早期の火災検出を支援する、炎センサーの製造販売を行う株式会社アンテック様。炎の検出を知らせる手段の一つとして、同社が提供するのがセンサー監視ソフトです。これまではPC上で検出したことを知らせていましたが、新たにSMS通知システムを組み込むことに。そこで活用されたのが、コミュニケーション・APIサービス「NTT CPaaS」でした。実装を担当したセンサー事業部の岡本氏に、どんな通知システムを開発したのか、お話を伺いました。
はじめに、貴社の事業内容についてお聞かせください。
岡本氏:当社は、炎センサーの開発、製造、販売を行っています。火災を見つけるツールとしてまず思い浮かぶのは火災報知器だと思いますが、火災報知器は、煙が充満したり室内が高温になったりと、人命が危ぶまれる事態になってはじめて作動します。そのため、たとえ人命が守られたとしても、建物内にある資産まで守ることは難しいのです。
一方、当社の炎センサーは10メートル先でライターが点火しただけでも、最短0.5秒で検出します。小さな火種の時点でお知らせし、人命はもちろん、お客様の資産もお守りすることが私たちの使命です。
どういった場所で活用されることが多いのでしょうか?
岡本氏:工場や倉庫、事務所、テーマパ―クなどに導入いただいています。当社の炎センサーは炎の紫外線を検出する仕組みで、独自の技術により太陽光の紫外線と区別することができるため、屋外でも使用可能です。この技術を持っているのは、世界で当社だけだと思います。
また当社は、リクエストがあればお客様の運用にあわせた製品を一緒に開発することもあるため、重機用、ベルトコンベア用、お仏壇用など、ニッチな用途の炎センサーも複数あります。
これまでは、センサーが炎を検出したことをどのようにお知らせしていたのでしょうか?
岡本氏:一つの建物に対し、基本的には10個から20個、多いときには200個ほどの炎センサーを導入いただきます。そのためエリアごとにランプを設置していただき、センサーが炎を検出すると近くのランプが点灯する仕組みをご提案していました。センサー監視ソフトもあわせて導入いただいた場合は、PC上でも検出したことをご確認いただけましたが、別デバイスへの通知機能などはありませんでした。当社はあくまで炎センサーのメーカーなので、通知システムまでは手掛けていなかったのです。
SMSでの通知システムを開発することになったきっかけを教えてください。
岡本氏:もともと、当社の炎センサーには“最短0.5秒で検出する”という特長がある一方で、通知スピードが追い付いていない点に課題意識を持っていました。
そんな中、お客様から「携帯電話に通知がくるシステムをつくってほしい」との相談を受け、本格的にセンサー監視ソフトに通知システムを追加することにしました。当初はメール通知を考えていましたが、仕事関連のメールはPCでしか確認しないという方も多いでしょうから、検出から通知に気づくまでのタイムラグを極力減らせるよう、いつでも誰でも確認しやすいSMSを採用することになりました。
私自身は普段、電子機器の回路設計を担当しており、システム開発は専門外です。ただ、社内にシステム開発を専門とする社員は在籍していないため、お客様のご要望に応えるべく自力での実装に挑戦することに。サービスの選定から一人で担当しました。
センサー監視ソフトにSMS送信の機能を組み込むにあたり、NTT CPaaSを選ばれた理由を教えてください。
岡本氏:インターネットでSMS送信サービスを調べていたら、NTT CPaaSのサービスサイトがヒットしました。NTTグループが提供しているサービスであれば品質やメンテナンスの面で心配がなく、今後長く使ううえで安心だと感じました。料金プランのバリエーションが豊かで、安価ではじめられるプランがある点も魅力的でしたね。
また、NTT CPaaSのサイトでシステムに組み込む際のコード例が公開されていて、各コードの意味もわかりやすく解説されていました。それを見たらシステム開発初心者の私でもSMS通知機能を実装できそうだなと思い、すぐに無料トライアルに申し込みました。
センサー監視ソフトにNTT CPaaSを実装する作業は、スムーズに進みましたか?
岡本氏:暗号化など、システム開発を専門にしている方なら常識的に知っていることも、私は全く知りませんでした。暗号化の手順も含め、わからないことがあればすぐに生成AIに聞くことで、なんとか自力で実装することができました。無料期間でさまざまな機能を試すことができたので、実際の運用を具体的にイメージすることができてありがたかったですね。
どのような通知システムを開発されたのか、具体的に教えてください。
岡本氏:炎センサーが炎を検出したらセンサー監視ソフトに信号が伝わり、そのタイミングで事前に登録してある携帯電話にもSMSを送る仕組みになっています。電話番号と、その電話番号に通知を送ってもよい曜日および時間を計3パターン登録できるので、炎を検出した日に稼働している人だけに送信することも可能です。
無料トライアルから有料版へのアップグレードは滞りなく進みましたか?
岡本氏:電話番号と新たに発行されたIDを入力するだけだったので、煩雑な手続きは全くなく、一瞬で簡単に終わりました。何よりNTTドコモビジネスXの担当者の方に有料版へアップデートしたい旨を問い合わせたら、すぐに対応してくださったので助かりました。
NTT CPaaSを導入したことによるメリットを教えてください。
岡本氏:有料版にアップグレードしたばかりということもあり、具体的な成果はまだ確認できていません。ただ、センサー監視ソフトに付加価値が付いたという点は、当社にとって大きなメリットだと感じています。というのも当社の炎センサーは、感度がいいがゆえに、火災の火種でないものにも反応してしまうことがあります。
例えば、工場で発生しがちな、スパークと呼ばれる火花です。火災の火種ではないものを誤って検出したとき、センサー監視ソフトを導入されていないお客様の場合は、その原因究明に何日も時間をかけて現場の方々にヒアリングをすることもありました。
センサー監視ソフトがあれば検出の記録を確認できますし、遠隔で検証できるので、私たちとしては炎センサーとセンサー監視ソフトをセットで導入いただくのが望ましいという想いがあります。SMSで通知がくるという付加価値がついたことで、よりお客様にとって便利なシステムになり、導入をご検討いただける機会も増えるのではないかと期待しています。
今後、NTT CPaaSをどのように活用していきたいと考えていますか?
岡本氏:SMSだけではなくメールや電話でもコミュニケーションをとることができる特徴を活かし、SMSを開封していない人に対するバックアップ機能などを実装してもよいかもしれません。また、もしSMSで画像が送れるようになったら、センサー周辺の様子を画像でも共有できるようになるかもしれないですね。NTT CPaaSを活用しながら、お客様のご要望に応えるサービスをどんどん展開していきたいと思います。
他の事例を見る