企業と顧客とのコミュニケーション手段としてSMSが注目されています。主な理由としては「DM」や電子メールを活用し定期的に送信する「メルマガ」といった手法よりも、顧客にしっかりとメッセージが届き、効果的であることが挙げられます。

SMSが注目されている背景に加えて、メルマガのような電子メールを活用した顧客コミュニケーションとSMSによるコミュニケーションでどのような違いがあるのかを解説していきます。

メルマガよりもSMSの活用が効果的な時代に

SMS自体は、PHS事業では旧DDIセルラーが1996年から、携帯キャリアではNTTドコモが1997年から開始されている、携帯電話やPHS同士でメッセージ送受信できるサービスです。近年注目されている理由の一つは2011年より携帯キャリア間の相互接続が実施され、他の携帯キャリアのデバイスへもメッセージが送受信可能となったことです。他にも、スマートフォンの普及、チャット形式のメッセージ表示に変わったなど幾つかの理由が挙げられます。

携帯電話番号の価値が高まった

また、メルマガのように電子メールアドレスを利用したコミュニケーションよりも、SMSを活用した方が、到着率・開封率共に効果が高いことも理由の一つです。

電子メールアドレスの場合、その電子メールアドレス自体を使わなくなったり、多くの電子メールが来るため一つひとつをチェックしなくなったりしてしまいます。また、携帯キャリアの電子メールアドレスの場合はユーザが手軽に変更することもできるので、登録時と電子メールアドレスが変わっていて、メッセージが届かないというケースも多発しています。

その点、SMSは携帯電話番号をキーにメッセージを送信していますので、確実に届けることができます。従来は携帯キャリアを変更すると携帯電話番号も変更されていましたが、ナンバーポータビリティ制度が導入されたことで、携帯キャリアを変えても同じ携帯電話番号を使用できるようになりました。

そのため、多くの企業では電子メールアドレスよりもユーザの携帯電話番号を獲得・活用することが重要となってきています。

電子(PC・携帯)メールとSMSの比較

PCメール 携帯メール SMS
1. コンタクト率 10〜20% 〜70% 90%以上※1
2. 即時性
3. 伝達情報量 ×
4. 記録性(エビデンス)
5. 宛先獲得率(獲得稼働) × ×
6. 業務稼働(大量送信)
7. 通信費
8. トータルコスト (大量送信時) ×

※1 英国・米国での調査結果

上図はPCメール及び携帯メールとSMSを比較した表です(当社調べ)。表を見るとコスト面(通信費、トータルコスト)についてはPCメール・携帯メールの方が良い結果となっています。しかし、いくらコストが安くてもコンタクト率が低いと意味がありませんので注意が必要です。

SMSのコンタクト率は90%以上

電子(PC・携帯)メールとSMSを比較した際に最も注目するべきポイントは「コンタクト率」です。SMSは90%以上と非常に高い数値を示しています。この数値から、SMSは送信相手に対して、ほぼ確実にメッセージを届けられていることがわかります。

一方で電子(PC・携帯)メールはそれぞれ、10〜20%と〜70%となっています。PCメールの場合、チェックしていなかったり、他の電子メールなどで埋もれてしまったりしているので、コンタクト率は非常に低い数値となっています。携帯メールについては、PCメール同様の理由に加えて、電子メールアドレスが随時変更可能なこともあり、送信相手にメッセージを確実に届けることが難しくなっています。

SMSは宛先獲得率も良好

電子(PC・携帯)メールの場合、電子メールアドレスを変更または使用しなくなるケースが考えられます。しかし、先述したように携帯電話番号はなかなか変更されることはありません。

そのため、一度携帯電話番号を獲得できれば、電子(PC・携帯)メールよりも長く、顧客と繋がることが可能となります。

SMSは迷惑メールも少なく、顧客が安心してチェックできる!

PC経由で電子メールを送信する場合、1通あたりのコストはかなり少ないので、大量送信しやすいです。しかし、SMSは従量制でコストがかかります。

さらに端末で送信する場合は1日200通までという上限がありますし、海外を経由しても携帯キャリアの規制が入ります。コスト面、制度面から迷惑メールが送りにくいサービスとなっているので、ユーザも安心してSMSの内容をチェックすることができます。このことからもメルマガで顧客にアプローチするよりも、SMSを活用した方が効果的であることが窺えます。

メルマガよりも効果的なSMS。しかし注意点も。

メルマガのように電子メールアドレスに対してメッセージを送るよりもSMSを活用した方が効果的であることを伝えてきましたが、注意点もあります。SMSを送信する場合、事前に受信者の承諾が必要となります。

個人情報に関する同意条項や利用規約・約款等の承諾を得たとしているケースがほとんどですが、既存顧客に対して改めて利用開始する旨を告知した方が丁寧な対応となります。

加えて、 SMSを業務で利用する際に、企業様が気を付けておかねばならない主な法律もあります。効果が高いSMSですが、関連する法律等を守って適切に運用して頂くことが必要です。

メルマガに限界を感じたら、SMSを検討

メルマガを活用されている企業は多いかと思います。思うように効果が得られなくなってきたら、SMSの活用を検討してみてください。今回紹介したようにSMSはコンタクト率の高い手法で、企業側が伝えたい情報を顧客にしっかりと届けることができます。電子メールアドレスと違い変更される可能性も低いので、少し古い登録情報(携帯電話番号)でもしっかりとメッセージを届けることが可能です。

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