SMSの送信上限数は、各キャリアが迷惑メール対策やシステム負荷の軽減を目的として設けている制限のことです。上限を超えると、一定期間はメッセージを送信できなくなり、緊急時や重要な連絡の遅延につながるため注意が必要です。キャリアごとの上限数や1通あたりの文字数カウント方法を事前に把握して、配信計画を立てる必要があります。

本記事では、キャリア別のSMS送信上限や制限に引っかかりやすいケース、上限を超えてしまった場合の対応などを詳しく解説します。ビジネスに最適なSMS送信サービスについても紹介しますので、送信上限の制約を気にせずにSMSを効果的に活用するために、ぜひお役立てください。

この記事の内容
  • SMSの送信上限とは、一定期間内に送信可能なメッセージ数の制限を指し、キャリアによって上限数や1通あたりの文字数のカウント方法は異なる
  • SMSに送信上限がある主な理由は、スパムメッセージなどの迷惑メールへの対策と、システム負荷を軽減し、快適な通信環境を維持すること
  • 各キャリアの送信上限を遵守していても、長文メッセージが分割されると通数が増えるため、気づかないうちに上限を超えないよう注意が必要
  • SMSの送信上限を超えた場合、制限が解除されるまでメッセージを送信できないが、SMS送信サービスなら上限数に関係なく大量配信が可能
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SMSの送信上限数とは?

SMSの送信上限数とは、1日に送信できるSMSメッセージの制限です。各キャリアによって制限内容は異なりますが、個人・法人問わずすべてのユーザーに対して適用されています。

上限数を超えた場合は送信できなくなる

SMSの送信上限に達した場合、制限がかかり、一定期間はメッセージの送信ができなくなります。多くのキャリアでは、24時間後に制限が解除され、SMSの送信が可能になりますが、リセットのタイミングはキャリアごとに異なります。

制限中に送信を試みても、「送信に失敗しました」といったエラーメッセージが表示され、送信はできません。そのため、緊急性の高い重要連絡も送信不可となり、顧客対応や重要な通知に支障をきたす可能性があります。

通信キャリアによって上限数やカウント方法が異なる場合がある

SMSの送信上限数はキャリアによって異なります。また、SMSの1通あたりの文字数によるカウント方法にも注意が必要です。文字数が多い場合は、下記のように複数通扱いされます。

  • 全角70文字以内:1通
  • 全角71〜134文字:2通
  • 全角135文字以上:67文字ごとに1通分とカウント

同じ文字数でも、キャリアによって送信数のカウント方法が異なる場合があり、想定よりも早く送信上限に達する可能性があるため、適切な配信計画を立てることが重要です。

参考:SoftBank「メールの種類について」

SMSに送信上限数がある理由

各キャリアでは、ユーザーの快適な通信環境を維持するために、SMSの送信上限を設定しています。ここでは、SMS送信上限が設けられている主な2つの理由について解説します。

迷惑メール対策

SMS送信上限の最大の目的は、迷惑メール対策です。悪意ある業者が大量のスパムメッセージを送信してきた場合、ユーザーに深刻な悪影響を与えるリスクがあります。また、近年は不正アプリによる無断SMS送信の被害も増加しています。

送信上限があることで、短期間に大量のSMSを送信することができなくなり、ユーザーにとって健全な利用環境を維持することが可能です。

システム負荷の軽減や通信品質の維持

短時間に大量のSMS送信が集中すると、システムに過度な負荷がかかり、通信品質の低下を招く可能性があります。特に、災害時や緊急事態では、多数のユーザーが同時にSMSを送信するため、システム負荷が急激に増えて、送信の遅延や障害が発生することも考えられます。

SMSの送信制限によって配信処理を分散させることで、重要な緊急連絡を含むすべてのメッセージが安定的に配信される環境を維持できます。

SMSの送信上限数の確認方法とキャリア別の送信上限数

キャリアごとに、1日に送信可能なSMSの制限は異なります。ここでは、主要キャリア
(docomo、au、SoftBank、楽天モバイル)のSMS送信上限を紹介します。

docomo の場合

docomo では、1日に送信できるSMSの上限が200通に設定されています。ただし、全角70文字以内のSMSは1通分ですが、全角71文字を超えると文字数に応じて2通以上としてカウントされます。

参考:NTTドコモ「ご注意事項」

SoftBank の場合

SoftBank では、SMSの送信上限は1日あたり200件で、200件を超えた場合は24時間の制限が適用されます。ただし、短時間に大量のSMSを送信した場合、上限を下回っていても制限が課される可能性があります。

また、送信エラーも送信数に含まれる場合があるため、注意が必要です。

参考:SoftBank「メールを送受信する際の注意事項」

au の場合

au のSMS送信上限は、ユーザーの契約期間によって異なります。加入月を含む開始月から3ヶ月の間は、200送信/日(または3,000送信/月)、加入4ヶ月目以降は200送信/日(または6,000送信/月)です。他社と違って、日次制限と月次制限の両方が設けられています。

参考:au「SMS(Cメール)」

楽天モバイルの場合

楽天モバイルにおけるSMSの送信上限は、1日あたり200通です。迷惑SMS防止の観点から制限が設けられており、標準のメッセージアプリおよび「Rakuten Link」のいずれを利用しても適用されます。

参考:楽天モバイル「SMS(ご利用方法)」

SMSの送信上限に引っかかりやすいケースとは?

SMSの送信上限を超えやすいケースとして、長文メッセージの送信が挙げられます。全角70文字を超えるSMSは、自動的に複数のメッセージに分割されるため、送ったメッセージは1通でも2通以上としてカウントされてしまいます。

また、予約確認や督促連絡などで一斉送信を利用する場合、ユーザー数が多いと短時間で上限を超過する可能性もあります。月末の請求通知や災害時の緊急連絡といった重要性の高いメッセージも、送信上限に引っかかってしまうと配信できなくなるため注意しましょう。

SMSに送信制限がかかった場合はどうすればよい?

SMSの送信上限を超えると制限がかかり、一定時間SMSを送信できなくなります。このような状況における主な対処法を紹介します。

制限が解除されるまで待つ

送信上限に達した場合、基本的には制限が解除されるまで時間を空ける必要があります。多くのキャリアでは、24時間・日単位・月単位などで制限がかかり、その期間中はSMSの送信ができません。

リセットされるタイミングはキャリアによって異なるため、詳細は各社に直接問い合わせましょう。

別の手段で送信する

SMSの送信が制限された場合の代替手段として、メールやLINEなどの他のメッセージングサービスを活用する方法があります。これにより、SMSの送信制限中でもメッセージを送ることができます。

ただし、+メッセージなどのキャリア間サービスやチャットアプリを使用する際は、相手がそのサービスに対応しているかを事前に確認しましょう。また、送信時の料金や機能もそれぞれで異なるため、送信内容の緊急度や重要度に応じて最適な手段を選ぶことが重要です。

法人ならSMS送信サービスを活用する

法人がSMSを送信する場合は、SMS送信サービスの導入がおすすめです。SMS送信サービスを活用することで、送信上限に縛られることなく、大量配信が可能になります。また、上限を超えた場合の送信停止期間もないため、必要なタイミングで確実にメッセージを届けることが可能です。

さらに、一斉送信や予約配信、長文対応、ファイル添付など多彩な機能を利用でき、法人業務に適したシステムが構築されています。

SMS送信サービスのメリットと主な活用シーン

SMS送信サービスを活用することで、予約配信や一斉送信といった機能を通じて業務効率化を図れます。また、通常のSMSでは制限される文字数を超える長文の送信も可能となり、より正確で効果的な情報伝達が実現します。

さらに、到達記録や開封確認などのデータも一元管理できるため、マーケティング施策や個別販促にも活用できます。

SMS送信サービスの代表的な活用シーンは以下の通りです。

  • 本人確認や二段階認証
  • 予約や配送日時のリマインド
  • 支払い督促
  • キャンペーン告知や新商品の案内
  • アンケート調査
  • システム障害や災害時などの緊急連絡
  • コールセンターでの一次対応

他にも、休眠顧客の掘り起こしやWebサイトへの誘導など、さまざまな用途で活用できます。

SMS送信サービスを利用する際の注意点

SMS送信サービスを活用した広告宣伝を行う際には、「特定電子メール法」を遵守する必要があります。この法律では、商業目的のメッセージ送信前に受信者から明確な同意(オプトイン)を得ることが義務付けられており、メールやSMSを利用した商品・サービスの宣伝やキャンペーン案内、セール告知などが対象です。

具体的には、オプトイン規制に従い同意を取得した上で、証明として記録を保存する必要があります。また、なりすまし防止のために、送信者情報を明記するとともに、配信停止方法を記載することも重要です。

法律に違反した場合、最大3,000万円の罰金が科される可能性があるため、法令遵守体制を整備し、適切に運用することが大切です。

関連記事:特定電子メール法とは?罰則の内容と違反しないためのポイント

SMS送信サービスの選定のポイント

多数のSMS送信サービスが存在する中で、自社に最適なものを選ぶためには総合的にサービスを評価する必要があります。チェックすべきポイントは、以下の通りです。

  • 自社の目的に合った機能があるか
  • 費用対効果は適切か
  • 自社の環境に適しているか

具体的には、以下の項目について比較検討すると良いでしょう。

  • 接続方式
  • API連携
  • サービスの操作性
  • サポート体制
  • セキュリティ

サービスの選び方について、詳しくは下記記事で解説していますのであわせてご覧ください。

関連記事:SMS送信サービスの選び方とは?5つの比較ポイントと活用シーンを紹介

SMSの送信上限数に関するよくある質問

SMSの送信上限について、代表的な疑問や質問とその回答について紹介します。

上限数は日ごとにリセットされる?

SMSの送信上限数は、一般的には1日単位(もしくは1ヶ月単位)でリセットされます。ただし、リセットされる時間はキャリアによって異なるため、詳細を知りたい場合はキャリアの窓口に問い合わせてみましょう。

SMSの送信上限に達すると通知は来る?

SMSの送信上限に達した場合、キャリアによっては通知が入る場合があります。通知システムがない場合でも、キャリアによっては送信履歴で確認が可能です。

SMSの送信数の自動管理や、上限接近時のアラート通知などの機能が付いたSMS送信サービスなら、システム上で一元管理ができるため便利です。

国際SMSも上限がある?

国際SMS送信の上限は、国内向けのSMS以上に厳しい傾向があります。例えば、docomo の場合、2024年8月26日以降の携帯電話(5G、Xi)の新規契約では、契約日を含む月から起算して6ヶ月目の月末までの間は、直近28日間の累計送信通数あたり計900通です。

上限を超過した場合、送信制限が発生し、停止日含む月の翌々月の第一営業日まではSMSを送れないため注意が必要です。また、送信先の国や地域によって制限が異なる場合もあるため、事前に確認しましょう。

参考:NTTドコモ「国際SMS送信通数制限の開始について」

迷惑メールと間違われないための対策とは?

SMSがフィッシングや詐欺、架空請求などを目的とした迷惑メールと疑われないためには、適切な送信頻度と内容の管理が重要です。具体的には、短時間での大量送信は避け、配信間隔を調整する必要があります。また、URLの多用や過度な宣伝文句は控え、受信者にとって有益な情報の提供を徹底しましょう。

知らない番号からのSMSや誰もが知っている大手企業からのSMSは、迷惑メールと間違われる可能性が高いため、送信者名を明記すると共にWebサイトなどで発信者番号を記載することも重要です。さらに、国内直収接続のSMS送信サービスを利用することで、スパム判定のリスクを抑えつつ、効果的にSMSを配信することができます。

企業側ができるSMSの迷惑メール対策について、詳しくは下記記事をご覧ください。

関連記事:SMSを利用した迷惑メールに注意!企業側の対策方法もご紹介

SMS送信サービスの利用で送信上限を気にせず送付しよう

SMSの送信上限は、迷惑メール対策やシステム負荷の軽減を目的として設けられています。具体的な送信上限数はキャリアによって異なりますが、制限に達してしまうと24時間など一定期間は送信不可となり、緊急連絡や重要な顧客対応に遅れが出る可能性があります。

また、1通のSMSであっても、規定の文字数を超えると複数通分としてカウントされる場合があるため、事前によく確認しておきましょう。法人向けのSMS送信サービスを導入すれば、キャリアの送信上限にとらわれることなく、大量のSMSを安定的に配信できます。

NTTコム オンラインが提供する「空電プッシュ」は、国内最大級の送信性能を備えたSMS送信サービスです。Web送信では1日の送信上限などの制限なしで、一斉送信や予約配信など便利な機能を利用できます。ビジネスにおけるSMSの活用をご検討の方は、この機会にぜひご検討ください。