中日本地域の高速道路を建設・管理・運営する中日本高速道路株式会社(以下、NEXCO中日本)様。お客さまセンターに入ってくる渋滞や工事状況などのお問い合わせや、通行料金の精算依頼など、さまざまなお問い合わせ電話に対し、情報を掲載しているWebページをご案内する手段として、空電プッシュを導入されました。導入後は電話での対応時間が大幅に減少するなど、効果を実感されています。経営企画部 CS推進課の諸井氏、鈴木氏に、詳しいお話をお聞かせいただきました。
おふたりの業務内容についてお教えください。
鈴木氏:私たちはCS推進課に所属しています。CS推進課は、CS(お客様満足度)を向上させる取り組みを行うセクションです。主に、お客さまセンターの運営や、お客様の声を集約する社内システムの運用を担当しています。また、NEXCO中日本グループ全体のCS意識を高めるため、eラーニングの実施やイベントの企画・運営にも取り組んでいます。
今回はお客さまセンターにて空電プッシュを導入されたとお聞きしています。まずは貴社のお客さまセンターについてお聞かせいただけますでしょうか?
鈴木氏:当社のお客さまセンターは、NEXCO中日本へのお問い合わせやご意見・ご要望を一手に引き受ける総合窓口です。電話やメール、休憩施設に設置されたハイウェイポスト(アンケート投函用ポスト)などを通じて年間約34万件のお問い合わせやご意見・ご要望を受け付け、これらに対して、ご案内や関連部署への取り次ぎ業務を行っています。
諸井氏:当社の特徴は、お客様からいただいたご意見をほぼすべて社内システムに記録して、NEXCO中日本グループ全体で閲覧できるようにしているところです。対応を行う関連部署には必要な個人情報が見える形で情報を伝達し、その他の部署には個人情報が見えない形で情報を共有しています。各支社・事務所・料金所など、さまざまな現場で働く社員が情報を閲覧できるようになっており、お客様対応や業務改善のヒントとして活用し、さらに経営にも反映しています。
お客様から寄せられる声の内容についてお教えください。どんな質問、ご意見が多いのでしょうか? あわせて、空電プッシュ導入前に抱えていた課題についてもお聞かせください。
鈴木氏:34万件のお声のうち86.6%が、「渋滞情報を教えてほしい」「工事情報が知りたい」などといったお問い合わせになっています。約9割のお声を電話でいただいています。
諸井氏:非常に幅広いお声をいただいていますが、特に渋滞や工事に関するお問い合わせが多く寄せられていますが、これらの情報はWebサイトにて、常に最新の情報を公開しています。しかし、多くのお客様はWebサイトの存在をご存じでなかったり、Webサイトを開いても該当する情報にたどり着けずにお電話をくださいます。これまでは、オペレーターが、逐一渋滞情報をお伝えし、口頭でWebページの掲載箇所をご案内していましたが、この方法ではどうしても時間がかかり、聞き間違いやお客様にメモを取るお手間も発生していました。そこで、これらの問題を解決するために、「SMSで該当ページのURLをお知らせする」という方法を考え始めました。
SMSを活用しようと思われたきっかけや経緯についてお聞かせください。
鈴木氏:実は空電プッシュを導入する前に、電話でのお問い合わせに対して、音声IVRを利用し、SMSを送る取り組みを行っていました。自動音声で「Webサイトで最新の渋滞情報や工事情報を確認できます」「ご希望の方は〇番をプッシュしてください」とご案内し、SMSで該当ページのURLをお送りしていました。その後、「SMSをお送りした方が、再び電話でのお問い合わせをされるかどうか」を確認したところ、同じ方からの電話が減少していることがわかりました。以前は何度も交通情報のお問い合わせをいただいていた方が、Webページを見てくださるようになったんです。この結果、多くのお客様へのご案内がSMSで完結できることがわかり、SMSの活用をさらに進めたいと考えました。
空電プッシュのどのような点に魅力を感じましたか? 導入の決め手についてお教えください。
鈴木氏:とにかくシンプルなところに惹かれました。今回はオペレーターがお客様との会話のなかで「今からSMSをお送りします」と、IVRではご案内しきれなかった情報を、その場で送信して使うことを想定していたので、誰でも簡単にすぐ送れること、迷わず操作できることが重要だと考えていました。過剰な機能や余計な文言がなく、複雑な操作は不要というところがとてもよいと思いましたね。
それから、24時間365日のサポート体制も魅力だと感じました。当社のお客さまセンターも24時間365日、休みなく稼働しています。例えば夜中に事故があった場合などは、一気にお問い合わせのお電話が増えますが、夜間の少ないオペレーター体制でも品質を落とさず対応しなければいけません。万が一そういうときに何かがあった際にもしっかりサポートしていただけるサービスを利用したいと思っていました。
諸井氏:24時間365日、切れ目なくサポートが受けられるサービスは少なく、そこも大きな決め手になりました。
現在のご活用方法についてお聞かせください。
鈴木氏:3つのシーンで活用しています。
1つ目が、当初の想定通りの使い方です。オペレーターが会話のなかで、お問い合わせ内容に関する情報が掲載されたWebページのURLをSMSでお送りするということをしています。
2つ目が、通行料金の精算依頼などでお電話いただいたお客様にWebの入力フォームをご案内して、お名前やETCカード番号などを入力していただくという使い方です。以前はオペレーターが口頭で情報を聞き取っていたため特に時間がかかり、聞き間違いなど、人為的ミスもごくわずかにですが発生していました。お客様にも、その場でETCカードや車両の番号などを確認していただく必要があり、オペレーターとお客様双方に負担がかかっていました。この部分をSMS+Webで行うことで、応対時間の短縮やミスの削減といった効果が出ています。
3つ目が、他地域の高速道路についてのお問い合わせをいただいた客様に対し、SMSで、NEXCO東日本や西日本、関連会社などの電話番号をご案内するという使い方です。
諸井氏:SMSの文面は、すべて定型文として空電プッシュに登録しています。現在、50種程度の定型文があり、オペレーターはその中から適当なものを選んで送信しています。
導入の効果についてお教えください。
鈴木氏:1つ目の「お問い合わせ内容に関する情報が掲載されたWebページをSMSでご案内する」という活用法については具体的な数字が取れていないものの、肌感覚で、かなり効果を実感しています。口頭でのご案内に20分かかっていたのがSMSを使うことで数分に短縮されたり、何度もお電話をくださっていた方がWebページを見てくださるようになったりと、時間短縮・件数抑制にSMSが寄与してくれています。
2つ目の「通行料金の精算依頼」については、月約30時間のお問い合わせ対応時間の短縮が実現できています。先に申し上げた通り、個人情報の聞き取りミス、オペレーターの入力ミスなども減りました。また、個人情報の誤りが少なくなったことで、関係部署が電話やメールで確実にお客様に連絡できるようになり、この点においても業務効率が向上したと感じています。
諸井氏:オペレーターの負荷が減り、お客様の利便性・快適性が向上することで、当社がもっとも大切にしている「お客さま起点で考える」という理念の実現にもつながっていると実感しています。
鈴木氏:今後も、定型文を増やしていきたいと思っています。加えてSMSの送信履歴とWebサイトのアクセスログなどを突き合わせて、どういった方がWebにたどり着けずにいるのかなどを分析し、Webサイト自体の改善もしていきたいと思っています。
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