コミュニケーションチャネルとは、マーケティング活動において顧客とのやり取りに使われる経路や手段のことです。インターネットの浸透と共に顧客との接点が多様化している昨今、自社に最適なチャネルを選ぶ必要性が高まっています。

本記事では、コミュニケーションチャネルの意味や代表的なチャネルの種類、効果的なコミュニケーションチャネルの導入手順などについて解説します。SMSを活用している企業事例も紹介しますので、自社における集客や顧客との交流にぜひお役立てください。

この記事の内容
  • コミュニケーションチャネルとは、マーケティング活動において、集客を目的として顧客とコミュニケーションを取るための経路や手段のこと
  • 以前から用いられている電話や対面型の他、近年はライブチャットやSNS、ビデオ通話、SMS、オウンドメディアなども広く活用されている
  • コミュニケーションチャネルによる集客効果を高めるためには、ターゲットに合ったチャネルを選び、戦略的に活用することが重要
  • SMSを導入することで、業務効率化やアンケート回収率の増加といった効果を打ち出している企業もある
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コミュニケーションチャネルとは

マーケティング活動におけるチャネルとは、集客するための媒体や商品・サービスを消費者へ届けるための経路を指します。コミュニケーションチャネルは、集客や購買につなげるために顧客にメッセージを送ることや、顧客からメッセージを受け取ることを目的とした手段です。

具体的には、電話やメール、チャットツール、SNSなどが挙げられます。また、新聞や雑誌、ラジオ、テレビなどのマスメディア媒体やDM、屋外広告といった情報発信も含まれます。近年は、SNSやインターネット広告、ブランドサイト、YouTubeでの動画投稿など、オンラインを活用してダイレクトに顧客へ働きかける方法も多くの企業で導入されています。

コミュニケーションチャネル以外の主なチャネル

市場で用いられる主なチャネルには、コミュニケーションチャネルと「流通チャネル」「販売チャネル」の3種類があります。必要に応じて、2つ以上のチャネルを組み合わせるケースも少なくありません。ここでは、コミュニケーションチャネル以外のチャネルについて解説します。

流通チャネル

流通チャネルとは、商品・サービスが顧客に届くまでの経路のことです。単なる配送の手段だけでなく、卸売業者や問屋、小売業者などの中間業者を含めた流通全体のプロセスを指します。また、商品・サービスを顧客へ見せることや、紹介することも含まれます。

販売チャネル

販売チャネルは、顧客に商品・サービスを販売する経路のことで、店舗やECサイトなど顧客が購入する場所も該当します。企業が顧客との接点を設けるために重要であり、マーケティングやプロモーション、リサーチなどの活動も販売チャネルとして考えます。

コミュニケーションチャネルの3つの種類

コミュニケーションチャネルは、主に「フォーマル」「インフォーマル」「アンオフィシャル」という3種類に分けられます。ここでは、各タイプの特徴について解説します。

フォーマル

フォーマルなコミュニケーションチャネルは、企業や業務に関する会話をするためのチャネルです。企業のビジョンや事業方針に関する公式な情報から、社内の仕事に関する会話まで多岐にわたります。

具体例には、プレスリリースやメールマガジン、社内のナレッジ共有プラットフォーム、ブランドサイト、企業ブログなどが該当します。

インフォーマル

インフォーマルなコミュニケーションチャネルは、社内における業務以外の雑談など、対話要素を含むものを指します。具体的には、社内SNSやメッセンジャー、ライブチャットといった方法があります。

アンオフィシャル

アンオフィシャルなコミュニケーションチャネルは、「アンオフィシャル(非公式)」という名前の通り、口コミやバーチャルでのやり取りなどを指します。業務やビジネスには直接関係しないものの、社内文化や社員の関係性を構築するために重要な手段です。

代表的な9つのコミュニケーションチャネル

コミュニケーションチャネルには、さまざまな手段があります。ここでは、代表的な以下9つのチャネルについて、特徴を紹介します。

  • メール
  • SMS
  • チャットツール
  • 電話
  • 対面
  • ビデオ通話・ビデオ会議
  • SNS
  • ライブチャット
  • オウンドメディア

メール

メールは、現代における一般的なコミュニケーションツールの1つです。個人で複数のメールアドレスを使い分けることができ、長文や添付ファイルの送受信にも対応しています。また、相手の時間を拘束しないため、都合の良いタイミングで確認してもらえます。

具体例としては、メールマガジンによる情報発信や、顧客へのダイレクトメールなどです。ただ、受信フォルダに埋もれてしまうと、読んでもらえない可能性があります。

SMS

SMS(ショートメッセージサービス)は、電話番号宛に短いテキストを送信できる機能です。ガラケーを含む携帯電話に標準搭載されており、初期設定やインストール不要で始められます。また、受信時にホーム画面に通知が入るため、視認性が高く、内容を確認してもらいやすい点も特徴です。

近年はMNPが浸透し、機種変更後も同じ番号を引き継ぐ人が増えており、本人への到達率も高まっています。支払い催促などの緊急連絡や、二段階認証のように重要度の高いメッセージのやり取りでよく使用されています。文字数制限があり、添付ファイルは送信できませんが、短縮URLなどを活用すればスムーズな連絡が可能です。

関連記事:SMSとは何か?ビジネス利用のメリットと効果的な使い方

チャットツール

チャットツールは、インターネット通信を使って、リアルタイムで短いテキストをやり取りできるツールです。コールセンターなどで導入されているサポートチャットは、緊急の問い合わせやFAQだけでは解決できなかった場合の相談に使われています。

また、企業が使用するビジネス用チャットは、ビデオ通話やファイルの共有、グループチャットなどさまざまな機能を備えたものが多く、業務効率化やコスト削減が期待できます。基本的には、会員登録やインストールが必要です。

電話

電話は、以前から広く使われている手軽なコミュニケーションチャネルの1つです。リアルタイムで直接本人と会話ができ、イレギュラーな相談にも柔軟対応がしやすい傾向にあります。セールスやアポイント、顧客へのアフターフォロー、顧客からのフィードバックなど、多くの用途で活用されています。

対面のように移動の手間はありませんが、相手に出てもらえるまで掛け直す必要があります。また、テキストや書類などの記録が残らないため「言った言わない」の齟齬が生まれやすい点にも注意が必要です。

対面

対面型は、直接会って話すオフラインでのコミュニケーションです。以前から取り入れられている一般的なコミュニケーションチャネルの1つで、表情や態度など相手のリアルな反応を得られます。

顧客との商談や取引交渉など重要度の高い場面をはじめ、店頭販売、オフィスでの日常的なやり取りなども対面型コミュニケーションです。ただし、移動する時間やコストがかかり、場所の確保も必要になります。

ビデオ通話・ビデオ会議

ビデオ通話やビデオ会議は、映像と音声を組み合わせた通話によるコミュニケーションです。インターネットがあれば、場所によらず相手の顔を見ながら対話ができます。また、移動する時間やコストを抑えつつ対面のようなやり取りが可能です。

複数人でのオンラインミーティングやウェビナー、遠方の顧客との商談などさまざまな用途で活用されています。通常は、Zoomなどアプリやツールを使う必要があります。

SNS

InstagramやX(旧Twitter)などのSNSは、若年層を中心に馴染みのあるコミュニケーションチャネルです。マーケティング活動でのSNSは、企業が顧客とコミュニケーションを取り、購買へつなげることを目的として活用されています。

近年は、企業やブランドの公式アカウントでの情報発信も定番化しており、SNS広告や動画広告を使って多くの消費者へリーチできる可能性があります。ただし、相手のアカウントがわからないとやり取りができない点に注意が必要です。

ライブチャット

ライブチャットは、リアルタイムでテキストのやり取りを行うオンラインツールです。代表例には、カスタマーサポートやECサイトでの注文受け付けなどあります。電話のようにその場で対話ができるため、迅速でスムーズな伝達が実現します。

ただし、ライブチャットの導入費用や担当者のトレーニングなどの事前準備が必要です。最近では、ライブチャットの代わりにAIやチャットボットを搭載したオンラインチャットを導入する企業も増えています。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、企業が運営するWebサイトやブログのことです。形式やデザインの制限なく、自由な情報発信が可能で、Web検索からの新規顧客や潜在顧客の流入を目指せます。

ただ、企業からの一方的な発信に偏りがちで、顧客からの反応に気付きづらい傾向があります。また、流入が少ないと集客効果が出にくいため、公式SNSなど他のチャネルと連動させて、双方向のコミュニケーションが取れるような工夫が必要です。

コミュニケーションチャネル導入までの4つの手順

ここからは、コミュニケーションチャネルを導入するまでの具体的な手順を紹介します。

1.ターゲットの選定

自社の商品・サービスがどのような顧客層のニーズと合致しているか、どのような人に受け入れられるのか、などを具体的に考える必要があります。ターゲット層を絞らず、不特定多数にアプローチしても、商品・サービスを求める人に届きにくく、集客効果は得られにくいでしょう。

ターゲットの年代や性別、地域といった属性に加えて、ライフスタイルや価値観、趣味・趣向なども考慮します。また、ペルソナと呼ばれる架空の人物像を見立てて、商品購入に至るまでの顧客の行動や考え方まで明確化しておくとスムーズです。

2.販売チャネルの決定

ターゲットに合わせて販売チャネルを決定しましょう。消費者向けの主な販売チャネルには、実店舗やECサイト、自社ホームページ、SNS、テレビショッピングなどさまざまなものがあります。

ターゲット層の価値観や生活スタイルをイメージし、適切な方法を考える必要があります。なお、販売チャネルは単体に絞る必要はなく、ECサイトとオフラインの実店舗など複数のチャネルを組み合わせることも可能です。

3.戦略・計画の立案

ターゲット層と選定した販売チャネルを踏まえ、活用すべきコミュニケーションチャネルを選定し、プロモーションの戦略と計画を策定します。

例えば、SNSとオウンドメディアを連動させて、情報発信やSNS広告を使って自社商品やブランドの拡散を狙う方法があります。

4.効果測定と改善

コミュニケーションチャネルを活用しながら、定期的に効果測定と分析を行い、最適化することが大切です。設定したターゲットにリーチできているか、コミュニケーションチャネル別の流入や発生している売上なども確認し、必要な改善作を取り入れましょう。

場合によっては、ターゲットの設定や販売チャネルの選定などのステップからやり直しが必要になります。

SMSをコミュニケーションチャネルとして活用した事例

多種多様なコミュニケーションチャネルがある中で、顧客本人への到達率や開封率が高く、フォーマルなコミュニケーションにも使いやすいSMSへの注目度が高まっています。ここでは、SMSをコミュニケーションチャネルとして活用した企業の事例を紹介します。

株式会社ジェーシービー

クレジットカードブランドとして知られる株式会社ジェーシービーでは、カード更新時などの重要情報を伝達できない顧客への対策を模索していました。

「電話に出てもらえない」「他のメールに埋もれてしまい気づかれない」といった問題を解消するために、SMS送信サービスの導入にいたりました。SMSでは、送信者情報が表示されるため、顧客に安心してもらえる点などに手応えを感じられています。

顧客へのコンタクト手段の多様化が実現した現在は、緊急の連絡以外にも、会員ページのご案内や顧客応対アンケートなどさまざまなシーンで活用を開始しています。また、SMS送信サービスの選定では、機能性に加え、金融業界の厳しい監査基準に見合う高いセキュリティも決め手になりました。

三井ダイレクト損害保険株式会社

個人向け通販型自動車保険を扱う三井ダイレクト損害保険株式会社様は、非対面での気軽かつスピーディな契約に強みがあります。以前より、顧客体験価値の向上を目指し、顧客接点のデジタル化を推進する中で、電話とメール以外の新しいチャネルを模索していました。

また、顧客との連絡が取れないケースも増えており、より反応率の高い連絡手段を導入したいと考え、SMS送信サービスの導入を決定しました。

導入後は、必要書類の返送率が45%から80%へ大幅アップ。お客様アンケートの回収率も30%から40%にアップし、紙のアンケートに比べて回収時間も大幅に短縮されています。

さらに、担当者決定のお知らせや保険料の着金などの案内にSMSを活用し、速やかで確実な案内が実現できました。

SMSをコミュニケーションチャネルとして活用しよう

コミュニケーションツールは、集客や顧客との関係構築を促進するために重要な手段です。インターネットやSNSの浸透とともに、コミュニケーションツールも多様化が進んでおり、適切な方法を選ぶ必要があります。

コミュニケーションツールを導入する際には、自社の商品・サービスに合ったターゲットを選定し、販売チャネルを決定した上で戦略や計画を考えましょう。また、定期的に効果を測定し、必要な改善策を取り入れることも大切です。

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