2024年10月、レターパックをはじめとする郵便料金が一斉に値上げされ、企業の発送コスト増加が大きな課題となっています。特にレターパックを業務で頻繁に利用する企業は、コストを抑えるための具体的な対策を講じなければなりません。
この記事では、レターパックの新料金や値上げの背景に加え、コストを抑えるための有効な対策まで詳しく解説します。発送業務のコスト削減を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- レターパックは2024年10月に値上げが行われ、レターパックプラスは520円から600円、レターパックライトは370円から430円に料金が改定された
- レターパックをはじめとする郵便サービスの値上げの背景には、郵便物数の減少や配送コストの増加による郵便事業の収益悪化がある
- レターパックの値上げによるコスト増への対策として、請求書などの紙帳票を電子化して郵送自体を減らすペーパーレス化が有効
目次
- レターパックは2024年10月に値上げされた
- レターパックの値上げでコストはどれくらい増える?
- レターパックだけじゃない?その他の郵便サービスも値上げに
- 値上げ以前に購入したレターパックは使える?
- なぜレターパックは値上げされたのか?
- レターパックの値上げへの対策は?代表的な2つの方法
- SMSを活用したペーパーレス化によるコスト削減の事例
- レターパックの値上げ対策にはSMSが有効

レターパックは2024年10月に値上げされた
レターパックは、2024年10月に郵便料金の改定に伴い値上げが実施されました。はじめに、レターパックのサービス概要と値上げ後の料金について詳しく見ていきましょう。
レターパックとは?
レターパックは、日本郵便が提供する全国一律料金の郵便サービスです。発送元・発送先を問わず、同じ料金で利用できる手軽さが特徴で、専用の封筒を郵便局やコンビニで購入し、荷物を入れて郵便ポストに投函するだけで発送できます。
レターパックには「レターパックプラス」と「レターパックライト」の2種類があり、プラスは対面での配達、ライトは郵便受けへの投函という違いがあります。レターパックは、ビジネスから個人利用まで幅広く活用されている便利なサービスです。
値上げ後のレターパックの料金
2024年10月に、レターパックを含む郵便料金の改定が行われました。新旧の料金は以下の通りです(2025年7月時点)。
種類 | 旧料金 | 2024年10月1日以降 |
---|---|---|
レターパックプラス | 520円 | 600円 |
レターパックライト | 370円 | 430円 |
値上げ幅はそれほど大きくないものの、発送件数が多い企業ではコスト増の影響が大きくなりやすい点に注意が必要です。
参考:郵便局「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わりました。」
レターパックの値上げでコストはどれくらい増える?

レターパックの値上げ幅は、レターパックプラスが80円、レターパックライトが60円です。では、実際にどの程度のコスト増になるのかを試算してみましょう。
月に100通、1,000通、10,000通を発送する場合のコスト増加額は以下の通りです。
【レターパックプラスの場合】
発送件数 | 値上げ前の料金 | 値上げ後の料金 | 増加額 |
---|---|---|---|
100通 | 52,000円 | 60,000円 | +8,000円 |
1000通 | 520,000円 | 600,000円 | +80,000円 |
10000通 | 5,200,000円 | 6,000,000円 | +800,000円 |
【レターパックライトの場合】
発送件数 | 値上げ前の料金 | 値上げ後の料金 | 増加額 |
---|---|---|---|
100通 | 37,000円 | 43,000円 | +6,000円 |
1000通 | 370,000円 | 430,000円 | +60,000円 |
10000通 | 3,700,000円 | 4,300,000円 | +600,000円 |
このように、発送件数が多い企業ほど料金の増加額が大きくなり、値上げの影響を受けやすくなります。
レターパックだけじゃない?その他の郵便サービスも値上げに
レターパックだけでなく、その他の郵便サービスでも値上げが行われています。例えば、定形郵便はこれまで25gまでが84円、50gまでが94円でしたが、2024年10月から重量区分が統合され、50gまで一律110円に変更されました。
また、通常はがきも63円から85円に値上げされており、さらに定形外郵便や速達、特定記録郵便など幅広いサービスで料金改定が実施されています。特に請求書や通知書を多く郵送している企業にとっては、郵送コストの負担増が懸念される状況です。
参考:郵便局「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わりました。」
値上げ以前に購入したレターパックは使える?
レターパックは専用封筒を使用するため、毎月大量に発送を行う企業ではまとめて購入しているケースも多いでしょう。そのため、値上げによって従来の封筒が引き続き利用できるのか、不安に感じる声も聞かれます。
ここでは、値上げ前に購入したレターパックの取り扱いについて解説します。
差額の切手を貼れば使用できる
値上げ前に購入したレターパックは、差額分の郵便切手を貼り付けることで新料金に対応でき、引き続き利用可能です。発送する際に、レターパックプラスなら80円、レターパックライトなら60円分の切手を、封筒左上の料金印字部分の下に貼り付けてください。
封筒には「この線より上は消印に使用しますので、何も書いたり貼ったりしないでください」と注意書きがありますが、差額分の切手を貼る場合は問題ありません。
手数料を払えば新しいレターパックに交換できる
郵便局の窓口で手数料を支払えば、新料金に対応したレターパックへ交換できます。手数料はレターパックプラス・ライト共通で、100枚未満は1枚あたり55円です。
さらに、これに加えて値上げ分(プラスは80円、ライトは60円)も必要となります。例えば、レターパックプラスを1枚交換する場合は、差額80円と手数料55円を合わせて135円が必要です。大量に交換する場合は手数料が変わるため、事前に枚数を確認しておきましょう。
なぜレターパックは値上げされたのか?

レターパックの値上げには、郵便事業を取り巻く環境の変化が大きく影響しています。郵便物数の減少や配送コストの増加といった要因が重なり、サービスの安定運営を維持するために料金改定が避けられない状況となりました。
ここでは、レターパックの値上げが実施された背景について、主な2つの理由を詳しく解説します。
参考:日本郵便株式会社「郵便料金の改定および新料額の普通切手の発行などについて」
参考:総務省「25g以下の定形郵便物等の上限料金の改定について」
郵便物数の減少
インターネットやSNSの普及、請求書類の電子化、さらに企業における通信費や販促費削減の取り組みが進んだことで、郵便物数は年々減少しています。平成13年度をピークに減少が続き、内国郵便は令和4年度までの21年間で45.0%も減少しました。
その結果、郵便事業の収入は大きく落ち込み、令和4年度の郵便事業の営業損益は211億円の赤字を計上しています。このような状況を受け、サービスを維持するため郵便全体で料金改定が実施されました。
配送コストの増加
郵便物数の減少に加え、配送コストの増加も郵便事業の収益悪化を招く大きな要因となっています。具体的には、人件費の上昇や燃料費の高騰、協力会社への適正な価格転嫁、その他の調達コストの増加などが重なり、営業費用全体が膨らんでいる状況です。
このような費用増加の影響により、従来の料金体系では安定したサービス提供を維持することが困難になりました。その結果、郵便サービス全体を持続的に運営するためには、レターパックを含む各種サービス料金の値上げが避けられない状況となったのです。
レターパックの値上げへの対策は?代表的な2つの方法
郵便事業を継続するために料金改定は避けられない状況ですが、企業としては値上げによるコスト増を放置するわけにはいきません。発送コストの増加は企業の利益を圧迫するため、適切な対策が必要です。
ここでは、レターパック値上げに対応するための代表的な2つの方法を紹介します。
他の配送サービスへの移行
レターパック以外にも、サイズや重量、配達スピードに応じて利用できる配送サービスは数多くあります。発送物の特性に合わせてサービスを使い分ければ、無駄なコストの削減が可能です。特に定期的な発送が多い企業では、発送物ごとに最適なサービスを見極めて選択することで、コストの最適化につながります。
ペーパーレス化の推進
請求書や通知書といった紙の書類の発送にレターパックを利用している場合は、それらを電子化し、郵送自体を減らす方法が効果的です。こうした紙の使用を減らす取り組みを「ペーパーレス化」といい、印刷や郵送にかかるコストを抑える有効な手段として注目されています。
ペーパーレス化を進めるおすすめの方法のひとつが、SMSの活用です。SMSは携帯電話番号宛てにメッセージを送信するため到達率が高く、メールアドレスのように頻繁な変更や送信エラーのリスクが少ないという特徴があります。さらに、受信時にはプッシュ通知が表示され、受信数も少ないため他のメッセージに埋もれにくい点もメリットです。
このように、SMSを活用したペーパーレス化は、確実な情報伝達を実現しつつ郵送コストを削減できる手段として、多くの企業で採用されています。
SMSを活用したペーパーレス化によるコスト削減の事例
郵送コストの削減や業務効率化を目指す企業にとって、SMSの活用は有効な手段のひとつです。ここでは、SMSを活用してペーパーレス化を実現し、コスト削減に成功した企業事例を紹介するので、参考にしてください。
サントリーウエルネス株式会社
健康食品や化粧品のダイレクトマーケティングを手掛けるサントリーウエルネス株式会社様では、利便性やサービス品質を高めるため、顧客とのデジタル接点の拡大を検討していました。また、郵便料金の値上げを見据え、はがきに代わる新たな連絡手段を探していたといいます。
同社は到達率の高さに注目し、SMSの活用を決定しました。効率的な送信を実現するためにSMS送信サービスを導入し、現在は電話応対の満足度調査をSMSで実施しています。
以前ははがきの郵送に時間がかかるうえ、1件あたり85円のコストが発生していましたが、SMSに切り替えたことでリードタイムを解消し、コストの大幅削減にも成功しました。さらに、回答数は従来の約5倍に増加し、品質向上や業務改善に役立つ有益なデータを得られるようになっています。
株式会社東洋コンツェルン
アミューズメント事業や飲食店事業など、地域に密着した事業を展開する株式会社東洋コンツェルン様では、スポーツクラブ「ソラーレ東洋」で年に4回、退会者に向けて再入会を促す「カムバックキャンペーン」を実施しています。
これまではキャンペーン案内をはがきで送付しており、1回あたり300~400枚を発送していましたが、再入会者は少ないときで数名程度にとどまり、費用に対して十分な効果が得られない点が課題となっていました。
そこで同社は、SMSによる案内を導入しました。会員のメールアドレスは取得していなかったものの、電話番号は把握していたため、SMSを採用しています。SMSを利用することで、はがきに比べて費用を半分以下に抑えながら、手軽に退会者へアプローチできるようになりました。
さらに、既存会員への利用促進やイベント案内など、情報発信の幅が広がり、会員との接点強化にもつながっています。
レターパックの値上げ対策にはSMSが有効

レターパックの値上げや郵便料金全体の引き上げにより、発送コストの増加は企業にとって見過ごせない課題となっています。これに対応するには、請求書や通知書などのペーパーレス化を進め、郵送自体を減らす取り組みが有効です。
なかでも、到達率が高く確実に情報を届けられるSMSは、コスト削減と業務効率化の両立に役立つ手段です。レターパックの代替方法を検討している企業担当者の方は、SMSの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
NTTコム オンラインが提供する「空電プッシュ」は、SMSを一斉・個別に送信できる法人向けサービスです。国内最大規模の送信性能を備え、大量のメッセージも遅延なく送信できます。導入前後は専任担当者が課題を丁寧にヒアリングし、最適な活用方法のご提案が可能なため、ぜひお気軽にお問い合わせください。