「トラピックス」をはじめとする5つのブランドで、国内・海外、多くの旅行商品を販売している株式会社阪急交通社様。「ピーク時は1か月で15万件程度にのぼることもある」という新規予約電話のあふれ呼に対応するため、2021年11月、「空電プッシュ」を導入されました。導入の経緯、活用の方法、効果などについて、カスタマーリレーション事業部の細野氏、日暮氏、松原氏に詳しいお話をお伺いしました。
細野様、日暮様、松原様の業務内容についてお教えください。
細野氏:カスタマーリレーション事業部 部長の細野と申します。札幌、埼玉、名古屋、大阪、福岡に設置されている全5拠点のコールセンターを統括する責任者として、約600名に及ぶ所属スタッフの管理や、コールセンターの運営などを行っています。
日暮氏:私は細野のもとで、海外係の係長をしております。海外係は、海外旅行に関するお問い合わせや予約を受け付けるセクションです。コールセンター全体の1/3程度の規模・スタッフで、日々お客様対応を行っております。
松原氏:国内係の係長をしております松原です。私の部署では、現在予約の中心となっている国内旅行に関するお問い合わせや予約を承っています。
阪急交通社様の特徴についてお聞かせください。
細野氏:当社は店舗を多く持たず、主に新聞などの広告やインターネットで商品を周知して、電話やWebで旅行の予約を受け付けている直販型の旅行会社です。また、添乗員が同行するツアーを多く扱っている点も特徴です。添乗員の案内で、安心して、効率よく観光地をまわれるため、ご年配のお客様が多く、ゆえにネットではなくお電話でのご予約が多いところもポイントですね。
空電プッシュは、どのようなきっかけで導入されたのでしょうか? 背景や課題についてお聞かせください。
日暮氏:以前から、9~11月、2~3月の繁忙期にご予約やお問い合わせが集中し、電話がつながらなくなることが頻発しました。これまでは、オペレーターのスキルアップを図ることで電話応対時間を短縮する、繁忙期は人材を多く配置するなどの対応をしてきたのですが、コロナ禍やGo To トラベルなどの影響で繁閑の見通しが立てにくくなったこともあり、従来のやり方では対応しきれないと感じることが増えてきました。
「なにかあふれ呼に対応するためのよい方法はないだろうか」といろいろ探していたとき、NTTコム オンラインの担当者から「空電プッシュが使えるのではないか」と伺い、導入を検討し始めました。
空電プッシュの、どのようなところがよいとお感じになりましたか?
日暮氏:電話からWebサイトに誘導できるところがとてもよいと思いました。これまでは、「電話がつながらなかったら、待っていただくか、しばらく経ってから電話をかけていただくしかない」という状況だったのですが、空電プッシュを使えば、電話がつながらなかったお客様に対しSMSで予約サイトのURLを送り、Web予約に誘導することができます。しかもこれら一連のフローを、自動で行ってくれる。オペレーターに負荷をかけることなく、予約機会の喪失を減らすことができるわけです。お客様にとっても、「電話がつながらないストレスが低減する」「目的の旅行を待たずに予約できる」などのメリットがあります。お客様と私たちの双方にとって、非常に有用な仕組みだと思いました。
細野氏:もちろん、電話をかけることなく、Webサイトだけで予約を完結させることもできるのですが、冒頭でも申し上げた通り、当社のお客様は比較的ご年配の方が多く、なかなか最初から、あるいは電話がつながらないからといってPCやスマホをあれこれ操作してWebで予約しようとはならない傾向があります。一方で、電話からのSMSであれば、記載されているURLをタップするだけで、すぐ予約ページに飛ぶことが可能です。お若い方だけでなく、ご年配の方もWeb予約に誘導できる、ここがよいと思いました。
日暮氏:ほかに、全国の拠点で一斉に導入できるところも魅力だと思いました。実は、空電プッシュを導入する前に、ナビダイヤルでSMSの送信を行ってみたことがあったのですが、拠点の電話番号ごとに細かく設定を行わなければならず思いのほか手間がかかってしまいまして……。空電プッシュであれば、簡単な設定を行うだけで、全国の拠点で一斉に使用できると聞き、手軽に導入が可能だと考えました。実際に契約から開通までのリードタイムは1週間程度、その後、IVRの設定含めて1か月もかからずに本格運用にこぎ着けることができました。
現在の活用方法と効果についてお聞かせください。
日暮氏:現在は主に、新規予約の電話のあふれ呼をWeb予約に誘導する目的で使用しています。コールセンターに電話がかかってきましたら、IVRで、「新規予約のお客様」と「その他、お問い合わせのお客様」を振り分けます。「新規予約のお客様」で、オペレーターに電話がつながらなかったケース全件に対して、空電プッシュでSMSをお送りしています。予約のあふれ呼は、多いときで1か月15万件。そのうち1割程度がURLをタップしてくださっていることがわかっています。ここからはあくまで私の予想ですが、恐らく、そのうちの3%ぐらいの方がWebで予約してくださっているのではないかなと。これらは運用開始直後に取った数字と予測ですので、現在はさらに増加しているのではないかと思っています。
松原氏:ほかに、悪天候時のご案内にも活用しています。台風や大雪などが発生すると、コールセンターに、非常に多くのお問い合わせをいただきます。オペレーターはその都度、お客様に対し、ほぼ同じご案内を繰り返すということをしており、効率がよいとは言えない状態でした。そこで悪天候時のみシナリオを切り替えて、悪天候時のご案内が掲載されたWebページに飛ばすようなSMSをお送りすることにしたのです。オペレーターにとっては何度も同じ説明をする負担が減り、お客様には活字で何度でも情報を確認できるという安心感をもっていただくことができて、プラスになっていると感じています。
今後はどのように活用したいと考えていらっしゃいますか? 展望についてお教えください。
日暮氏:新規予約や悪天候時のご案内だけでなく、例えば、キャンセルや返金のご案内など、より幅広い用途で空電プッシュを使用したいと考えています。Webアンケート作成やビジュアルIVRを実現する「モバイルウェブ」と組み合わせることも検討していきたいです。
細野氏:コロナや全国旅行支援などの対応もあり、まだまだ効果や有効な活用法が検証しきれていない状況です。これからしっかりと数字を取って、どのような点でメリットがあったのか、お客様の満足度はどうかなどを検証し、よりよい活用法を模索していきたいと思っています。
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