インターホン、ナースコール等の電気通信機器の製造販売を手掛けるメーカー、アイホン株式会社。同社コールセンター(*1)の3つの部署でお客様応対品質の改善や、訪問日時、代金支払いに関するスムーズな連絡の手段として導入されたのが「空電プッシュ」です。3部署それぞれの課題解決に向けた柔軟な利用方法や、当初の目的に留まらず顧客インサイトの把握・スタッフのモチベーションアップにまで寄与したというメリットについて、コールセンター業務課責任者の津田氏、同お客様相談センター責任者の柴田氏に伺いました。
(*1) 2023年4月から組織改正により、名称を「コンタクトセンター」へ改称
まずは貴社の事業内容と津田様、柴田様が所属する部署の業務内容について教えてください。
津田氏:当社は住宅向けのインターホンやオフィス・工場向けの通信機器、医療福祉の現場で利用されるナースコール等を開発から製造、販売、アフターサービスまで一貫して行っているメーカーです。
私はコールセンターの「業務課」に所属し、責任者を務めています。コールセンターには、ほかに「修理受付センター」「お客様相談センター」「リユースセンター(*2)」があり、空電プッシュを利用しているのはリユースセンター以外の3つの部署です。業務課では、修理が完了したお客様に対する修理代金の請求書の発行と回収を担当しています。
(*2) 2023年4月から組織改正により、名称を「サービスパーツセンター」へ改称
柴田氏:私はお客様相談センターの責任者を担当しています。当センターは、実際に当社の商品をお使いいただいているエンドユーザー様や、ご購入をご検討いただいているお客様からの商品に対するお問い合わせやご相談、改善要望等を受ける部署です。修理受付センターが修理に関わる質問、当センターはそれ以外のお問い合わせ全般を受け付けています。
空電プッシュ導入のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
津田氏:NTTの営業担当の方から同サービスを紹介いただいたことがきっかけです。説明を受けてから、各部署にSMS送信サービスの利用に関する見解を確認したら、導入メリットが非常に大きそうだと分かりプロジェクトを立ち上げることになりました。
柴田氏:当時、私は修理受付センターに在籍していましたが、修理希望のお電話はアイホンを使われているエンドユーザー様やマンションの管理会社、家電量販店等からいただきます。当社の修理受付センターは、お電話を受けた際、その場で修理のための訪問日時をお約束できることが特色です。しかし、マンションの管理会社や家電量販店によるご連絡の場合は、修理先のエンドユーザー様に電話をして、先方のご都合を伺う必要が出てきます。
その場合、エンドユーザー様としては、見ず知らずのフリーダイヤルから電話が来る状況になるため、迷惑電話だと勘違いされ出ていただけない等、なかなかつながらないという課題がありました。修理のご連絡をいただく割合は約7割が管理会社や家電量販店からのため、当社から日程ご相談の電話をかけるケースの方が多いのです。そこで、何とか要件だけでも簡潔にお伝えする方法はないかと考えておりました。
津田氏:業務課の場合も、修理代金のお支払いがお客様のご都合で滞っている場合、連絡をする必要があります。ここでも同じように、なかなか先方とつながらないという課題を抱えていました。
柴田氏:お客様相談センターでは、電話応対に特化した、例えばスタッフの態度や返答についてのアンケート調査が無かったことが課題でした。お客様の率直なご意見と評価をお聞きしたうえで応対品質を上げていきたいのですが、センターの開設から約15年間、その点に特化したアンケートができずにいたのです。そこで、NTTコム オンラインさんの「モバイルウェブ」のWebアンケートサービスを新たに導入し、業務課・修理受付センターで導入していた空電プッシュと組み合わせ、顧客満足度を測るアンケートを実施しようという話になりました。
導入へ至る上で、一番のポイントとなった点を教えてください。
津田氏:SMS(ショートメッセージサービス)でのご連絡は、お客様の大きな負担にならずに要件が伝えられるところが非常に良いと思いました。その中で、SMS送信サービスに関しては、空電プッシュがナンバーワンという認識があり、他のサービスとの比較は特に行いませんでした。
柴田氏:操作が分かりやすく、実際に利用するオペレーターがあまり工数をかけずに活用できる点が導入の決め手になりました。ユーザー登録をすれば誰でも使え、特にマニュアル等を用意しなくても簡単にSMSを送れるため、業務の中で使うにはとてもありがたいですね。
津田氏:送信時のチェック機能もしっかりしていて、送付先の番号から内容まで全てチェックを入れないと送れないようになっています。そうした工夫も利用者から見て安心感につながり、使いやすさの魅力だと感じています。
現在の空電プッシュの具体的な活用方法について教えてください。
柴田氏:お客様相談センターのアンケートはメッセージのテンプレートを作っており、当社の別システムからCSVで出力した対象者様の連絡先を読み込んでSMSの一斉送信をしています。
修理受付センターからの修理日時のご連絡も、用途ごとにテンプレートを用意しており、それぞれにあわせたテンプレートを活用してメッセージを送るので、操作するメンバーが多くても内容がブレることはありません。こちらは、修理受付時にいただいた携帯電話番号を入力して1件ずつ送る形で利用しています。両センター合わせて、送信件数はひと月約3,200通ほどです。
津田氏:業務課も請求のご案内にはテンプレート機能を使用しています。ただし、お客様に対し機械的で失礼な対応とならないよう適宜内容を確認し活用しています。当課ではまず、お支払い期日の3日ほど前に「間もなく請求期日が到来します」といった内容のSMSをお送りしています。すると、つい忘れてしまっていた方が思い出してお振り込みをいただけることもあります。このリマインドメールと、その後にも入金がない場合に「未入金ですが、状況はいかがでしょう?」といったフォローを含めたメッセージを、ひと月に100通前後お送りしています。
空電プッシュを導入したことでの効果やメリットについて教えてください。
柴田氏:修理受付センターでは、なかなか電話がつながらないお客様に要件を伝え、さらに修理受付用のメールアドレスを記載してご連絡をいただく形にしたことで、アポイントがスムーズになりました。
お客様相談センターでは、モバイルウェブを使ったアンケートを空電プッシュでお送りすることにより、電話応対に関わる品質の精査ができるようになりました。ネガティブなお声があれば、該当の録音を聞いた上で受付担当者に指導ができるため、アンケートを始めてから電話応対の品質が良くなったと言われています。ポジティブなコメントもたくさんいただき、スタッフのモチベーションアップに寄与しています。さらに丁寧な応対をしようという姿勢が目に見えて分かるようになりましたので、非常に導入のメリットを感じています。
ほかにも、アンケートでは潜在的なご要望、ご意見をいただくことがあります。そうしたご意見に対してはお客様相談センターが主管で、「VOC」(お客様の声の改善活動)という取り組みを進めているため、議題に挙げて改善を図っています。
津田氏:業務課では請求期日のリマインドメールを送るようになったことで、請求後3か月時点の入金率が上がりました。その結果、月に数十件掛けていた未入金の方向けの架電業務が削減され、とても助かっています。
今後の空電プッシュのご活用方法や、追加されると良いと思われる機能等があれば教えてください。
津田氏:業務課では、送り先のお客様から返信できるような仕組みがあれば、うまく活用していきたいと考えています。先方にとっても、リマインドメールが届いた際に「こういった理由で入金が遅れます」と返信できれば、電話で折り返しをいただくよりも楽な場合があるのではないかと思いますので。
柴田氏:お客様相談センターでは、繁忙期の“待ち呼”がもう一つの課題になっています。例えば修理をした場合の金額感を知りたいといった簡易的なお問い合わせなのに何分も電話がつながらずご迷惑をおかけしてしまう。その対策として、空電プッシュでお送りしたSMSから適切なウェブサイトのページに飛べたり、津田の言うような双方向のやり取りができるようになったりすると、お客様にとってスムーズな受付が実現できるのではないかと考えています。
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