賃貸経営、建物管理、海外投資家向けサービスなど、不動産の賃貸管理・運営事業を幅広く手掛ける東急住宅リース株式会社。同社で賃借人による各費用の滞納や未収が発生したとき、案内業務などの通達のために利用されているのが「空電プッシュ」です。導入のきっかけや具体的な活用方法、不動産業界における固定概念の払拭につながったというメリットなどについて、契約管理部保証管理グループの林氏、成瀬氏、藤平氏にお伺いしました。
まずは皆さまが所属する部署の業務内容について教えてください。
林氏:当社ではオーナー様が所有する不動産の管理や、賃貸借契約にまつわるさまざまな手続き・運営を行っています。私どもが所属する賃貸管理本部 契約管理部 保証管理グループは、賃料未収が発生した際の対応を行う部署になります。未収の内容というのは、例えば毎月の賃料や更新料、原状復帰費用などのことです。具体的な業務としては、案内や督促業務、訴訟手続きに加え回収困難な債権の損金処理などを担当しています。
成瀬氏:現在は、賃貸借契約を締結する際の連帯保証人として、個人ではなく保証会社を利用いただくケースが多いため、保証会社との連携業務も必須となります。林は当グループの責任者となるマネージャーを務め、私と藤平の2人がリーダーとなり計10人体制で業務を行っております。
空電プッシュ導入のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
林氏:不動産業界の考え方は少し古いところがあり、2018年の空電プッシュを導入する前は、未収者への連絡は「電話」と「郵送による通知」、「訪問」が主流でした。当時、会社から支給されている携帯端末を使い、一部のお客様の携帯番号宛てにSMSでご連絡をしていました。
しかし、セキュリティや効率を考え、他の方法がないか検討していました。その中で同業他社や保証会社に督促の手段についてヒアリングを行ったところ、個人の携帯ではなくシステムを使ってSMSの通知を一斉配信していることを知ったのです。
郵送での通知は滞納連絡だけでなくお知らせ等もあわせて、当時の部署で1ヶ月に約1,000通送っていましたが、中身も見ずに捨てられてしまっていると思うぐらい反応がないことが多く、正直なところあまり効果がないのではと感じる事もありました。携帯電話はほとんどの方が持っていますし、SMSなら必ず目に付くため連絡する手段としては良いのではないかと考えました。ただ、個人の社用携帯でやり取りをすると、送信のタイミングや文章の書き方によってトラブルやクレームにつながる可能性も考えられますし、仕事の連絡なのか、判断がつきにくいという懸念もありました。
SMSでご連絡をするのであれば、管理職やリーダーたちが、いつどんな内容を送っているのかを確認できるようにする必要があります。そこで、郵送の時のようにひな型が使え、誰が誰に出したかも分かるようなシステムでSMSを送れると良いと考えたことがきっかけです。
導入へ至る上での、一番のポイントを教えてください。
林氏:SMS送信システムの検討に向けて、5社ほどプレゼンをしていただきました。価格にはそれほど差がなかったため、ポイントとなったのはやはり安全性です。SMSにはお客様の個人情報が含まれます。その漏洩を防ぐことやそもそもの守秘義務といった点が非常に重視される。セキュリティ面を考えたときにNTTコム オンラインさんのシステムに一番安心感を覚えたため、採用に至りました。
現在の空電プッシュの具体的な活用方法について教えてください。
藤平氏:マネージャーを除くメンバー9人分のアカウントを発行し、約60種類のテンプレートを作成して、用途によって使い分けています。主に使うのは4~5種類です。
また、先月から事前通知として、口座振替のご連絡も一斉配信するようになりました。前月に口座引き落としができなかったお客様に対して、今月の引き落とし予定日のご案内と当社に連絡いただきたい旨をお知らせするものです。お客様の中にはどうしても日中は電話を取れない方や、メッセージだけ残してほしいという方もいらっしゃいます。そうした方に向けて、要点だけを簡潔に伝えるには非常に優れたツールだと感じています。
管理戸数は約12万5千戸(※2022年12月時点)あります。その中で、事前通知を含めると1,000件前後をお客様へのファーストアクションとして送っています。
空電プッシュを導入したことでの効果やメリットについて教えてください
藤平氏:コスト削減においては、非常に大きな効果がありました。空電プッシュの場合、導入費用もお手頃でしたし、送信作業の手順も非常に簡単で早い。通知を郵送していたときは、印刷して封筒に入れて送る手間や工数がかかっていたのが、かなり削減されています。また、先ほどお話しした事前の口座案内など、一括で不特定多数のお客様へ送付することは、電話や郵送ではできません。たった一度のアクションで数百名のお客様に対応できる点は非常に強みですし、メリットだと思います。
成瀬氏:空電プッシュの導入によって、われわれ3人は管理者権限で誰がどの時間にどういった内容のSMSを送っているか確認できるようになりました。懸案だった個人間でのやり取りがトラブルやクレームにつながる可能性も減り、安心感が強くなりました。定型文はそもそも上長のチェックを経て登録されていますので、それで送ってさえいればクレームは殆ど無いと考えています。仮にあったとしても私たちが送信の状況を見ることができますから、管理面が非常に楽になりました。
林氏:お客様が業務中電話に出られない企業にお勤めのお客様もある程度はいらっしゃいます。これまでの電話主体からお客様が受け取りやすいSMSに変更し、いつでも見られる状態にできたことで、多少なりともお客様の利便性向上につながったのではないでしょうか。2018年にはこのシステムの導入が新しい取り組みということで評価され、社内で表彰されました。現在では他のグループでも空電プッシュを使っています。
使い勝手や機能に関するご感想、また今後の活用方法などで考えられていることがあれば教えてください。
成瀬氏:最初のご案内を送った後、必要に応じて各自が次段階のSMSをお送りすることもあります。そうしたセカンドアクションを起こすにあたり、相手の方がSMSを見て、お電話いただけるのであれば話が早いのですが、実際のところ返信率は1割もないくらいです。特に初取引のお客様ですと、SMSを使ったフィッシング詐欺などに間違えられる可能性もありますから、新たな通知や電話をするタイミングを測るのがなかなか難しい。そのため、相手からリアクションを返していただける機能があるといいという話が上がっていました。
藤平氏:そこで現在、貴社が提供する双方向のSMSサービス導入を進めている最中です。こちらはメッセージを一斉送信したものに対し、「はい」「いいえ」などの反応を選んでいただけるもの。セカンドアクションのタイミングを測るにあたっての懸案も解決できるかなと期待しています。さらに言えば、今後チャットのように長く続けられ、1通あたりの単価を抑えられたサービスにしていっていただけると非常に助かると考えています。
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