業務効率アップと堅固なセキュリティを
両立するLGWAN対応SMS送信サービス

兵庫県明石市は、平成30年4月に中核市へ移行し、市民サービスの向上と一人ひとりにやさしいまちづくりを目指している。兵庫県内でトップの国民健康保険料収納率を維持しつつ、催告にあたる職員の負担を減らすために導入されたのが「空電プッシュ for LGWAN」によるSMS送信だった。
この事例ではSMSを用いた新しい催告方法とその導入経緯について、月城氏、西尾氏にうかがった。

兵庫県内トップの収納率を維持しながら効率化、その鍵がSMSに

市民生活室 国民健康保険課
納付促進担当課長 兼 収納係長 月城 正博氏

「子育てや、子どもを主役とした住民のサポートに力を入れることを、税収や経済面での成長にもつなげ、スパイラル状に市を発展させていくことを目指しています」(月城氏)。

明石市は、兵庫県内で最近数年にわたって滞納繰越分と現年度分を合わせた国民健康保険料収納率1位を達成しており、全国の特例市(法定人口20万人以上)の中でも上位を堅持している。定期的な催告など、地道な活動を真面目に取り組んだ結果が、この数字に反映されたと実感しているという。

一方で、この業績を維持するための壁となったのが人員の問題だ。近年、自治体では職員数そのものを絞るケースや、従来正規職員が担当していた業務を非正規職員、任期付き職員が代わって担うケースが増え、現場ではより一層、業務の効率化が求められるようになった。
「我々もやはり、これまでの業務内容をより効果的なものに入れ替え、職員の負担を減らすことを求められていました。中でも、電話や自宅訪問といった旧来の催告方法は職員の負担が大きく、相手先が不在のケースも多いので効率に欠ける。これらに代わる、新しい催告方法が必要だったのです」(月城氏)。

そこで白羽の矢が立ったのが「SMS送信」だった。今回の事例では、月城氏と西尾氏が「空電プッシュ for LGWAN」導入検討時や導入後に作成した効果レポートの内容も引用しながら、こうした問題解決の経緯について紹介させていただく。

まずはこのレポートから、各種催告方法を比較した図表を見てみよう。

①郵便 ②電話 ③訪問 ④SMS
到着時間
翌日

即時

即時

即時
到着率 ×
不在率高い
×
不在率高い
開封率
未開封率高い
×
不在率高い
×
不在率高い
記録性
1件毎に記録

1件毎に記録

1件毎に記録

Excel管理
大量送信 ×
準備、抜取等
人海戦術
×
1件毎
人海戦術
×
1件毎
人海戦術

担当者
1名限り
費用 紙、印刷
人件費(人数分)
通話料
人件費(人数分)
車両、燃料
人件費(人数分)
通信料
人件費(担当者1名)
メリット 納付書、申請書等書類の添付が可能 簡易な用件であれば、通話成功により解決 納付書、申請書等書類の受渡が可能 ①~③のデメリットがない。
携帯電話の所有率、高い効率性とレスポンス。
デメリット 作業時間、人件費、紙代、印刷費の発生 作業時間、人件費、低接触率 交通事故リスク、人件費、低接触率 納付書、申請書等の添付不可

特に②電話や③訪問の負担が大きいのがわかる。
負担が大きくても効果があるなら意味はある。
しかし②電話の効果は、平成29年度実績で接触率28.3%、つまり100件電話しても28.3件しか接触できないなど、かなり限定的だ。平日の業務時間内は相手先も就業や外出の可能性が高く、自宅での対応はもちろん、携帯電話でも自由に応答できないことが推測される。
また③訪問はさらに接触率が低く、平成29年度実績で18.7%にとどまり、徴収にまで至る率はわずか0.34%である。非効率なうえ、交通事故等のリスクもあることから、平成30年度は完全廃止に踏み切った。
こうした従来の手段に対して、④SMSの到着率、開封率、記録性の高さ、なにより必要人員の少なさは破格のものだった。SMS送信の導入後は効率が飛躍的に改善され、レポートには以下のように記載されている。

送信の方法としては、本文を作成しCSVデータから対象者を選択し実行するのみであり、如何に大量の送信を行なおうと、物理的な作業は一切発生せず、担当者1名が自席のPCで短時間で行え、直前の抜取にも容易に対応できる。また、CSVデータに送信内容や日付を一括して記録することで、送信履歴や検索といった管理も容易に行える。

②電話の場合、番号を探して、電話をかけ、つながらない場合でもしばらく発信音を聞き、つながれば相手が理解するまで事情を説明し……といった作業が1件ごとに発生する。連絡先100件ともなれば、数人で1日がかりだ。そして、記録にはまた別の作業が発生する。

③訪問にはもちろんそれ以上のリソースが割かれるうえ、交通事故などのリスクも付いて回る。④SMSの優位性は一目瞭然であり、導入の必要性は明石市役所内でも認められるところとなった。

SMS送信にはセキュアなLGWAN回線対応ツールが欠かせない

市民生活室 国民健康保険課
収納係 西尾 浩氏

さて、次に検討されたのが「どのSMS送信方式を利用するか」。これについては、明石市自体の「セキュリティを最優先とする」という明確な方針が決め手となった。
セキュリティ面で抜きんでるLGWAN(総合行政ネットワーク)回線経由の送信方式と、他送信方式との比較表をみると、他方式に対して、「唯一LGWAN回線を使用」というポイントがいかに重要であったかがわかる。

送信方式 オンプレミス/SIM経由送信 LGWAN経由送信 インターネット経由送信
メリット オンプレミス方式による
確実なセキュリティ
国内で唯一LGWAN回線を使用
(特許取得済)
安価
デメリット ・高額な機械買取り
・送信上限199通/日
コスト セキュリティ

レポートでも、LGWAN回線経由であることが重視されていた。

オンプレミス方式は高額な初期導入費用と、SIMカード1枚につき送信件数は1日199件に限定されていることなど機能面で他社に劣ることから、採用は見送る。
第一候補としては、セキュリティを最優先とし、唯一LGWAN回線を使用しているNTTの「空電プッシュ」のうち、Web方式の標準プランを導入することで今後の展開を見定めたい。

(一部編集の上引用)

携帯電話番号は、基本的には個人情報と見なされないため、こうした場面でのセキュリティ意識については解釈が分かれる。

「確かに、住民の携帯電話番号をLGWANで守るべき個人情報と考えるかについては議論もあったのですが、最終的に『住民の情報を扱うのであれば、やはりLGWAN対応でなくては』ということになりました」(西尾氏)。

また、セキュリティの堅固さに加えて、コストパフォーマンスの高さもポイントになったようだ。レポート内では下記のように試算されている。

過去2年間に1,400万円近く要していた取り組みは、SMSに置き換えることで、費用のみならず事務量の大幅な削減をもたらす。

費用は、オンプレミス方式を採用した場合と比較して、「空電プッシュfor LGWAN」(標準プラン)では3分の1程度に抑えられた。

「空電プッシュfor LGWAN」をもっと幅広い市民サービス向上に活かしたい

明石市における「空電プッシュfor LGWAN」活躍の場は、国民健康保険の収納率促進に留まらない。導入前の時点で、すでに次のような多くの活用法が検討されていた。

  • ・督促状発付前の世帯に対し、納期限経過及び納付確認を促すSMSを送信する
  • ・郵送物を確実に確認してもらう必要があるときに、重要な郵送物を送付した旨をSMSで通知する
  • ・口座引落不能の判明から督促状発付までの間にSMSで通知することで事務の圧縮を図る
  • ・休日夜間納付相談について、特に必要な者に個別にSMSによる呼出案内を送信する
  • ・資格喪失者または市外転出者へSMSで納付勧告を行う
  • ・高額医療費の未納保険料への充当依頼申請書未提出世帯へのSMS連絡
  • ・保険料還付に係る口座振込依頼書未提出世帯へのSMS連絡

(一部編集の上引用)

レポートは次のように締めくくられており、先に挙げられた活用法のいくつかは、すでに実現されているという。

SMSの反応率は高く、大量送信を行った場合は返電の対応に追われると聞くが、時間や日を分けて送信数を調整することで繁忙期や閑散期もコントロールできると考える。

送信に際して、相手方の承諾を得る事例もあるが、そもそも住所や電話番号を記入してもらえば文書の送付、訪問、架電は行っており、照会先でもSMS送信自体へのクレームは現在まで皆無と聞いている。

SMSは一方的な通知だけでなく、リンクへの誘導や電子決済、また対市民のみならず非常時等における職員への連絡など、アイデア次第で活用の範囲が拡大するものと考える。

変化する市民のライフスタイルに合わせ、従来の手法のみに固執せず、自治体の新たな情報発信の手段としてSMSを加えることによって、収納率のみならず市民サービスの向上も目指したい。

(一部編集の上引用)

実際運用してみての感触はどうだろうか。現在、主に活用されている催告業務について聞いた。

「(SMS送信に対して)反応の良いケースとそうでないケースが見えてきました。納付期限からそれほど間がないケースでは、いわゆる『納付忘れ』への注意喚起として、SMSでのお知らせが非常に効果をあげています。そういった方ですと、SMSを確認して折り返しお電話をくださることも多く、納付率も非常に高いです。今後は、より効果的なケースに対策を絞っていこうとしていますね」(月城氏)。

このコメントからも、単に「効率が良いツールを導入して運用する」だけに留まらず、細やかな振り返りを行い、蓄積したデータを分析することで、さらなる市民サービス向上に活かそうという明石市の姿勢がうかがえる。
月城氏は、将来保険料納付のマルチペイメント化が実現した折には、納付用URLの送付にもSMSを活用したいと考えているという。まさに「空電プッシュfor LGWAN」を通して「変化する市民のライフスタイルに合わせることで、市民サービスの向上を目指す」、そんな明石市の未来が見えてくるようだ。

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