ネットでの通販市場が拡大などにより、SMSに届く迷惑メールが増えています。1人1台スマホを持つ現代、独立行政法人国民生活センターからの注意喚起も出るほど、偽SMSは身近な問題となっています。SMSの迷惑メールは不快な思いをするだけでなく、個人情報の流出や不正請求といった被害につながる可能性があるため、有効な対策を行う必要があります。

本記事では、SMSを使った迷惑メールが届く理由やよくある文章例、キャリア別の受信拒否設定方法などを紹介します。企業がSMSを利用する上で、ユーザーに迷惑メールと間違われないための対策についても解説しますので、安全なSMSの利用のためにぜひお役立てください。

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SMSに迷惑メールが来る場合に考えられる理由

「なぜSMSで迷惑メールが届くのかわからない」という場合もあるでしょう。ここでは、迷惑メールがSMSで送られてくる代表的な3つの理由を紹介します。

迷惑メール業者に携帯電話番号が流出した

迷惑メールを送信している業者に、自分の携帯電話番号が流出した可能性があります。SMS登録している企業やサービスなどから、迷惑メール業者に漏れてしまったケースです。

迷惑メール業者のサービスとは知らずに、自ら電話番号を登録してしまった場合もありますが、リスト販売業者が何らかの経緯で電話番号を手に入れて、リストを購入した業者がSMS送信している場合もあります。

また、機種変更などのタイミングで電話番号を変更したとしても、番号の使いまわしによって、以前電話番号を所有していたユーザーが登録したサービスから流出する可能性もゼロではありません。

電話番号収集目的のサービスを利用した

携帯電話番号の収集を目的としたサービスを利用してしまった可能性も考えられます。無料などと打ち出し、会員登録や資料請求で電話番号を求められるのが典型的なパターンです。

有名企業の名前を使ってリスト取得を試みる詐欺によって、気づかないうちに電話番号を入力してしまう場合もあります。気軽さやお得さにつられて申し込んだために、電話番号情報が漏れて迷惑SMSが届くようになってしまう可能性もあるのです。

安易に情報を入力しないよう留意するとともに、サイトドメインが公表されているか、正しい企業名やブランド名を扱っているか、といった点を確認する必要があります。

ランダムな番号への送付で送られてきた

ランダムな番号への送付で、自分の番号に届いたというケースもあります。SMSは、携帯電話番号宛に送信できるため、適当な数字の羅列でも、番号が存在すれば到達します。

そのため、無作為に数字を並べて一斉送信し、迷惑メールや営業メールをSMSで届けようとする悪質な業者により、たまたま自分の番号が当たってしまうこともあり得ます。

受信拒否設定や管理を徹底しているにもかかわらず、SMSの迷惑メールが届いた場合、偶然当たってしまった可能性が高いでしょう。

関連記事:SMSを利用した詐欺に注意!代表的な手口と対策方法

SMSの迷惑メールの代表例

ここで、SMSの迷惑メールの代表例を紹介します。SMSで送られてくる迷惑メールには、ある程度パターンがあるので、よくある迷惑メールの内容を知っておくことは対策としても有効です。

宅配便の不在通知

宅配便の不在通知と扮して、再配達の日程を確認する連絡は、SMSの迷惑メールの典型例です。多くは宅配業者の名前を使って、不在通知という体でSMSを送り、記載のURLから再配達を申し込むか、電話番号に連絡するように記載されています。

宛先の詳細が書かれていないなど、多少不審なところはあっても、それほど疑うことなくURLをクリックして情報を入力する、あるいは電話をかけてしまうケースがよく見られます。

「ご不在のためお客さま宛のお荷物を持ち帰りました。再配達のご依頼はこちら」など、本物の宅配業者とほぼ同じ文章を使っていることもあり、一見しただけでは区別がつかない点も被害を増加させている原因です。

ネットサービスの情報変更の依頼

ネットサービスのアカウント情報変更の依頼という内容のSMSメッセージも、迷惑メールの事例として多く見られます。不正ログインが検出されたため、パスワードを変更するように促すSMSが一般的です。

記載されているパスワード変更用のURLが、実はフィッシング詐欺のリンクであり、アクセスして新しいパスワードやログイン情報を入力することで不正利用される可能性があります。

「セキュリティ強化のため、定期的なパスワード変更をお願いしています。パスワードの変更がこちらから」といった文面で、URL付きのSMSが届いた場合には注意が必要です。

懸賞金の当選連絡

懸賞金の当選連絡という迷惑メールもあります。「おめでとうございます!100万円が当選しました!」などといった内容で、懸賞金の受け取りのために指定のURLにすぐにアクセスするよう促すものです。

短いテキストのやり取りに特化しているSMSの場合、詳細説明の文章が書かれていなくても疑わない人も多いため、安易にリンクをクリックしてしまい、フィッシング詐欺にあうパターンがよく見られます。

架空請求

架空請求の迷惑メールは、SMSだけでなくEメールでも多いパターンです。動画や音楽の有料サブスクリプションサービスの支払い請求と題して、「料金を滞納しているため早く支払うように」といった文章に加えて、「支払いがない場合は法的措置を取る」などと不安を煽る文言を載せているものも少なくありません。

裁判や法的措置といった言葉を見て、メッセージに書かれている連絡先にうっかり連絡してしまい、不正請求を支払ってしまう、あるいは個人情報を漏らしてしまう、といった可能性が考えられます。

SMSの迷惑メールによる被害例

SMSの迷惑メールによって考えられる具体的な被害について紹介します。SMSの迷惑メールが来ること自体に支障を感じていなくても、メールを開く、あるいはリンクをクリックすることによって不正請求や個人情報の悪用といったリスクが出てきます。

SMSの迷惑メールを受け取ることで、起こりうる問題について確認しておきましょう。

個人情報の流出

SMSの迷惑メールに対してアクションを起こすことで、個人情報が流出する可能性があります。SMSに記載されているURLのリンク先がフィッシングサイトになっていて、気づかずにアクセスし、氏名や住所、クレジットカード番号などの情報を入力してしまうと、情報が流出し、個人情報の漏えいや悪用による詐欺などの被害に遭う可能性があります。

迷惑メールに反応してしまった時点で、少なからず携帯電話番号が有効であると認識されてしまい、狙われるリスクも高まってしまうでしょう。

金銭の搾取

SMSの迷惑メールによって、金銭を搾取される被害も発生しています。懸賞の当選連絡を装い登録金を請求してくる、あるいは架空請求として指定口座へ料金を振り込むよう促す、といったケースが一般的です。

また、SMSに記載されているリンク先にクレジットカード番号を入力することで、不正利用をされる可能性もあります。ギフトカードの購入やサービスの初期費用などと謳い、ネット決済を要求するものには特に注意しましょう。

迷惑メールの増加

一度SMSの迷惑メールに反応してしまうと、迷惑メールがさらに増える可能性が高まります。SMSに対するアクションがあると、有効な電話番号であることが送信側に認識されてしまいます。

結果、迷惑メールを送信しているグループ間で電話番号が共有され、迷惑メールが届く頻度が上がる可能性があります。リンク先の入力作業を途中で中断し、直接的な被害がなかったとしても、記載のURLにアクセスしたなどの明確なアクションがあるとターゲットとして着目されやすいため、注意が必要です。

SMSに迷惑メールが届いたときのNG行動

SMSの迷惑メールが届いた際には、被害を回避することが最も重要です。SMSの迷惑メールは、すぐに行動しなければならないと思わせるために、不安を煽るような文面になっています。

届いたSMSを読むだけではトラブルに発展する可能性は低いですが、URLをクリックし情報を入力する、メッセージに返信するなどアクションを起こしてしまうと、情報漏えいや不正請求のリスクが高まります。

相手の手口に乗せられることのないよう、URLはクリックしないことが大切です。間違ってアクセスしても、クレジットカード番号や住所、パスワードなどを入力しないよう徹底する必要があります。

SMSの迷惑メールへの対処法

ここからは、SMSの迷惑メールへの効果的な対処法を紹介します。迷惑メールが届いてしまった場合には、やってはいけないNG行動を避け、しかるべき対処を行う必要があります。

無視するか読まずに削除する

SMSの迷惑メールに最も効果的な対策は「反応しないこと」です。迷惑メールか疑わしいSMSが届いても、あてにせず無視してメッセージごと削除してしまえば被害を避けられます。不審な連絡先からのSMSだと認識できれば、読む前に削除しても問題ありません。

多くの迷惑メールでは、中身を読むだけなら被害になる可能性は低いため、何らかのアクションを要求するよう記載があっても無視することが適切な対処法です。

迷惑メール対策設定を行う

頻繁にSMSの迷惑メールが届く場合は、受信拒否設定を行いましょう。同じ送信元から何度も迷惑メールが送られてくる場合、その番号を拒否するだけで対処できます。SMSをまったく使用しないという場合は、SMSの一括受信拒否という設定も可能です。

また、海外の番号や非通知のSMSだけ拒否するなどの細かな設定や、なりすましや迷惑メールのフィルタの強弱など、利用状況に応じて調節できる場合もあります。キャリアや端末ごとの設定方法については、後ほど詳しく解説します。

警察に相談する

SMSの受信設定を行ってもなお、迷惑メールがしつこく届く場合は、警察に相談することも1つの選択肢として挙げられます。ランダムに送られてきたSMSを受信した場合は1通だけで終わりますが、電話番号の流出などの場合、繰り返し送られてくることもあります。

警察総合相談電話サービス「#9110」へ連絡し、相談してみましょう。警察総合相談電話サービスは、犯罪被害の未然防止などを目的とした全国共通の相談窓口で、生活に関する幅広い不安や悩みを相談できます。警察側でも、SMS詐欺による被害防止に取り組んでおり、SMSの詳細や送信元の情報を伝えることで、犯罪防止にも貢献できます。

キャリア別のSMSの迷惑メールの設定方法

ここからは、3大キャリアの受信拒否設定について解説します。SMSの迷惑メールを受け取らないよう設定することで、被害に遭う確率を下げられます。キャリアごとに具体的な設定方法を紹介しますので、ご自身の携帯電話でお試しください。

ドコモ

ドコモでは、個別番号の受信または拒否、非通知SMS拒否、国際SMS拒否など、SMSの一括拒否以外にも細かな設定が利用できます。ドコモの受信拒否設定は、「My docomo」から以下の手順で行います。

  1. dメニュー「My docomo」にアクセスする
  2. 「設定」の「SMS拒否設定」を選ぶ
  3. 「ネットワーク暗証番号を入力」の欄に番号を入力し「認証する」を選択する
  4. 「拒否・受信条件」メニューで「SMSを拒否する条件を指定」を選択する
  5. 希望する条件を選び、設定内容を確認して「設定を確定する」を選択して完了

非通知や海外事業者からのSMSや、指定番号からのSMSなどの拒否設定が可能です。

ソフトバンク

ソフトバンクでは、迷惑SMSやなりすましSMSの受信フィルターを設定するだけでなく、受信強弱の段階も調節することが可能です。受信設定自体は「My SoftBank」にログインして行います。

  1. 「My SoftBank」内「詳細設定」の「迷惑メール対策」のタブで「SMS」を選択する
  2. 「電話番号メールの拒否・許可の設定」の「変更する」を選択する
  3. 「電話番号メール拒否・許可」メニューが表示されたら、「リストを追加する」を選び「次へ」を選択する
  4. 「リストを追加する」を選び、迷惑メールの送信元の電話番号を入力して「次へ」を選択する
  5. 入力内容の確認画面で「追加する」を選んで設定完了

以上で、指定番号からのSMS受信拒否設定が完了します。「拒否・許可リストをみる」にて入力した電話番号がリストに追加されていれば設定されています。

au

auでは、auスマートパス会員もしくはauスマートパスプレミアム会員になると「迷惑メッセージ・電話ブロック」アプリによるSMSの受信拒否設定が可能です。サービスを導入することで、迷惑SMSや迷惑電話をアプリは自動認識し、警告してくれます。

「迷惑メッセージ・電話ブロック」アプリの利用には初期設定が必要で、AndroidとiPhoneそれぞれの端末で手順が若干異なります。Androidでは自動で初期設定が完了しますが、iPhoneでは「設定」アプリで「迷惑メッセージ・電話ブロック」の設定をONにする必要があります。

Android端末での設定手順

  1. 「迷惑メッセージ・電話ブロック」アプリを起動する
  2. 利用規約を確認したら「同意して始める」を選択する
  3. 機能説明画面を「次へ」で進め、「はじめる」を選択する
  4. アプリのトップ画面に「迷惑電話を正しく検知できています」と表示されれば設定完了

iPhone版端末での設定手順

  1. 「迷惑メッセージ・電話ブロック」アプリを起動する
  2. プッシュ通知許可による利用推奨画面が表示されたら「次へ」を選択する
  3. 利用規約が表示されたら「同意して次へ」を選択し、説明画面の最後まで進む
  4. 「設定が必要です」と表示されたら「OK」を選択してホーム画面へ戻る
  5. 「設定」アプリを起動し、「電話」の「着信拒否設定と着信ID」を選択する

iPhoneの「設定」アプリで受信拒否設定を行う方法については、次の章で詳しく説明します。

端末別のSMSの迷惑メール設定方法

続いて、端末別のSMS受信設定について解説します。スマホがiPhoneかAndroidかによって、SMSの迷惑メール設定のやり方が多少異なるので、該当する端末の設定方法を確認しましょう。

iPhone

iPhoneの迷惑メール対策は、「設定」アプリにて以下の手順で行います。

  1. 「設定」アプリを起動する
  2. 「メッセージ」の「不明な差出人をフィルタ」をONにして完了

特定の相手または電話番号からのSMSを受信拒否したい場合は、以下の設定を行いましょう。

  1. 「メッセージ」アプリで設定したい相手との会話を開く
  2. 名前または電話番号を選択する
  3. 情報ボタンをタップして「この発信者を着信拒否」を選んで設定完了

※iOSのバージョンなどにより、表示メッセージが異なる場合があります。

Android

AndroidでのSMSの迷惑メール設定には、「メッセージ」アプリを使います。アプリは標準搭載されていないため、Google Playストアからインストールしましょう。

特定の相手または電話番号の受信拒否設定は、以下の手順で行います。

  1. 「メッセージ」アプリを起動し、着信を拒否したい相手の連絡先を選択する
  2. 三点メニューを開き、「詳細」の「ブロックしてスパムとして報告」を選択する
  3. 「スパムとして報告」にチェックが入っていることを確認して「OK」を選んで完了

複数の連絡先に対してSMSの受信拒否を設定する場合は、上記手順を繰り返します。

【企業・自治体向け】迷惑メールに間違われないためには国内直収接続の利用がおすすめ

企業や自治体が本人確認などの目的でSMSを利用する際には、ユーザーに迷惑メールと間違われないように注意する必要があります。一斉送信などの機能があるSMS送信サービスを利用する際には、「国内直収接続」のサービスを選ぶことが重要です。

SMSの送信方法には「国内直収接続」と「国際網接続」の2種類があります。国際網接続の場合、送信元名を変更可能な場合もあり、発信者の身元を隠しやすく、第三者へのなりすましを可能にしている可能性があります。

一方、国内直収接続のサービスを利用する場合、SMS送信を希望する企業に対して審査を行い、個別の電話番号を付与することが一般的であるため、送信元の信頼性を担保することが可能です。表示される送信元番号を企業のホームページなどに記載し、消費者に安全な送信元であることを訴求することで信用力が高まるため、SMSの開封率アップにもつながります。

関連記事:【SMS活用編】第3回 SMS送信サービスは、国内の直収接続を利用するのが安心

スミッシングなどの詐欺だとユーザーに誤解されないためにも、SMSをビジネスに利用する際は国内直収接続のSMS送信サービスを導入しましょう。

SMSの迷惑メールに間違われない対策が重要

SMSの迷惑メールによる被害が増加している現在、受信側の拒否設定やセキュリティアプリのインストールといった対策の必要性が高まっています。SMSを利用している企業側としては、国内直収接続によるSMS送信サービスを利用するなどの対策を講じることで、ユーザーとの信頼関係の構築につながります。

関連記事:フィッシング詐欺被害を防ぐ対策方法とは?消費者向け/企業向けに詳しく解説!

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