自動販売機を中心とした自動精算機マーケット向けに、キャッシュレスサービスやロイヤリティプログラムのプラットフォームを提供するTenTen株式会社。飲料メーカー・自販機オペレーターと消費者とをつなぐ次世代の自販機ソリューション「TenTenサービス」において、ユーザー認証用のSMSを送信するためにAPI利用されているのが「空電プッシュ」です。同サービスに関わる認証において、空電プッシュはどのように使われているのか。導入のきっかけや国内におけるSMS送信の「確実性」がもたらしているメリット等について、代表取締役のルンメ・ユハ氏、セールスマネージャーの齋藤 淳二氏にお伺いしました。
まずは貴社の事業内容とおふたりの業務内容について教えてください。
ルンメ氏:当社では自動販売機を主とした自動精算機マーケット向けに独自に開発したIoTプラットフォーム「TenTenサービス」を展開しています。自動販売機に取り付けた弊社独自開発の小型通信デバイスとスマートフォン(以降スマホ)を接続することで、ユーザー向けにはアプリを通して商品の販売やスタンプ・クーポンの配布、クライアント向けには販売状況等のデータをリアルタイムで確認できるサービスを提供しています。主なクライアントは、飲料系のメーカー様や、自動販売機を運営する企業様になります。
齋藤氏:当社では、提供するソリューションを全て自社で開発しております。ルンメも代表取締役でありながら、エンジニアのトップとして開発に携わっています。私自身はセールスマネージャーの役割で、開発したソリューションのセールスやプロモーションを担当しています。また新規事業などを協業させていただく企業との交渉役も担っています。
貴社のサービス内で空電プッシュがAPI利用されているとのことですが、導入されたサービスとはどのようなものでしょうか?
ルンメ氏:クライアントが保有・運営する自動販売機に弊社が用意するデバイスを設置し、そのデバイスとBluetooth連携できる「TenTenアプリ」というものを提供しています。アプリをダウンロードし登録いただいた一般ユーザーの方々は、連携されている自動販売機から、キャッシュレスで飲み物を買えたり、購買に応じてスタンプが付与されたりします。具体的な利用方法としては、まずユーザーがアプリを立ち上げて、デバイスを搭載した自動販売機の前に行くと、アプリ上に連携のためのボタンが表示されます。そのボタンを押すとユーザーのスマホ端末と自動販売機がBluetoothで接続されます。面白いのが、目の前にある自動販売機で販売中の飲料が全てアプリ画面に自動表示されることです。ユーザーはスマホの画面上で飲みたいドリンクを選択して購入ボタンを押せば、自動販売機にふれることなく、商品を購入できます。支払いは、アプリ自体にクレジットカード等からプリペイドバリューをチャージすることができ、それを使って購入が可能で、Q Rコード決済等との連携も進めております。さらには、購入に応じてアプリ上でスタンプをためることができます。
弊社のサービスは、複数の飲料メーカーの自動販売機にも対応可能となっており、また、飲料自販機のみならず、コインランドリー等、幅広いマーケットへの展開に向けた開発も進めております。1つのアプリで様々なマーケットにおいてキャッシュレス決済が利用でき、また、クライアント毎に用意されたロイヤリティプログラムの提供を受けとれるのが、「TenTenサービス」独自の特徴です。
一方、クライアントは、無料クーポン配信を通した新製品等のサンプリングサービスや、自動販売機の売上増を目的としたスタンプ2倍サービス等の幅広いキャンペーン展開が可能となります。さらには、アプリ上でアンケートを取ることもできるので、クーポンを配信した商品の印象や反応等、ユーザーの声をダイレクトに収集できます。商品の認知拡大、サンプリング、レスポンス取得といった販促・マーケティングの一連の流れを「TenTenサービス」上で完結させられるのが利点で、ほかにも自動販売機に取り付けしたデバイスから売り上げや売り切れ状況、機械の故障といったデータなどをリアルタイムで取得し、分析することが可能となります。そうしたデータを利用することで、商品の補充業務の効率化や商品構成の最適化による売り上げアップを実現し、クライアントの業務改善をサポートしています。
自動販売機でのキャッシュレスサービスやポイント配布を行えるアプリにおいて、空電プッシュはどのように活用されているのでしょうか?導入のきっかけと合わせて教えてください。
ルンメ氏:「TenTenアプリ」では、初めてユーザー登録いただいたお客様に、弊社サービスを導入する自動販売機で使えるドリンク1本無料のクーポンを提供しています。ユーザー登録の際に携帯電話番号をご登録いただき、登録された携帯電話番号に対してログイン用の情報をSMSで送信することでユーザー認証を行っております。このSMSの送信に空電プッシュを使っています。認証が完了すると、該当の電話番号のスマートフォンに対して1本無料のクーポンを配信しています。
この機能は本サービスの開発当初からあり、もともとは海外のSMS送信サービスを利用していました。しかし、そのサービスでは日本のMVNO※にSMSを送れなかったため、日本で当社のサービスを展開するにあたり国内で利用可能な「空電プッシュ」に切り替えることにしました。
※MVNO
Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。自社で携帯電話などの無線通信のインフラを開設・運用することなく、他社のインフラを借り受けて通信サービスを行う事業者のこと。格安スマホなどの事業者に多い。
導入へ至る上での、一番のポイントを教えてください。
ルンメ氏:一番は、日本国内全ての携帯キャリアに対応していること、2番目が価格でした。導入当時は、複数のサービスをさまざまな観点で比較させていただきました。国内のキャリアならどこでも届くことが前提のうえ、当社はまだスタートアップの段階ですので、やはり利益に繋がる価格面も非常に重要だと考えています。
空電プッシュのAPIはとても分かりやすく、導入も非常にスムーズでした。一日でテスト環境を利用できましたし、安価でたいへん助かっています。
現在の空電プッシュの具体的な活用方法および、導入したことでの効果やメリットについて教えてください
齋藤氏:これまでに当社のアプリをダウンロードいただいた数十万人に対して特に問題なく、認証用のSMSの送信が行えています。自動送信ということで、ユーザーからの問い合わせなどが来るのはトラブルがあった場合になりますが、2018年に空電プッシュを導入してからそうしたトラブルで困った覚えは全くありません。確実に最初の認証が行われているのが一番の利点だと感じています。
ルンメ氏:認証時に何か不備があると、ユーザーは新規登録ができずサービスを使っていただけなくなってしまうため、非常に困ったことになります。そうしたケースが4年以上利用する中で発生していない。当たり前のように思われるかもしれませんが、同じサービスレベルをキープする必要があることを思うと、非常にありがたいことです。
今後の活用方法で考えられていることやご要望などがあれば教えてください。
ルンメ氏:「TenTenアプリ」はこれまでもさまざまなキャリアに対応してきていますが、今後もさらに広げていきたく、新規のMVNOを利用されているユーザーも当社サービスがきちんと使えるよう、引き続き対応いただけるとありがたいですね。また、アイデアレベルではありますが、例えば今後は自動販売機の故障などが発生した時に、その情報を自動販売機を運営する企業様にSMSで情報を送信するような仕組みも検討できるのではと考えています。
齋藤氏:先ほど少しお話ししましたが、当社のデバイスを取り付けた自動販売機からは、購入情報や売り切れ・故障の情報をリアルタイムで収集し、クライアントに提供する管理用ダッシュボードでも確認できるようにしています。売り切れが長く続くと、売り上げのロスにつながるため、削減する必要がありますし、故障は販売停止につながることもある。現状はクライアントがダッシュボードを見て確認している状況のため、逆にこちらから情報をお届けするところでSMSを使えるかもしれません。ダッシュボードを開かなければ故障に気づけないことも考えられるので、そうしたところでも空電プッシュを使っていけるといいですね。
他の事例を見るサントリーホールディングス株式会社様
営業の優れた提案力ときめ細やかなサポートが導入の決め手に。SMSによるアンケートでお客様の“本音”をお聞きし、サントリーファンを増やすセントスタッフ株式会社様
登録スタッフへの電話ヒアリング業務の効率化を実現。休眠スタッフの掘り起こしにも活用公立大学法人北九州市立大学様
紙と電話で行っていた進路調査にSMSをプラス!早期の進路把握を目指す