先の見えないコロナ禍でスピーディな運用開始が助けに。最大約1万7000人の自宅療養者を抱えるも、空電プッシュが“必要なときに必要な情報”の伝達を実現

課題
  • 療養者への健康観察をすべて架電で行っていたため、効率化して行う必要があった
  • SNSでの健康観察を検討するも、登録のための最初の連絡方法を考える必要があった
  • 災害時の陽性者の避難方法などをホームページ等に載せていたが、見てもらえているか分からない状態だった
成果
  • 空電プッシュでSNS登録のための情報を送ることにより、ピーク時もスムーズな対応ができた
  • 避難場所の指示や、支援物資の配達遅延情報などを、必要なタイミングで対象者に知らせることができた

九州の北西部に位置し、北は玄界灘、南は有明海に面して自然に恵まれる佐賀県。穏やかな気候の中、10市10町に約81万人が暮らす同県では、自治体の中でもいち早く新型コロナウイルス陽性者へのコンタクトを目的に「空電プッシュ for LGWAN」が導入されました。新システムの導入における同県独自の規定がある中で採用されたポイントやその経緯、幅広い活用方法などについて、医務課に所属する鶴田氏に伺いました。

SNSでの健康観察による効率化を検討する中、「最初の連絡」方法が課題に

まずは佐賀県庁で鶴田様が所属する部署の業務内容と役割について教えてください。

鶴田氏:本来の所属は空港課ですが、医務課で“プロジェクトM”という新型コロナウイルス感染症の医療支援全般を担う業務も兼務し、現在はこちらの仕事をメインで担当しています。プロジェクトMの具体的な業務内容は、入院調整等の県内医療機関との連携や支援、ホテル等の宿泊療養施設の設置・運営、陽性者の移送体制確保等を担い、約20名の職員で業務を行っています。

2021年の8月からは、自宅療養も開始しました。私自身はその自宅療養支援の業務を担当し、パルスオキシメーターの手配や食糧など生活支援物資の調達・提供、保健所ほか各関係部署との調整、委託事業者や自宅療養者への対応等を行っています。現在では、自宅療養支援業務を担当する職員は私を含め2人で、自宅療養支援の実務を行う自宅療養支援センターを設置し、その運営を事業者へ委託している状況です。まず、保健所が医療機関等から陽性となった方の報告を受け、ご本人に連絡を取り、症状等に応じて自宅療養かホテル療養か入院かを振り分けます。その後、自宅療養となった方の健康観察を行うのが、自宅療養支援センターの看護師といった形で役割分担をしています。

空電プッシュ導入のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

鶴田氏:第5波到来時は、健康観察を看護師等がすべて架電で行う体制であったことから、最大で600人程の療養者に毎日架電による聞き取りを行っていました。症状の有無、体温からトイレの頻度、水分の摂取状況など、基本的な質問項目をお答えいただく。当時は、そうした健康観察を毎日行っており、更なる急激な感染拡大に対しての対応が課題としてありました。そこでLINEによる健康観察の導入を検討したところですが、LINEへ誘導するため療養者へのファーストタッチとして、SMSを活用することとしました。

最初にSMSで、LINEでの健康観察に必要な情報やURL、登録IDや自宅療養していただくにあたっての注意事項等をお送りし、陽性者の方ご自身がアクセスし登録いただくという運用を考えたのです。同時に、LINEを使われていない方や、デバイスの操作が困難な方、電話をご希望の方には、これまで通り架電で行えるよう検討しました。

LGWANで利用でき、県の規定条件をクリア。先の見えないコロナ禍では、スピーディに導入できることも大きな利点

導入へ至る上で、一番のポイントとなった点を教えてください。

鶴田氏:ポイントの一つはLGWANで利用できるところです。ほかにも情報セキュリティに関する点や予算などを、総合的に判断しました。佐賀県庁では新たに情報系のツールやシステムを導入する場合、必ず情報担当部署の審査を受ける必要があります。予算や、セキュリティ対策に関して県で定められた条件があり、空電プッシュはそれらをすべてクリアしたため、採用が決まりました。特にセキュリティ面は個人情報保護の関係もあり、非常に重視したところです。

また、感染状況が読めない中で、スピーディに導入できるかも大きなポイントでした。こうしたサービスの構築には通常とても時間がかかる印象がありますが、空電プッシュは開設すればすぐに利用可能でした。12月に導入して、運用の開始が年明けとあって、スピード感と定められた条件を満たしているという2点が決め手になりました。

療養者への最初の連絡以外にも幅広く活用!大雨や台風などの災害時、
必要な人へ必要な情報を届けるために一番有力なツール

現在の空電プッシュの具体的な活用方法について教えてください。

鶴田氏:現在は、自宅療養支援センターの委託事業者を含め約10人名程度が空電プッシュで作業しています。LINEで健康観察を行う場合は、回答の際に療養者に個別の登録IDを入力しご登録いただきます。そこでまず空電プッシュで登録IDとLINEの新規登録案内のURLをお送りします。また県HPの自宅療養に関する情報ページへのリンクを貼る等、情報発信にも空電プッシュを活用しています。

自宅療養に関わるSMS送信作業は委託事業者が3名で担当しており、今も基本的に毎日SMSを送っています。新規感染者用、数日経った方用、一定の段階に来た方用といった形であらかじめテンプレートを作成しており、国の方針に応じて、それぞれリストアップした対象の方に送付する運用をしてきました。

また、大雨や台風の予報が出たときに、クラスターを避けるための陽性者専用避難所の案内をSMSでお送りしました。そういった情報は県のHPにも載せているのですが、SMSを活用することで対象者の方に対して確実に情報をお届けすることができると考えています。実際に必要なタイミングで再度情報提供し、自宅療養中であっても命を守る行動を促すことできる情報発信手段の確保は非常に重要です。

具体的には、2022年9月に大型の台風14号の際、台風が通り過ぎるまで療養者への生活支援物資の配送が難しいと配達業者から連絡があり、対象となる方々に対して、天候が荒れる前に親族やご友人から物資を届けてもらえるよう依頼していただきたい旨の注意喚起を行いました。そうした臨機応変な情報を伝達するにあたり、空電プッシュは一番有力なツールであったと認識しています。

1日がかりで終わらなかった初期連絡が数分で完了。
送信状況の記録が残ることで問い合わせ時の多角的な対応が可能に

空電プッシュを導入したことでの効果やメリットについて教えてください

鶴田氏:まとまった件数を一斉送信する場合、送信自体は約1,2分で完了します。同じことを電話でお伝えしようとすると1日かかっても終わらない可能性があります。業務負荷の軽減においては、本当に助かっています。

情報伝達の方法としても、現時点では、LINEはすべての方が登録をされるものではないため、全療養者にアプローチができるのはSMSのみです。特に陽性者の全数把握が見直されてからは、LINEは希望される方だけの登録になっており、必ずお知らせしなくてはならない情報の伝達においては、SMSが非常に有効です。

また、お送りしたうちの何件が届き、誰に届いていないのか、その理由までを管理画面で確認できるところも非常に役に立っています。時折SMSが届いてないというお問い合わせもありますが、療養者の方のショートメールの設定がオフになっていたり、送信先の番号が異なっていたりなどの原因の追究にも一役買っていました。

こちらが送った方から「届いてない」と問い合わせがあっても、原因がすぐに調べられ、その結果をお伝えできればご納得いただけますし、次の対応についてもご案内できる。病院から届出があった番号が違ったこと等に伴ってお送りできていなかったケースを含め、きちんと履歴が記録に残り、問い合わせに対して多角的なご案内とご納得いただける説明ができることは重要です。

加えて、国や県の方針によって、運用が変わった時にも、都度SMSによる案内を行いました。療養者の方は口々に「まさか自分がコロナになるとは思わなかった」と話されます。
自分がいつまで療養しないといけないのか?いつまで学校や仕事を休まないといけないのか?等の問い合わせが自宅療養支援センターや保健所に殺到しました。各相談窓口の番号をSMSで案内し、少しでも電話がつながりにくい状態やたらい回しにならないよう工夫しました。

今後の空電プッシュを活用され方や、追加されると良いと思われる機能などがあれば教えてください。

鶴田氏:現在は情報をすべてテキストでご案内をしていますが、例えばQRコードや画像を添付して送信できるとより幅が広がると考えています。外国の方にとっては視覚的にお伝えができた方が、テキストや口頭よりも分かりやすいですよね。今後、また訪日外国人が増えていくにあたり、SMSも多言語化することで少しでも安心して療養をしていただけるような工夫ができたらありがたいです。電話番号だけでは外国人かどうかは判断できないので、例えばSNSなどで使われる自動翻訳など既存のツールを合わせて活用できたら、グローバルな対応もしやすくなるのではないかと考えております。

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