クラウド型のカスタマーサービスプラットフォーム『Zendesk』のライセンス販売やソリューション提供を手掛ける株式会社ZeQ(ゼクー)様。2018年に設立され、Zendesk社の認定プレミアパートナーとして、日本国内の企業をターゲットとした販売代理や運用支援を行っています。そんな同社が開発したのが、Zendeskと空電プッシュを連携させたアプリケーション「J-SMS」です。どのような狙いがあってアプリを開発したのか、なぜ連携サービスに空電プッシュを選んだのか、詳しい経緯や開発の意図、アプリ活用の展望などについて、Zendeskソリューション事業部 執行役員の大山氏(写真:右)、稲葉氏(写真:左)にお聞きしました。
ZeQ様の業務内容や特徴についてお聞かせください。
稲葉氏:当社は、カスタマーサービスプラットフォーム『Zendesk』のパートナー企業です。Zendeskは、お客様からのお問い合わせに対して、ツール上で対応をしたり、その応対内容を記録したり、管理・分析したりすることができるソリューションです。管理がバラバラになりがちなメール・チャット・電話などのカスタマーサポートツールや、お客様との応対記録などを一元管理することができる点が特徴で、現在、国内約500社の企業に導入いただいています。
当社の主な事業は、Zendeskの販売・伴走です。ライセンスの販売だけでなく、導入・定着化・活用支援、アプリの開発や提供など、多岐に渡る業務を行っています。
大山氏:我々の強みは、Zendeskの機能や活用方法を知り尽くした、Zendesk認定資格「Support Administrator Expert *1」を持つ者が多数在籍しているところです。全従業員の半数以上がこの資格を有しており、Zendeskパートナーとしては国内最長となる9年以上、Zendeskソリューションを提供し続けています。
*1 Zendeskの実装、構成、および管理するために必要な知識とスキル、実践経験を認定する資格です。
2023年6月に、ZendeskからSMSを送ることができるようになる、空電プッシュとの連携アプリケーションJ-SMSがリリースされました。開発に至った背景や理由についてお聞かせください。
稲葉氏:開発に至った最も大きな理由が、「Zendeskの標準機能に、日本国内で活用しやすいSMS送信機能がなかった」という点です。ZendeskにSMS送信機能はありますが、文字数に制限があったり、海外番号での送信に限定されたり、お客様から返信を送る場合は一般的なSMS送信と比較すると高額な費用がかかってしまったりと、日本の企業にとっては少々、利用しづらい仕様になっています。「Zendesk上でSMSを活用できるようにしたい」「電話、メール、チャットに加え、SMSを送れるようにすることで、Zendeskを、カスタマーサービスプラットフォームとしてより使いやすいものにしていきたい」、そのような思いで開発することに至りました。
大山氏:お客様からも、かなり多くのニーズがありました。なかでも急成長を遂げているスタートアップ企業から、「スマホ世代のユーザーが多いので、SMSでやり取りができるようにしてほしい」「お問い合わせのフォローやキャンペーンのお知らせなどを、到達率の高いSMSで効果的に行いたい」と、お声をいただいていました。
J-SMSがリリースされる前は、Zendeskとは別にSMS送信サービスを契約し、別個で運用していた企業も多かったです。電話、メール、チャットなど、さまざまなチャネルを一元管理できるところがZendeskの強みですが、SMSがシームレスに使えないということは、お客様にとってストレスになっていたと思います。「SMS送信サービスとの連携は必須である」と考え、強い気持ちで開発を進めていきました。
Zendeskと連携させるSMS送信サービスとして、空電プッシュを選ばれたのはなぜでしょうか? 選定の決め手についてお教えください。
稲葉氏:Zendeskは、顧客満足度の向上やお客様とのよりよい関係構築を実現するためのツールです。ですから、そこに寄与するような、質の高いSMS送信サービスが必要だと考えました。高い到達率や着眼率を誇っており、なおかつ、お客様に安心して使っていただけるような高度なセキュリティが担保されているサービスを探していて、ニーズに合致したのが空電プッシュでした。
大山氏:企業向けSMS送信サービスとしてのシェアが7年連続1位という実績にも惹かれました。多くの企業が利用しているという安心感、機能や使い勝手のよさに対する期待感なども決め手になりましたね。
また、NTTグループのソリューションであるというところにも魅力を感じました。歴史ある企業グループですし、ソリューションの質だけでなく、サポートの質についても信頼できると実感していて、連携を決定しました。
連携のしやすさという観点ではいかがでしょうか? どのようなメリットを感じていらっしゃいますか?
稲葉氏:開発の担当者から「シンプルな仕組みかつ、API連携のための機能が豊富に実装されており、とても連携させやすいと感じた」「空電プッシュ管理画面の操作マニュアルや、各種機能の仕様書も公開されていたため、スムーズに設計からセットアップ、実装、テストを行うことができた」と聞いています。だからこそ、J-SMSも、シンプルで導入しやすいアプリになりました。お客様側での複雑な設定などは不要ですし、使いたいときにすぐに導入していただけます。このような連携の容易さや、スピード感がメリットだと感じています。
J-SMSの概要や特徴についてお聞かせください。
稲葉氏:J-SMSは、Zendesk上でお客様の携帯電話番号宛てにSMSが送れるようになるアプリケーションです。送ったメッセージやお客様からの返信はZendesk上で自動保存・更新され、チャット画面のような形式でやり取りを確認することができます。
特徴は、SMSを企業から送るだけで返信を受け付けない、という一方通行ではなく、お客様からも送信可能な、双方向でやり取りができるところです。すべてのやりとりが、キャッチボールできるようになっていて、お客様のご質問やご意見に応えられるようになっています。
双方向でやり取りができるようにされたのはなぜでしょうか?
大山氏:顧客体験の向上を追求したいと考えたからです。例えばSMSで、お支払いなどに関する重要度が高い情報が送られてきたとき、すぐに質問を返したり、疑問点を確認したりできないことは、お客様にとってストレスだと思っています。SMSを受信したら、そのままSMS上でやり取りを継続したい、このようなニーズがあるのではないかと、双方向でやり取りができる仕組みにこだわりました。
実は、Zendesk社の調査で、「お客様が一度でも嫌な体験をしてしまうと、その企業のサービスを使う可能性が61%も低減する」ということがわかっています。データによってチーム全体に「不満につながりそうなことは、たとえどんな小さなことでも解消すべき」という考えが根付いており、この意識も双方向でのやり取りを実現させることに繋がっています。
また企業側にとっても、SMSで発信した情報に対して、電話、メールなどでパラパラ返事がくると管理しにくく運用が煩雑になってしまうと思います。お客様の顧客体験はもちろん、企業側の従業員体験も向上させたいと思い、仕様を決定しました。
J-SMSの導入状況や今後の展望についてお聞かせください。
稲葉氏:お客様からは、「携帯番号しか入手できていないお客様へのアプローチに活用したい」「多忙で電話対応ができないお客様とのやり取りに使いたい」「電話対応後のフォローとして、会話の内容をまとめたものをSMSで送りたい」「サブスク契約者の解約防止策として活用したい」など、多様かつ前向きなご要望や期待の声をお聞きしています。また「短縮URL機能があるのが嬉しい」など、機能に関する評価をいただきました。なにより「ツールをまたぐ必要がなくなるのがいい!」と喜んでくださり、開発への手応えを感じています。
大山氏:他にも、歯科医院や美容院などの予約リマインド、アプリのワンタイムパスワード送付など、さまざまな業種、シーンでご活用いただけるものと考えています。
J-SMSは、簡単に導入できて、お問い合わせの管理がしやすくなるだけではなく、時間や工数の削減も期待できます。顧客体験の向上に大きく貢献する、とてもよいアプリケーションだと自負していますので、ぜひ、多くの企業に導入いただきたいと思っております。
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