あと8問」といったポップアップ表示が出るタイプのアンケートもよく見られます。

企業の情報やアンケートの目的を明記する

送信元やアンケートを利用する企業の情報や、アンケートの目的を明記することも重要です。実施企業がどのような企業か、何のためのアンケートなのか、といった前提事項がわからないと、ユーザーは不安に感じてしまうでしょう。

また、入力内容の取り扱いについて不信感が残れば、ユーザーは回答を躊躇する可能性もあります。アンケートを作成する際には、企業情報や実施目的、情報の取り扱いなどを最初に明記することで、ユーザーは安心して回答できるでしょう。

アンケートフォームのURLを開く前に、こうした基本情報がわかると理想的ですが、SMSの場合は文字数に比例して料金が上がる点に注意が必要です。SMS内の説明は、簡潔でわかりやすくまとめるよう意識しましょう。

SMSのアンケートで回収率を向上させよう

アンケートは、さまざまな業種や目的で実施されますが、より多くの人から回答を取得してこそ効果的に活用できます。SMSは携帯電話の機種によらず標準機能として搭載されているため、幅広いユーザー層を対象としたアンケート調査に適しています。

また、ポップアップ通知が設定されており、受信した瞬間に気づいてもらいやすいため、Webアンケートフォームの回答率向上も期待できます。今回紹介したSMS送信サービス導入によるアンケート活用事例も参考に、自社におけるSMSアンケート活用を検討してみましょう。

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