SMSに代わるメッセージサービスとして、「RCS」が注目を集めています。Googleが主導していることもあって、海外ではRCSの利用者が増えており、国内でも企業がRCSの導入と活用を検討し始めています。

本記事では、RCSの特徴や代表的なサービス、SMSやLINEなど他のサービスとの違いについて詳しく解説します。ビジネスシーンでのRCSの活用方法も紹介しますので、RCSの理解を深め、有効活用するためにぜひ参考にしてください。

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RCSとは

「RCS」とは、「Rich Communication Service/リッチ・コミュニケーション・サービス」の略称です。SMS(ショート・メッセージ・サービス)と同じように電話番号を利用したメッセージの送受信が可能で、テキストだけでなくファイルの送受信やコンテンツの共有に対応しています。

SMSやMMS(マルチ・メディア・メッセージングサービス)よりも豊富な機能を備えており、高い開封率やクリックスルー率を維持していることから、SMSの代替規格という位置づけで認識が広まっています。

また、RCSはGoogleが普及を進めているサービスでもあります。Google主導でイギリスやフランス、アメリカ、メキシコなどで独自のRCSサービスを提供しており、クーポンの配信機能もある「Early Access Program」という企業向けサービスもスタートしています。

さらに、2022年08月には、Androidの公式Twitterアカウントが、Apple社がRCSを採用しないことを非難するようなショート動画を投稿するなど、RCSの浸透を後押ししています。今後より多くの国や地域で利用が開始されれば、SMS以上に使い勝手の良いサービスとして、ビジネスシーンにも浸透していくことが予測できます。

RCSの特徴

RCSが持つ主な特徴としては、「ファイルの送受信機能」と「開封率・クリックスルー率」の高さが挙げられます。この2つの特徴について詳しく解説します。

ファイルの送受信が可能

RCSは、ファイルの送受信やコンテンツの共有が可能です。SMSでは、原則としてテキストのみのやり取りに限られていますが、RCSでは、PDFや画像といったファイルの送受信にも対応しています。

また、コンテンツや位置情報の共有も可能です。テキストの送受信においても、RCSではSMSより文字数の上限が多く、長文も分割されることなく相手に届けられます。他にも、音声を含むメッセージングやビデオ通話といった機能を備えており、豊富な機能が利用できます。

開封率・クリックスルー率が高い

RCSは、開封率やクリックスルー率が高いサービスとして知られています。クリックスルー率とは、表示数に対するクリック数の割合です。KDDIによる調査では、ユーザーが受信したRCSメッセージの85%以上を開封していること、そしてRCSメッセージのクリックスルー率は、SMSやメールの場合に比べて40%以上高いことがわかっています。

SMSが開封率や到達率の高さを活かしてビジネスで活用されていることを踏まえると、RCSをビジネスに上手に取り入れることで、高い効果が得られる可能性があります。

RCSの代表的なサービス

RCSは、国内大手キャリア3社で利用できる「+メッセージ」と、楽天による「Rakuten Linkアプリ」でも利用可能です。代表的なRCSサービスの特徴を見ていきましょう。

+メッセージ(プラスメッセージ)

「+メッセージ(プラスメッセージ)」は、ドコモとau、ソフトバンクの国内大手3大キャリアで利用できるRCSサービスです。いずれかのキャリアと契約しているユーザーは、 無料のアプリをインストールすることで、契約者同士でメッセージをやり取りできます。

+メッセージでは、テキストに加えて画像や動画、スタンプも送受信が可能です。無料で使えるスタンプは500種類以上と豊富で、ストアからダウンロードして使います。パケット通信料のみで利用できるため、パケット定額制などではプラン料金で利用できます。

送信できる文字数上限は2,730文字で、最大670文字のSMSに比べて大幅にアップしています。また、データの最大容量も100MBと大きく、やり取りできるコンテンツ量が多い点も特徴です。LINEなどのように、受信者がメッセージを開封したかどうかがわかる既読機能も付いています。

関連記事:プラスメッセージの料金とは?メリットやSMSとの違いを解説

Rakuten Linkアプリ

楽天モバイルユーザー専用のアプリ「Rakuten Linkアプリ」も、RCSサービスの1つです。Rakuten Linkアプリでは、RCS規格を採用した「国内外で通話し放題」サービスを導入しており、Rakuten Linkを使っていない人にも無料通話がかけ放題です。

また、国内SMSが無料で利用できる上、写真や動画、ファイルの送受信、最大100人のグループメッセージなど多彩な機能を備えています。対象の国と地域から日本国内への国際通話も無料です。通話やメッセージ以外にも、楽天ペイアプリでのスマホ決済や楽天ポイントの付与なども含まれており、幅広い用途で利用できます。

+メッセージに比べてやり取りできる相手は限られますが、楽天モバイルユーザー同士で使いやすいサービスとして広まっています。

RCSとその他のサービスの違い

スマホでの送受信に特化したメッセージングサービスには、RCSの他にもSMSやLINEなどがあります。ここでは、RCSと他のサービスの違いについて詳しく解説します。

SMSとの違い

RCSとSMSは、いずれも携帯電話番号を使ったメッセージングサービスです。SMSは、最大文字数が670文字、基本的にテキスト以外の送受信には対応していないものの、高い開封率と到達率を誇ることから、企業から顧客への連絡、本人認証などで活用されています。

一方、RCSはSMSに比べて送受信できる文字数上限やファイルの種類が多く、豊富な機能を備えています。コンテンツや位置情報の共有、スマホ決済、写真プリントなどにも対応可能で、SMS同様に高い開封率やクリックスルー率を誇ることから、次世代SMSとも呼ばれています。

SMSのメリットやビジネスにおける活用方法などについては、下記記事でも詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。

関連記事:SMSとは何か?ビジネス利用のメリットと効果的な使い方

iMessageとの違い

「iMessage(アイメッセージ)」は、iPhoneを含むiOS端末専用のメッセージ機能です。テキストに加えて写真や動画、音声なども送受信でき、文字数の制限は撤廃されています。また、LINEスタンプのような機能を備えています。

ただ、受信側がiOS端末以外の場合、宛先がメールアドレスになるケースが多く見られます。メールの開封率が平均約15~25%であることを踏まえると、iMessageよりも高い開封率やクリックスルー率を誇るRCSの方が、ビジネスユース向きといえるでしょう。

LINEとの違い

LINEは、国内でメジャーなメッセンジャーアプリです。インターネット経由でメッセージや画像、スタンプなどを気軽に送受信でき、多人数との気軽なやり取りにも適しています。
機能が豊富である点やアプリがあればOSや端末によらず使える点など、LINEとRCSには共通点もあります。

ただ、LINEはプライベートで使う人が多く、カジュアルなイメージがあり、ビジネスユースをためらう傾向も少なからず見られます。また、海外でのデータ保管や閲覧権限などの問題も浮上したこともあり、RCSの方がビジネス向けといえるでしょう。

MMSとの違い

「MMS」は、携帯キャリアが独自に提供するメールサービスです。SMSよりも送受信できる文字数が多いなどの特徴がありますが、LINEが浸透したこともあって、使用率はさほど高くありません。

RCSは、費用や機能面ではMMSとおおむね同じですが、開封率や到達率はRCSの方が高いことから、ビジネスユースにはRCSが向いています。

RCSのビジネスへの活用事例

企業でのビジネスにおけるRCS活用がスタートしています。株式会社NTTドコモ様では、幅広いユーザーが手軽に利用できるサポート体制を構築するために、顧客向けサポートサービス「あんしん遠隔サポート」に「空電プッシュ for RCS」を導入しています。

電話とLINEに加えて、+メッセージという3つのチャネルで問い合わせ窓口を完備し、顧客が使いやすいチャネルを選べるようにした結果、LINEを使っていないユーザーも手軽に利用できる点が評価され、顧客満足度調査では「満足している」との回答が80~85%に上りました。

株式会社NTTドコモ様における導入の経緯や採用後の効果などについて、詳しくは下記記事で解説していますのでご覧ください。

RCSをビジネスに活用しよう

RCSは、SMSよりもメッセージの上限文字数が多く、ファイルの送受信ができることから次世代SMSとして注目を集めるサービスです。国内では、大手3大キャリア対象の「+メッセージ」や楽天モバイルによる「Rakuten Linkアプリ」が、RCSサービスとして提供されています。

RCSをビジネスに活用し始めている企業も増えており、今後はSMSに代わるツールとしてビジネスシーンでも主流となっていく可能性があるでしょう。

NTTコム オンラインが提供する「空電プッシュ for RCS」は、「+メッセージ」と「SMS」に対応している新しいメッセージングサービスです。受信先の「+メッセージ」アプリの利用状況を判別し、自動的に適切な形式のメッセージを送信できるため、より多くのユーザーへ効果的なアプローチが可能です。

利用用途や配信数に応じて最適なプランをご提案いたしますので、ぜひお問い合わせください。