SMSとSNSは、名称が似ていますが、まったく異なるサービスです。1人1台スマホを持っている現代において、両者を事業に有効活用するためにはそれぞれのメリットや仕組みを正しく理解し、適切に使い分けることが大切です。
本記事では、SMSとSNSの違いをわかりやすく解説するとともに、特徴や主な機能を活かした企業における効果的な使い方について紹介します。自社のビジネスやターゲット層に合わせてSMSとSNSを有効活用し、事業発展や利益の向上に役立てましょう。
- SMSとSNSには文字数の制限や送信に使う情報、料金体系などさまざまな違いがあり、特徴を正しく理解した上で活用することが重要
- SMSは携帯電話番号宛に短いテキストをやり取りできる機能で、到達率や開封率が高いため本人確認や支払い催促などに使われている
- SNSはユーザー登録した人が本人の嗜好やライフスタイルに合わせて使えるサービスで、画像・動画の投稿や交流なども可能
- 企業におけるSMSの活用方法には、二段階認証や予約確認、販売促進など本人に直接届けるべき情報や緊急性の高い連絡などに向いている
- SNSは、企業のブランディングや商品・サービスの認知度向上を目的とし、ターゲット層に合わせた情報発信やコミュニケーションに有用
目次

SMSとSNSの違いとは?

SMSとSNSはいずれもコミュニケーションを取るためのツールですが、目的や特徴は大きく異なります。ここでは、それぞれの概要と具体的な違いについて詳しく見ていきます。
SMSとは
SMS(Short Message Service)は、携帯電話番号を使ってテキストメッセージを送受信できるサービスです。ガラケーなど携帯電話の種類によらず標準搭載されているため、インストールや初期設定などの操作不要ですぐに使い始めることができます。
昨今はMNP(携帯電話番号ポータビリティ)の浸透により、機種変更後も同じ電話番号を引き継ぐ人が多く、SMSの到達率は90%と高い確率を打ち出しています。また、受信時にホーム画面に通知が入るようデフォルトで設定されており、中身を確認してもらいやすい傾向にあります。
SMSは1対1の短文テキストによるコミュニケーションが基本で、添付ファイルや画像、動画の送受信には対応していません。本人認証や業務連絡、督促といった用途で活用されています。
SNSとは
SNS(Social Networking Service)とは、オープンな場でユーザー同士が情報共有や交流をするためのコミュニティ型オンラインサービスです。プラットフォームごとに使える機能は異なりますが、主にインターネットを通じたチャットや通話などのやり取り、写真や動画などの共有ができます。
さまざまなSNSが登場しており、代表的なものには以下があります。
- X(旧Twitter)
- LINE
- TikTok
SNSを利用するためには、アプリのインストールやユーザー登録が必要です。また、SMSのような1対1のやり取りではなく、オープンなコミュニケーションが可能で、投稿に対して多くのリアクションが得られれば情報が拡散されていきます。
SMSとSNSの主な違い
ここでは、SMSとSNSの具体的な違いについて解説します。
送信に必要な情報
SMSは、携帯電話番号宛にメッセージをやり取りする一方で、SNSではメッセージの送受信にはユーザー登録が必須です。SMSは、メッセージを送りたい相手の携帯電話番号を知っていれば送信できます。
SNSのプラットフォームごとにルールは異なりますが、LINEなどでメッセージを送るためには相互登録している必要があります。また、XやInstagramなどではDM(ダイレクトメッセージ)を受け取る相手に関する設定を付けて、相互登録していない相手からのメッセージを制限することも可能です。
1通あたりの送信可能文字数
SMSとSNSとでは、1通あたりの文字数にも違いがあります。SMSは最大で全角670文字の送信が可能です。
一方で、SNSのメッセージ機能には文字数の制限がないものも見られます。サービスによって異なりますが、InstagramのDMでは最大1,000文字、Xは最大10,000字で、SMSより長い文章もやり取り可能です。
料金体系
SMSの受信は無料ですが、送信する際にはメッセージの文字数に応じて1通あたり3〜33円の料金が発生します。一方で、SNSはインターネット通信料がかかりますが、多くのサービスにおけるDMのやり取りは基本的に無料です。
画像や動画の送付
SMSは原則として短文テキストのみ送受信が可能です。SMSで画像や動画を送付したい場合には、クラウドデータベースなどに別途保存し、SMS上で保存先のリンクを共有するといった方法を使う必要があります。
一方、SNSでは画像や動画、GIFデータなどのやり取りができるサービスもあります。例えば、InstagramではDM上で画像や動画、音声データの送付が可能です。また、ストーリーの投稿に相手を指定して直接送ることもできます。
ただし、動画や大容量ファイルの送受信や再生には、多くのインターネット通信が必要となるため、Wi-Fi環境での利用が推奨されます。
既読通知
SMSには既読通知機能は搭載されていません。SMSは携帯電話番号を使ってやり取りするサービスのため、メッセージが送信された後に開封されたかどうか確認できない仕様です。
そのため、開封後にURLなどをクリックしてもらい、計測する必要があります。
一方で、SNSの中には既読機能が付いているサービスがあり、ユーザーの設定次第では既読を通知できます。Xの場合、送信したメッセージを相手が開封すると、メッセージ右下の表記が「送信済み」から「既読」に変わります。また、Instagramの設定で「開封証明を表示」をOFFにすることで、相手への既読通知が入らないように変更できます。
企業におけるSMSとSNSの使い分け

自社のビジネスにSMSやSNSを活かすためには、目的や用途に応じてSMSとSNSを効果的に使い分けることが重要です。ここでは、SMSとSNSの違いを踏まえ、企業におけるSMSとSNSの効果的な使い分けについて解説します。
SMSの活用がおすすめなシーン
SMSは、変更・複製されにくい携帯電話番号を使ってメッセージを送受信するため、企業からユーザーへの直接的な連絡手段として有用です。主な活用シーンとして、以下が挙げられます。
- 本人確認(二段階認証)
- 予約確認・リマインド
- 緊急連絡などの通知
- 更新や督促の案内
- お客様アンケートの送信
- 最新イベントやキャンペーンなどの販促・プロモーション
SMSは高い到達率と開封率を誇るため、本人に直接通知すべき重要かつ緊急な情報のやり取りに適しています。また、ユーザーを属性や条件で絞り込んでメッセージを送ることで、コンバージョン率の向上などの効果が期待できます。
SNSの活用がおすすめなシーン
SNSは不特定多数の人が利用するサービスです。SNSによって異なりますが、DMやコメントなどのメッセージのやり取りに加えて、投稿やシェアなどの機能を使ってさまざまな用途で活用できます。
SNSの代表的な使い方は以下の通りです。
- 商品・サービス情報の継続的な発信
- 企業イメージやブランディング戦略
- 認知度の拡大
- 新規顧客の獲得
- ユーザーとの信頼関係の構築
- ブランドや商品のファン育成
SNSはほとんどの機能を無料で使えるため、コストを抑えてブランディングや知名度向上につなげることが可能です。ただし、サービスごとのユーザーの属性やライフスタイルなどをよく理解した上で、目的に合ったSNSを選ぶ必要があります。
企業でのSMS活用ならSMS送信サービスが便利

SMS送信サービスとは、SMSに関するさまざまな機能を搭載した企業向けサービスです。一斉送信や予約配信など多くの機能が使えて、効率的な情報発信やユーザーとのコミュニケーションが実現します。
さらに、顧客管理システムなどとのAPI連携に対応しているものは、既存の顧客リストを使って個別のアプローチが簡単に実現します。個人向けのSMSはスマホから送信する必要がありますが、SMS送信サービスならメールのようにパソコン画面で操作できる点も特徴です。
SMSとSNSの特徴を知り適切に使い分けよう
SMSとSNSは、名前は一文字違いでもまったく異なる特徴を持っています。SMSは、変更されにくい携帯電話番号にメッセージを送信できる上、ホーム画面に通知が入るため高い到達率と開封率を誇ります。企業の本人確認や支払い催促など本人へ直接届けるべき重要度の高い情報の送信に有用です。
一方、SNSはオープンな場所でユーザー同士が交流できるコミュニティ型ツールです。オンライン上でのやり取りや写真・動画などの共有が可能で、不特定多数に向けた情報発信やコミュニケーションに役立ちます。
ビジネスにおいて、SMSとSNSの強みを理解し、適切に使い分けることが重要です。企業がSMSを活用する際にはSMS送信サービスを活用しましょう。
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