企業や自治体のコールセンター業務を幅広く受託しているりらいあコミュニケーションズ株式会社。クライアントである大手生活用品メーカー様のコールセンター業務において、待ち呼の低減、サービス品質の向上などを目的に、空電プッシュを導入されました。「導入によって、常に90%以上の電話応答率をキープできるようになった」「ご年配の方にも抵抗なく受け入れていただけるような、リッチすぎない、『ちょうどいいDX』が実現できた」、こう話すのは、同社マネージャーの柴垣氏、稲垣氏。おふたりに、導入の経緯や効果について、詳しいお話をお伺いしました。
※りらいあコミュニケーションズ株式会社は株式会社KDDIエボルバと統合し、2023年9月1日より「アルティウスリンク株式会社」として発足しました。
まずは貴社の概要や強みについてお教えください。
柴垣氏:当社は自治体や企業など幅広い組織のコールセンター業務を受託している会社です。2015年10月に、もしもしホットラインからりらいあコミュニケーションズという社名に商号変更をいたしました。もしもしホットライン時代から数えて40年近くコールセンターを中心としたアウトソーシング事業を行っていることもありまして、カスタマー対応やバックオフィス業務に関する知見を豊富に有しているところが強みです。現在は、コールセンター業務だけでなく、バックオフィス業務全般のBPOや、DXのご提案なども行っています。
柴垣様、稲垣様のご担当業務についてお聞かせください。
柴垣氏:私は大手生活用品メーカーのコールセンター業務を担当しています。現在は通販商品の定期購入の解約や休止に関するお問い合わせに対応しておりまして、チームのマネージャーを務めております。
稲垣氏:私は、柴垣と同様のセクションで、業務の統括を行っております。
2020年8月に空電プッシュを導入されたとお聞きしています。導入前に抱えていらっしゃった課題や背景についてお聞かせください。
柴垣氏:私たちが扱っている通販商品は、おもにご年配の方々をターゲットにした商品です。メインとなるお客様の年齢層は50代~60代。そのような背景もあって、解約や休止の手続きの際には、まずは電話でコールセンターに問い合わせをされる方がほとんどです。実際にはWebサイトで簡単に解約や休止ができるのですが、あまりサイトにアクセスしていただけない……。そんな課題や事情があり、クライアント様から、「Webサイトの利用率を上げたい」「少しでも待ち呼を減らして、利便性やサービス品質を向上させたい」との声をいただくようになりました。
稲垣氏:私たちのクライアント様は、通販事業に早い時期から取り組んできた大手メーカーです。先駆的かつ積極的にネット通販の仕組みを整えてきたこともあって、もともとDXについて、高い関心をお持ちでした。また、多くの消費者にとってなじみ深い、日本を代表するようなメーカーだということもあり、「お客様のためにサービスの品質を上げたい」という思いや矜持を強く持っていらっしゃいました。その思いに応えたいという気持ちや、他のBPO事業会社と差別化を図りたいという考えもあり、私たちも日ごろからDXに関するご提案をこまめにするようにしていたのです。
こうした背景や、先ほど柴垣が申し上げた課題感などがあり、「空電プッシュとIVRを活用して、解約・休止希望のお電話をWebの手続きページに誘導してはどうか」とご提案した、という経緯です。
多くのコミュニケーションツールがあるなか、なぜSMSを選ばれたのでしょうか?
柴垣氏:もっとも身近な手段だと考えたからです。いまはご年配の方を含めてほとんどの方がスマホを持っていますし、SMSならどのスマホでも利用ができます。アプリをダウンロードしたり、アカウント登録をしたりといった事前準備をしていただく必要もなく、誰でもすぐに使えるところに魅力を感じました。
稲垣氏:DXという点ではSMSは『ちょうどいいDX』だと思ったんですよね。「まず電話」と考えるご年配の方々にとって、複雑なシステムはハードルが高く、導入しても結局使っていただけずに終わってしまう可能性も高いと思います。一方、SMSなら、どなたでも抵抗なく簡単に使っていただくことができ、ターゲットとなるお客様にも受け入れていただけるCXが設計できると思いました。リッチすぎず、ほどよくシンプルで、それでいて利便性の向上が期待できる。そのちょうどよさや、ターゲットとのマッチングの部分で、SMSに着目しました。
具体的な活用法についてはいかがでしょう? 活用シーンやフローについてお聞かせください。
柴垣氏:まずは携帯電話からかかってきたお電話を、IVRでお問い合わせの目的別に大別します。解約・休止の目的でかかってきたお電話に対し、「一部の手続きはWebサイトでも可能」「興味がある方は1を押してください」という趣旨のご案内を流し、1を選択された方に対してSMSで、手続きができるWebサイトのURLをお知らせするというフローを取っています。
なお、これら一連の流れは、すべて自動で行われるように設定しています。導入以来、設定や文面を変更したケースはまったくなく、ずっと同じ内容、同じフローで運用している状況です。導入から約2年半、特にトラブルなく、使っていることを忘れてしまうぐらいスムーズに利用できています。
実際に使ってみて、どのような変化や効果を感じていらっしゃいますか?
柴垣氏:導入前は電話応答率が90%に届くこともあれば届かないこともあったのですが、導入後は90%以上の応答率をキープできるようになりました。 空電プッシュだけでなく他の要因も絡んでいるのだとは思いますが、なにかしらよい影響があり電話に余裕ができたものと考えています。
また、IVRによって解約・休止を選択した方のうち、約15%が、空電プッシュによるSMSを受け取り、記載されているURLをクリックしていることが分かっています。導入当初に「空電プッシュの導入によって15%程度がWeb手続きに回るだろう」と予測を立てておりましたので、予測通り・期待通りの結果になっている状況です。
稲垣氏:しかも、Webサイトに遷移した方々が、ほぼ100%、Webで手続きを完了してくださっているのですよね。「使い方がわからない」「できなかった」などの理由で再度電話をかけてくるケースもほとんどありません。
柴垣氏:ネットに慣れている若い世代にとって、Webサイトで解約や休止ができるというのは当たり前のことだと思います。しかし、ご年配の方々は、そもそもWebサイトで何ができるかがわからない方も多く、まずは電話となるのだと思います。お電話からSMSでわかりやすくご案内することで、多くの方がすんなりWebサイトで手続きをしてくださる。しっかりニーズや可能性があるのだということがわかりました。
稲垣氏:クライアント様からも、「お客様の自己解決につながるよい導線がつくれた」「CXやサービス品質の向上につながった」と喜んでいただいています。
今後の活用についてはどのようにお考えでしょうか。展望やご要望についてお聞かせください。
柴垣氏:今後は、解約・休止手続きのご案内たけでなく、営業時間外にお問い合わせいただいた際のご案内や、待ち呼がついたときの差し込み対応など、SMSの活用シーンを拡げていければと考えています。
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