幅広いジャンルの中古品買取・販売を取り扱う「ブックオフ」を全国に800店舗展開するブックオフコーポレーション株式会社。お客様からの買取をビジネスの軸とする同社が「買取査定を待って支払いを受ける」という、従来当たり前だった“売る側の負担”を軽減するため導入したのが「空電プッシュ for LINE」でした。ここではその経緯と導入後の活用ぶりについて、清川氏に伺いました。
はじめに、貴社の事業についてお聞かせいただけますか。
清川氏:当社は古物取引、つまりお客様から商品を買取らせていただき、それを店頭で販売させていただく事業を行っております。1990年に1号店をオープン、当初は本、CD、DVD、ゲームソフトといった趣味商材で全国に拡大を進めてまいりましたが、より幅広い商材を取り扱うべく、アパレル、バッグや貴金属などのハイブランド商材、スポーツ用品、おもちゃ、トレーディングカードといった品へも拡充しています。
これまで「お客様から商品を買取らせていただく」事業形態ならではの課題があったそうですね。
清川氏:お客様に商品をお売りいただくことが当社にとって非常に重要なことなので、買取には特に重きを置いています。ただ、従来のやり方ですとお客様のご負担がどうしても大きくなってしまうのです。
例えば、ご不要になった品を店頭までお持ちいただくだけでも準備が大変ですし、土日祝日、大型連休となるとありがたいことに多くのお客様が買取査定のためにお越しくださいますので、店舗側の処理に非常に時間がかかってしまい、かなりの待ち時間を頂戴せざるを得なくなります。
店内でお待ちいただくにしても、後ほど再度ご来店いただくにもしても、その間にできることは限られますから、待ち時間の長さによっては「そんなに待てないのでやめます」ということにもなりかねない。それに、待った末に思うような査定額がつかなければ「こんなに待ったのに」とお感じになることもあるでしょう。
とはいえ、人手不足の折、店舗の人員を増員するにも限界があります。我々としても、課題だと感じながら「こういうものだから、仕方がない」と諦めていた部分も正直ありました。
この課題を解決するために導入されたのが「空電プッシュ for LINE」だったわけですね。
清川氏:はい。まずは解決策として「お客様には商品を預けていただくだけ、商品代金は指定の電子マネーで自動的に支払われる」という「スマホで受取コース」というサービスに取り組むことにしました。これでお客様の待ち時間は解消できます。ただ「査定結果や明細をどうお知らせするか」という問題が残りました。
「受付の際にメールアドレスをお伺いしてメールでお知らせしよう」ですとか、電話番号はもともと必ず伺うようになっていましたので「買取査定終了後にお電話を差し上げよう」といった案もありましたが、そもそも人員が足りない中で、受付業務を担当する従業員の負担を増やすことは現実的でないという結論になりました。
そんな折、「なにかヒントになるものはないか」と参加したIT系の展示会で、SMS送信ツールを使った通知サービスが盛んになっていることを知りました。先の通り、買取にあたってお客様の電話番号は必ず伺いますので、SMS送信であれば最も省力化できるのではないかと考え、検討に入ったのです。
当初はSMS送信ツールをご検討だったのですね。LINE送信ツールに注目されたきっかけが何かあったのでしょうか?
清川氏:ほんの偶然だったのですが、ある時私のLINEへ宅急便サービスから「お荷物が届きます」といった旨のメッセージが入りまして。初めてのことで何が起きたのかと思ったのですが、実は田舎の親戚が宅急便で野菜を送ってくれていまして、それがこれから配送されることを知らせるメッセージだったのです。
LINEはすでにかなり利用者が多く、日常的なSNSになっていますから、これはいいなと思いました。それに、SMSにはどうしても文字数の制約がある。我々の場合「査定金額」、「査定点数」、「明細を見ていただくためのURL」は必須ですし、それを何通にも分けて送るとなるとスマートではないですよね。LINEであれば、長文のまま、デザイン性もちゃんと担保しながら通知ができる。これは非常に大きなメリットだと感じました。
その後、御社に「新サービスとして LINE送信ツールをリリースしました」と伺いまして。LINE送信ツールとSMS送信ツールを併用すれば、LINEをご利用でない方も含めた、かなりの数のお客様をカバーできるようになる。そこが御社のサービスを導入させていただく一番の決め手になりましたね。他にも、実際のバックエンド業務で管理者が使う画面なども非常に使いやすいつくりでしたし、手数料の部分もかなりご尽力いただきました。
導入後のご様子はいかがですか。
清川氏:現在、全国125店舗にトライアル導入をしておりまして、利用件数自体はまだまだ少ないものの、すでに何度か利用いただいているお客様もいらっしゃる状況です。「スマホで受取コース」もまだ試験的なところはありますが、その中でここまでご利用いただけているのはまずまずではないかと。
実は私も、システムの稼働の様子を確かめようと、リリース当日に近隣の店舗へ商品を売りに行ってみたのです。目の前で、実際に査定登録をして、レジ操作をしてという流れを見せてもらいまして。レジ操作の終了直後に「もうすぐ通知がくるかな」とスマホを見たら、「おぉ、もう来てる!」という状態でした(笑)。ものすごく早い。個人的にも驚きを感じましたね。
お客様のご感想を伺うのはこれからになりますが、ご不満の声などは今のところないようです。この通り「当たり前にお客様へお知らせが届いて、自然と内容を確認していただけている」ことが一番のメリットですね。
本格的な導入の計画も進んでいるのでしょうか。
清川氏:2020年4月には、現在電子買取システムを導入している全国約680店舗に「空電プッシュ for LINE」も拡大予定です。そこで、お客様に今までよりも簡単にお売りいただける、商品をお持込みいただくだけで、あとは自由な時間をお過ごしいただけるということをまずしっかりとお伝えして、この新しい買取スタイルを広げていかなければと思っています。同時に受取ができるペイメントも拡充して、多くのお客様にご利用いただけるサービスにしていきたいですね。
今後の展望について、お聞かせください。
清川氏:当社は、お客様から仕入れてお客様へ売る自給自足の事業ということもあり、これまで他社様との協業をあまりしてきませんでした。そんな中、御社とご一緒させていただくことで、今まで当たり前だと思って諦めていた買取査定の待ち時間が解決され、お客様にも店舗にも大きなメリットが生まれたのです。
同じように、自分たちでは「当たり前だ」と思って負担している業務などの中にも、他社様の視点によってあらためて問題に気づかされるものや、他社様のリソースを取り入れることで省力化したり、解決できるものがまだまだあるのではないか、と考えています。「空電プッシュ for LINE」や「スマホで受取コース」のサービスを足掛かりに、これからどれだけこういったことを解決していけるかがこれから進むべき大きな道になるのではないでしょうか。
今後もさまざまな問題解決のパートナーとして、サポートさせていただければ幸いです。本日はありがとうございました。
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