スマートフォンの利用が一般的になり、便利なアプリも数多く展開されています。ただ、そのような状況のなかでも、従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)の時代から使われてきたSMS(ショートメッセージサービス)はなくなっていません。それどころか、SMS一斉送信は利用価値の高いツールとして、ビジネスに取り入れている企業は多いのです。この記事ではSMS一斉送信について詳しく解説しているほか、一斉送信の利用シーンや、SMS送信サービスの導入の流れとポイントについても紹介しています。

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ビジネスでの活用価値が広がるSMS一斉送信!その長所は?

到達率が高い

SMS一斉送信の大きな長所のひとつが、到達率が高いという点です。メールで配信を行う際には当然メールアドレスにメッセージを送ることになりますが、メールアドレスは変更されることも多いのがデメリットになります。その点、電話番号はメールアドレスほど変更されません。

以前は携帯キャリアを変更すると同じ電話番号が使えませんでした。しかし、ナンバーポータビリティの仕組みが整い、同じ電話番号のまま携帯キャリアを変更することが可能になりました。実際に、大手携帯会社以外に格安スマートフォンを扱う会社が増え、携帯キャリアを変更する人も増えています。キャリアを変えても電話番号はそのまま使い続ける人が多く、メールアドレスの変更などで一斉連絡が届かなくなるという問題が起こりにくいのです。また、メールの場合はスパムメール対策で、せっかく送ったメールが迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう懸念もあります。迷惑メールフォルダに入ってしまうと気づかれないことも多く、リアルタイムで届けたい情報を受け取ってもらうことができません。

開封率が高い

SMSのメッセージは開封率が高いところも長所です。もともと、電話番号を契約する時点で本人確認が済んでいるSMSは「本人認証」の必要なメッセージや「重要な通知」を間違いなく送信することができる仕組みが整っています。そのことから、各キャリアは迷惑メール対策として、個人携帯から1日に送信できるSMSを200通未満に制限をかけており、メッセージが埋もれることも少ないといえます。また、SMSのメッセージは届いた際にポップアップ画面に表示されるため、目に留まりやすい点もメリットです。

使える相手が幅広い

利用者の多いチャットアプリも、もちろんメッセージを送るツールとして有効的です。ただし、そもそもアプリをインストールしていない人に対しては使うことができません。SMSは、従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)はもちろんスマートフォンにも標準搭載されているため、アプリのようにインストールなどの特別な操作をせずに使うことができます。スマートフォンの普及率が高まっているとはいえ、持っていない人もいるでしょう。特に、高齢者の場合はその割合がまだまだ高いといえます。また、メールアドレスなどを知らなくても、電話番号さえわかればSMS一斉送信でメッセージを送ることが可能です。さらに、以前のSMSは同じ携帯キャリアの契約者同士でしか送受信できませんでしたが、2011年からはキャリアを超えて送受信できるようになりました。そのため、SMS一斉送信は相手が所有する電話機がスマートフォンなのか否か、契約先のキャリアがどこかにかかわらず、幅広い相手に使うことが可能です。

プライベートのメッセージと区別することが可能

プライベートでの利用機会が多いメッセージアプリをビジネスや販売促進の目的で使うと、当然同じツールにさまざまなメッセージが届きます。人によってはプライベートとビジネス両方のメッセージが、同じツールに届くことを煩わしく感じる人もいるはずです。また、チャットツールはプライベートでの利用に適していても、ビジネス目的で同じように使い勝手がいいとは限りません。利用者が多くてもビジネスでは適さないこともあり、シンプルなショートメールでの一斉連絡の方が、利便性があることも多いのです。

(関連記事:SMSを一斉送信するには?メリットとサービスの選び方

SMS一斉送信には短所もある!?

送信できる内容が少ない

SMSで送信できる文字制限が、従来の全角70文字(半角160文字)から、今は全角670文字(半角では1,530文字)に緩和されました。それでも、メールや手紙と異なり、シンプルな文章にすることが望まれます。簡単な業務連絡や問い合わせ、安否確認などの用途なら、それほど長文を必要としないでしょう。しかし、かなり複雑な文章を送りたい場合や、伝えたい内容が多い場合、SMS一斉送信は適していないといえます。

画像を送ることができない

SMSは送信できる文字数が限られていることに加えて、画像も送ることができません。ビジネスでは単に言葉で伝えれば済むメッセージだけではなく、画像資料が必要なこともあります。画像を添付できないのが不便だと感じれば、利用価値が低いと考えてしまうこともあるでしょう。画像が必要な場合、メッセージは簡潔にSMSで送信し、画像はWeb上のストレージにアップしておくこともできます。そのうえでメッセージに画像をストレージしてあるURLを添付し、受け手自身でWebにアクセスして画像を参照してもらう方法で対処することも可能です。ただ、わざわざWebページにアクセスするのは、ひと手間かかります。そのため、画像などの添付資料が多い仕事には向いていないといえるでしょう。

無料ではできない

SMSは受信する側は無料ですが、送信する側には料金がかかってしまいます。SMS一括送信専用のサービスを利用するためには月額利用料がかかってくるため、ビジネスで導入する場合はその分の費用を考慮に入れておく必要があります。

SMS一斉送信を取り入れるときの注意点

特定電子メール法

SMS一斉送信をビジネスに取り入れる際に注意しなければならないことのひとつが特定電子メール法です。携帯電話からインターネットに接続できるようになってから、利便性がアップしたのと同時に迷惑メールに悩まされることも多くなりました。そこで2002年に施行されたのが「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、いわゆる特定電子メール法で、簡単にいえば迷惑メールを防止するために作られた法律です。

SMSを利用しての配信はメールアドレスあてではないため関係ないと思う人もいるかもしれません。しかし、特定電子メール法の規制対象にはSMSも含まれています。SMSでも販売促進に利用する場合、商品を掲載しているサイトへの誘導を促す内容が含まれていることや、商品の広告そのものの文章が入っているケースもあるでしょう。特定電子メール法は、そもそも広告宣伝のために送信される電子メールを規制の対象としているため、当然SMSでもその定義を満たすものであれば適用されるということです。ただし、個人間でのやり取りや、非営利団体の場合は適用されません。

特定電子メール法が施行された当初は広告宣伝メールが一方的に送りつけられてくるという迷惑メールが問題でした。しかし、さまざまな手口で迷惑メールを送る悪質業者はなくならず、必要となる対策も増え、施行後さらに適用範囲が広げられています。たとえば、2005年にはプログラムを用いて自動的に作成される架空アドレスあてにメールを送信することや、送信者の情報を偽ってメールを送ることも禁止されるようになりました。

さらに、2008年には「オプトイン方式」が導入され、さらに対策が強化されています。オプトイン方式では、あらかじめ同意した者に対してしかメッセージを送ることができません。そして、あらかじめ同意を取っている旨を一定期間保存しておくことも必要です。例外として、単なる日程のお知らせや支払いの督促など、Webサイトへの誘導がないメッセージについては、特定電子メール法の適用を受けない場合があります。ただし、法律は改正される可能性もあります。また、後々マーケティングに活用していくことを想定しているのなら、あらかじめ同意を取っておいた方がいいでしょう。

特定電子メール法ではメールやSMSを送信する際、メール本文の中に送信者の名称、受信拒否を受けるメールアドレスやURLなどの受信拒否する際に必要な情報について、わかりやすく表示しておく義務も課せられます。違反をした場合は内容によって総務大臣及び内閣総理大臣による命令を受けたり、懲役または罰金刑に処せられたりすることもあるので注意が必要です。

文字数について

通常、SMSでは全角で最大670文字の文章までしか送信できません。仮に、複数のキャンペーン情報をまとめてSMSで告知したいと思っても、文字数制限に引っかかってしまうため、適切な手段とならない場合があります。それを回避するには、文字数制限に合わせた配慮が必要になってきます。たとえば、送信するメッセージに盛り込む内容を絞ったり、詳細はリンク先URLへ誘導する場面が出てくるでしょう。

一斉送信の方法

個人が所有している携帯やスマートフォンからは個別のSMS送信しかできません。一斉送信をしたい場合は、一斉送信を専門としているサービスを利用することが必要です。SMS一斉送信のサービスのなかには、長文が送れるものやURL短縮機能を備えているもの、送信結果を確認できるものなど、さまざまなメリットを持つサービスがあります。パソコン(PC)から管理画面を通してSMS送信ができるサービスを提供しているところも多いので、ほかにどのような機能を備えているかをチェックして利用するサービスを選びましょう。

SMS一斉送信の利用シーン例

予約や予約内容の通知

SMS一斉送信は飲食店やゴルフコースなどの予約、予約内容の通知などを管理するシステムに適している仕組みです。特に飲食店の予約に関しては、無断キャンセルで店舗側に損害が発生する事例も増えています。社会的にも問題になっていることから、少しでも突発的なキャンセルを防ぐ手立てが必要になってきています。SMS配信を活用することで、前日に予約内容を確認するお知らせを送り、キャンセルする場合には忘れず手続きができるように誘導することもできます。SMSは他のツールのように多数のメッセージの中に埋もれてしまうことが少ないため、必ず見てもらいたいお知らせを送る際には効果的です。また、これまで電話や郵便などでやり取りをしていたものについては、コストも時間も削減することができます。

日程の連絡

配送が必要な商品を購入したときや、作業員が修理に出向くサービスを提供しているビジネスの場合、顧客の自宅に訪問する日時を通知する必要のあるケースも多いでしょう。そのような場合、顧客が在宅していなければ業務が完了しません。宅配便の配送でも、せっかく配達したにもかかわらず、在宅していないばかりに再配達になってしまうケースが多発しています。事前にSMSを使って訪問日時を通知することで、顧客の在宅率をアップさせてスムーズに業務を遂行する助けになります。

滞納者への督促や手続き期限のお知らせ

読んでもらえる確率が高いSMSを使った配信は、滞納者への督促や決済、手続き期限を通知する際にも適しています。決済や手続きなど、期限が定められているものは、必ず期限前に顧客に知らせておかなければなりません。支払いが遅れているのなら、なおさら忘れてもらっては困ります。電話では相手が忙しいタイミングならば出られない場合もありますし、メールではせっかく送っても他のメールに埋もれて見てもらえない可能性もあるでしょう。確実に相手に届き、見てもらえる方法としてSMSは利用価値があります。

アンケート収集やプロモーション

従来はアンケートといえば紙媒体の用紙やハガキなどに記入して郵送してもらう方法や、メールによるアンケート、コールセンターを使った方法が一般的でした。しかし、手間のかかる郵送では回収率が低く、メールで送った場合は気づかれずに放置される可能性も高かったのです。SMSで送るメッセージの中にWebページへの誘導を組み込むことで、見てもらえる確率を上げることができ、顧客満足度の調査に生かすことができます。アンケートページだけではなく、キャンペーンの告知や新製品・新サービスのお知らせなどのページにもスムーズにつなげることができるため、プロモーションや販売促進のためのツールとしても適しています。

社員への連絡

企業の業務では社員同士のやり取りにさまざまなツールが利用されるようになっていますが、必ずしも全員が同じツールを使っているとは限らないでしょう。また、一般的に使われているメッセージアプリでも、使用していない者がいる場合もあります。社員全体に重要な通知を一斉に送る必要が生じた場合、電話連絡では時間がかかります。また、メールアドレスを登録していたとしても、もしアドレスが変更されていれば届きません。その点、従来型携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)か、スマートフォンかにかかわらず、携帯電話番号を所有している人ならば誰にでも使えるのがSMSです。SMS一斉送信を取り入れておけば、緊急連絡が必要な際にも即座に対応することができます。

SMS送信サービスの機能

SMS送信サービスの機能をあげると、以下のようなものがあります。

  • CSVファイルによる一斉送信
  • 予約送信
  • IVR連携による送信
  • 自社システムとのAPI連携による送信
  • 未到達時の自動再配信
  • 顧客との双方向SMS
  • 短縮URL・URLクリック集計

SMS送信サービスには、さまざまな便利機能があります。SMS送信の作業負担を軽減する一斉送信や予約送信機能、IVRや各種システムと連携による送信機能、Webコンテンツ閲覧率が測れるURLクリック集計などです。なかには、24時間365日の監視体制があり、障害が発生しても、すみやかに対応してもらえるサービスもあります。

SMS送信サービス導入の流れ

ここで、SMS送信サービスを導入する際の流れを簡単に説明します。

  1. サービス要件の絞り込み
  2. 適切なサービスの選定
  3. サービス利用前の準備
  4. テスト~本格運用

まずは、SMSの利用目的、使い方を考慮し、おおまかな機能や条件を絞り込みます。次に、どのサービスにするかの選定に移りますが、サービス事業者に自社のユースケースを伝えて提案してもらうとよいでしょう。

なお、SMS送信サービスの利用前に、準備が必要なことがあります。たとえば、一斉送信リストのファイルアップロードや、API連携における開発作業などです。また、いきなり一斉送信をせずに、少数のテスト送信を試み、問題がなければ本格運用に入ると安心です。

SMS送信サービス選ぶときのポイント

ここでは、SMS送信サービスを選ぶ際に見ておきたいポイントを説明します。

  • 送信の方式による到達率の違い
  • 機能や操作性
  • 送信性能

上記をしっかり押さえておくことで、より使いやすく、自社の目的に応じたサービスを適切に選びやすくなります。

送信の方式

SMSの送信方式として、「国内直収接続」「国際網接続」の2つの方式があり、もし国内の顧客を対象とするのであれば国内直収接続を選ぶのが望ましいです。

【2つのSMS送信方式の違い】

  • 国内直収接続:国内大手キャリアとの直接接続による送信方式
  • 国際網接続:海外の回線網を経由する送信方式

SMSの送信コストだけを見ると、国際網接続は安く抑えることもできます。しかし、SMSを確実に顧客に届けたいなら、国内の通信網から発信できる国内直収接続のほうが有利です。国際網接続の場合は、海外経由のSMSをブロックする設定をしている方もおり、届かない可能性もあります。

機能や操作性

SMS送信サービスの操作性や機能はサービスによって異なります。操作性は良いに越したことはありません。SMS送信の効率的な運用には、管理画面が直感的にわかりやすく、担当者がストレスなく扱えるかも大事な点です。

また、サービス導入検討の初期段階でおおまかな要件を決めますが、機能が豊富なサービスのほうが、その後のSMS活用の自由度が広がります。SMSの本格運用後に、さらに有効活用できる施策に取り組みたいとなった際に、改めてサービスを選定したり、乗り換えをしたりしなくてもすみ、迅速な展開がしやすくなります

送信性能

幅広い多くの顧客に確実に届けたいと考えるならば、SMSの送信性能を重視しましょう。基本的に、SMSの送信数が多くなれば多くなるほど、通信設備などに、負荷がかかるため、対応できる事業者も限られてきます。その場合、複数回に分けての送信など、別途対応策を考えなくてはならなくなるでしょう。さらに、多数のSMSの同時送信が迫られる場合(特定日時のキャンペーンやお知らせなど)は、より高い送信性能が求められます。

自社で想定されるSMSの送信数を推計し、無理なく利用できるか、サービス事業者と相談のうえ、適したサービスを選ぶことが大切です。

(関連記事:法人向けSMS送信サービスを選ぶ際の6つのポイント)

ビジネスで活かせる場面が多いSMS一斉送信を活用しよう!

スマートフォンの普及が進み、便利なメッセージアプリが登場しているにもかかわらず、変わらず使われているSMS。到達率や開封率が高い、使える相手が幅広いなど、そのメリットが見直されています。実際に企業からも注目が集まっており、上手に活用すればさまざまなシーンで役に立てることが可能です。特に相手が確実に目にしてくれるメッセージの送信方法を探しているのなら、SMSの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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