SMSに代わるメッセージサービスとして、「RCS」が注目を集めています。GoogleとAppleの両方が対応を進めたことで、海外だけでなく国内でも企業が導入を検討し始めています。
本記事では、RCSの特徴やメリット・デメリット、代表的なサービス、SMSやLINEなど他のサービスとの違いを解説します。ビジネスでの具体的な活用イメージも紹介しますので、導入検討の参考にしてください。
- RCSとは、SMSと同様に電話番号を利用したメッセージサービス
- SMSと異なり、画像や動画などのファイル送信ができ、モバイルデータ通信を利用することが特徴
- Appleも対応を進めており、iPhoneでも条件付きで利用が広がっている
- ビジネス活用の場面は、キャンペーン告知・予約管理・顧客対応など幅広い
目次

RCSとは
「RCS」とは、「Rich Communication Services/リッチ・コミュニケーション・サービス」の略称です。SMS(ショートメッセージサービス)と同じく電話番号を使ってメッセージを送受信できますが、テキストだけでなく画像や動画などのファイルの送信やコンテンツ共有にも対応しています。
SMSやMMS(マルチメディアメッセージングサービス)よりも機能が豊富で、次世代のSMSという位置づけで認知が広がっています。
RCSはGoogleが普及を主導してきた規格でもあり、Googleメッセージアプリを通じて多くの国で標準的に使われています。日本でもAndroidスマートフォンの多くが対応しており、今後、企業のビジネスシーンにも浸透していくことが見込まれます。
Appleの対応状況(2026年時点)
長らくRCSに対応してこなかったAppleですが、2023年11月にRCS対応を発表し、2024年にリリースされたiOS 18で対応を開始しました。
日本国内では、一律にすべてのiPhoneで使えるわけではありません。国内キャリアのうち、au・ソフトバンク・ドコモの3キャリアは、iOS 18.4以降を利用している場合にiPhone標準の「メッセージ」アプリでRCSが使用できます。一方、楽天モバイルはRCS自体には対応しているものの、iPhone標準の「メッセージ」アプリではなく独自の「Rakuten Link」アプリでの提供となっており、標準メッセージアプリからは利用できません。
参考記事:iPhoneでRCSメッセージをオンにする - Apple サポート (日本)
さらに2026年5月には、iOS 26.5でRCSメッセージのエンドツーエンド暗号化がベータ提供され、AndroidのGoogleメッセージとの暗号化通信も順次可能になっています。iPhone・Android間でのRCS利用は、今後さらに広がっていく見込みです。
RCSの特徴
RCSの主な特徴は、次の3つです。
- ファイルの送受信ができる
- SMSより多くの情報を一度に届けられる
- モバイルデータ通信を利用する
ファイルの送受信が可能
SMSは原則テキストのみのやり取りですが、RCSはPDFや画像といったファイル、位置情報の共有にも対応しています。文字数の上限もSMSより大幅に多く、長文でも分割されずに届けられます。音声メッセージやビデオ通話に対応するサービスもあり、機能面での自由度が高いのが特徴です。
開封率・反応率の高さが期待できる
RCSは、SMSと同様に極めて高い開封率(※ 約90% 当社調べ)が期待できる、非常に優れた訴求力を持つ連絡手段として注目されています。企業名やロゴ、認証マークが表示される仕組みのため、テキストのみのSMSよりも「安心して開ける」感覚を与えやすく、案内文だけでなく画像や動画を使えることで反応率の向上も見込めます。
具体的な効果は業種・配信内容・顧客層によって差が出るため、「必ず◯%上がる」といった断定はできませんが、視覚的な訴求が効きやすい商材ほど効果を実感しやすい傾向にあります。
モバイルデータ通信を利用する
RCSはSMSと同じく電話番号でメッセージをやり取りしますが、SMSとは異なりモバイルデータ通信を使う点が特徴です。送受信そのものに通信料はかかりませんが、使用するデータ量に応じて料金が発生します。Wi-Fi接続時はデータ通信料がかかりません。
RCSのメリットとデメリット
メリットは、画像やスタンプを使ったリッチなメッセージを送れることです。SMSより多くの情報を一度に届けられ、視覚的な訴求力を活かした施策に向いています。
デメリットは、SMSと比べるとまだ利用者数・認知度が発展途上な点です。ビジネスで使う場合、顧客側の利用状況によっては十分な効果が出ないケースもあります。また、対応端末やアプリのインストール状況に依存するため、SMSのように「標準機能ですぐ使える」わけではない点も導入時に押さえておくべきポイントです。
ビジネスでのRCS活用シーン
RCSは、次のような場面で企業に活用されています。
認証・セキュリティ連絡(二要素認証・ログイン通知・本人確認)
SMSからRCSへ切り替えることで、なりすましやフィッシング詐欺(スミッシング)のリスクを大幅に削減できます。Googleアカウントへログインするための二要素認証コードも、送信元に認証済みの企業ロゴやチェックマークが表示され、通信が暗号化されるRCS(Androidの「メッセージ」アプリ等)を通じて届く仕組みが導入されています。これにより、利用者は「本物のGoogleからの連絡」だと一目で確信してコードを入力できます。
こうした活用は、顧客データの安全性を担保したい金融・決済サービスや、アカウント乗っ取りを防ぎたい大手Webプラットフォームのように、「高いセキュリティ意識とメッセージの信頼性」が要求される業種と特に相性がいい傾向があります。
キャンペーン・プロモーションの告知
画像や動画で商品の魅力を伝え、購入ページへのボタンを設置することで、テキストのみの案内より反応を得やすくなります。
予約・スケジュールのリマインド
予約日時のリマインドや変更受付をメッセージ内で完結させることで、予約忘れやキャンセルを減らせます。
商品・サービス情報の紹介
複数の画像や詳細な説明を使って、季節商品の案内や新商品の告知をタイムリーに配信できます。
問い合わせ・サポート対応
よくある質問への自動応答をボタン選択式で提供することで、オペレーターへの問い合わせ件数そのものを減らす効果が見込めます。
こうした活用は、小売・サービス業のようにビジュアル訴求が効く業種や、金融・保険のように「本物の企業からの連絡」だと安心して開いてほしい業種と特に相性がいい傾向があります。
RCSのビジネス活用事例
NTTドコモでは、顧客向けサポートサービス「あんしん遠隔サポート」に「空電プッシュ for RCS」を導入しています。電話・LINEに加えて+メッセージという3つの問い合わせチャネルを用意した結果、LINEを使っていない顧客も手軽に利用できる点が評価され、顧客満足度調査で「満足している」との回答が80〜85%に上りました。
導入事例:「あんしん遠隔サポート」の一端を担う「+メッセージ」がお客様サポートの重要チャネルに! 80%を超えるお客様満足度を獲得
RCSとその他のサービスの違い
SMSとの違い
SMSは最大文字数670文字で、基本的にテキスト以外の送受信には対応していませんが、高い到達率と開封率から、企業から顧客への連絡や本人認証に広く使われています。
RCSはSMSより送受信できる文字数やファイルの種類が多く、機能面で優位性があります。位置情報の共有やスマホ決済連携なども可能で、次世代SMSとも呼ばれています。
関連記事:SMSとは何か?ビジネス利用のメリットと効果的な使い方
iMessageとの違い
「iMessage」はiOS端末専用のメッセージ機能で、写真・動画・音声の送受信ができ、文字数制限もありません。ただし受信側がiOS端末以外の場合、宛先がメールアドレス扱いになるケースがあり、確実な到達という点ではRCSの方がビジネス向きといえます。
LINEとの違い
LINEは国内で広く使われているメッセンジャーアプリで、機能の豊富さやアプリさえあればOS・端末を問わず使える点はRCSと共通しています。ただしプライベート利用のイメージが強く、ビジネスユースをためらう企業もあります。RCSは電話番号ベースで公式アカウント認証があるため、ビジネス向けの信頼性という点で選ばれるケースがあります。
MMSとの違い
「MMS」は携帯キャリア(au、SoftBank)が独自に提供するメッセージサービスで、SMSより多くの文字を送れる特徴がありますが、利用率は高くありません。費用や機能面はRCSと近い部分もありますが、開封率や到達率の面ではRCSの方がビジネス向きです。
RCSをビジネスに活用しよう
RCSは、SMSより多くの情報を届けられ、画像や動画を使ったリッチな表現ができることから、次世代のメッセージングサービスとして注目されています。国内では「+メッセージ」「Rakuten Linkアプリ」 に加え、メッセージアプリでも使用できるようになっています。
キャンペーン告知や予約リマインド、問い合わせ対応など、活用の幅は広がっており、今後SMSと組み合わせて使う企業がさらに増えていくと見られます。
NTTドコモビジネスXが提供する「空電プッシュ for RCS」は、「+メッセージ」と「SMS」の両方に対応したメッセージングサービスです。受信先の「+メッセージ」アプリの利用状況を自動判別し、適切な形式でメッセージを送信できるため、RCS非対応の相手にも取りこぼしなくアプローチできます。






