SMSは携帯電話番号を使用したメッセージのコンタクトツールです。スマートフォンの普及などもあり、SMSを活用しているユーザー・顧客も増えてきています。企業も顧客とのコンタクト手段としてSMSの活用に積極的になってきています。

企業がSMSを活用しようとした場合、SMS送信サービスの導入が不可欠となります。というのも、SMS送信サービスを導入しなかった場合、個人で利用するときと同じく、携帯端末から送信するしかないため、手間と時間が非常にかかるからです。

さらにSMSは1携帯端末あたり、1日200通までという上限もかけられているますので、多くのユーザーに届けるためには時間か、数多くの携帯端末が必要となります。

つまり携帯端末から送信するのは現実的ではなく、SMS送信サービスを利用するのが適していると言えるでしょう。

SMSの配信方法は大きく「国内直収接続」と「国際網接続」の2通り

SMS送信サービスと一口に言っても、大きく「国内直収接続」と「国際網接続」の2種類の配信方法があります。SMS送信サービスを提供している会社によって異なりますので、導入する前に確実に確認しておくことをおすすめします。

SMSの配信方法「国内直収接続」

「直収」という言葉からも想像できるかと思いますが、NTTドコモやau、ソフトバンクの国内携帯キャリアと直接接続を行い、メッセージを送信する方法となります。

SMSの配信方法「国際網接続」

「国際網接続」は海外の回線網を経由して日本の携帯電話にメッセージを送信する方法です。

SMSの配信方法、安心なのは「国内直収接続」

SMS送信サービスを提供している会社によって、「国内直収接続のみ」、「国際網接続のみ」、「一部国内直収接続」のように幾つかのパターンがありますので、導入前にはチェックすることをお勧めします。

メッセージを届けたい対象が国内ユーザーの場合は「国内直収接続」が適しています。「国際網接続」の場合、ユーザー・顧客側で受信拒否設定を行っている可能性もあり、SMS送信サービスの強みの一つであるコンタクト率・到達率が期待ほど望めなくなる可能性が高いためです。

近年は後述するSMSを利用した架空請求が多発したことで、「国際網接続」を受信拒否設定したユーザーも増えたと考えられます。

実在の企業を装った架空請求が多発

※画像は実際に著者に送信されてきた架空請求

SMSはPCメールや携帯メールほどスパムメールは多くありません。しかし、最近話題となったのが「DMM.com」や「ヤフー」などの実在の企業を装った架空請求のメッセージです。

図は著者宛に実際に送信されてきた内容で、宛先は「DMM」と表示され、本文には以下のように書かれていました。
※空電プッシュは、送信元が電話番号表示になります。

「有料動画閲覧履歴があり未納料金が発生しております。本日連絡なき場合、法的手続きに移行します。DMM相談窓口 03-4531-5768」

「DMM.com」は動画配信のほかに、電子書籍やレンタルサービスなど幅広く展開しており、著者も利用した経験があったので、送信されてきた瞬間は、本物のように感じました。

また、さらに検索してみたところ、「DMM.com」だけでなく「ヤフー」を装った類似の事案も多く発生していることが分かりました。

10万円以上の請求が!

DMM.comをかたるSMSの架空請求詐欺、架空の未払料金を請求、法的措置をちらつかせる

上記「INTERNET Watch」の記事には、実際に連絡してしまったケースが掲載されています。記事によると、支払いについて質問や拒否する旨を伝えると「法的手続きをする」と、まるで脅しのような回答がされるとあります。また、「裁判にはより多くのお金がかかる」とも伝えられ、請求金額を支払った方が安いと思い込ませようとしてくるようです。また、東京都の発表によると平均16.9万円が架空請求されているとありました。

国際網接続の場合、海外のサーバーを経由して配信されますので、ユーザーは、配信元の特定をしていくのが難しい場合があります。一方で、国内直収接続の場合は、NTTドコモやau、ソフトバンクの国内携帯キャリアと直接接続を行いメッセージの送受信を実施するため、ユーザーから見ると配信元が特定できますし、企業から見ると、高いコンタクト率・到達率で送信することが可能となります。

SMSの活用は企業にとってプラスに

今回はSMSの配信方法について紹介してきました。SMSはスマートフォンにデフォルトでインストールされているメッセージ機能・アプリで、利用しているユーザーも増えています。企業としても、アプリの認証をはじめ顧客とのコミュニケーション方法として、業界を問わず注目されています。

上記のような背景から、国内携帯キャリアと直接接続している「国内直収接続」タイプのSMS配信サービスを導入している企業が多いです。まだ、SMSを利用したことがないという企業担当者の方は、空電プッシュの接続方法でもある「国内直収接続」タイプのSMS配信サービスを中心に検討されるのが良いかと思います。