


「お客様の資産価値最大化」に向けて、国内外で有価証券等の売買を始めとした金融商品取引業を展開する大和証券株式会社様。同社のコンタクトセンターでは、オペレーターの応対品質強化に向けて顧客アンケートを実施するために、SMS送信サービスの空電プッシュと、Webアンケートフォームとしてモバイルウェブを導入しています。導入前の課題や、導入後の効果について、東京コンタクトセンター第一部 オペレーション課の加藤氏に伺いました。
加藤様の所属部署や、業務内容を教えてください。
加藤氏:当社のコンタクトセンターは東京・大阪・福岡に3つの拠点を構え、お客様からのお問い合わせ対応などを行っています。オペレーターの人数としては全体で450人ほど、コンタクトセンター全体でお受けするお問い合わせの数は1日で7,000件程度になります。時には大和証券の顔としてお客様からのご意見などをお受けし、各部署に連携するといった重要な役割を担う部署でもあります。
そんな中で、私は東京コンタクトセンター第一部のオペレーション課に在籍し、コンタクトセンターの管理運営などのバックオフィス部門を担っています。
この度、オペレーターの応対品質の評価および管理を目的としてツール導入を検討されたと伺いました。導入前はどのような課題があったのでしょうか?
加藤氏:ツール導入前、オペレーターの応対品質の評価と管理は、品質管理課によるモニタリング評価で行っていました。具体的には、オペレーターごとのコールログをランダムで抽出し、会話内容を確認して評価を行うというものです。このモニタリング評価は半期ごとに実施していたのですが、評価が完了するまでに費やしていた時間は、年間でおよそ数千時間。評価に膨大な時間を要していたため、オペレーターの教育や個別のフォローの時間が設けづらいという課題がありました。
こうした課題を解決するために、まずはオペレーターの評価方法を、社内目線での評価からお客様目線での評価に変更する方向で調整することに。お客様にオペレーターの応対品質に関するWebアンケートを実施し、回答いただいた内容で評価をすることで、評価に掛けていた時間を短縮できると考えたのです。
そして、お客様にどのようにアンケートをお送りするかを検討していた時に、お客様情報としてお聞きしていることが多い携帯番号に着目。SMSによる送信であれば、メールアドレスなどの情報を追加で取得する必要もなく、お送りした情報を見落とさずに確認いただけるのではないかと考えました。
お客様へのWebアンケート送信のためにSMSを活用する上で、空電プッシュとモバイルウェブを選定されたポイントを教えてください。
加藤氏:当社はお客様の大切な資産をお預かりしている金融機関ですので、やはり当社の基準を満たすセキュリティ体制であるかという点は重視していました。また、SMSでWebアンケートフォームを送信するというスキームを構築する上では、どちらも同じ開発会社のサービスであったほうが、サービス間の連携などで親和性があるとも考えていました。
その点、空電プッシュとモバイルウェブはどちらもNTTコム オンラインが提供するサービスですし、どちらもスペック上のセキュリティ体制は当社が求める基準をクリアしていました。加えて、空電プッシュは圧倒的なシェアを誇っていて、プロダクトページには金融業界を始めとした多くの企業への導入事例も多数掲載されています。
ツールの安全性や信頼感を裏付けるだけの実績があると判断し、無事導入へと至りました。
現在、空電プッシュとモバイルウェブを活用してどのようにアンケートを送信していますか?
加藤氏:まず、お客様に送信するWebアンケートは、モバイルウェブを用いて作成しました。ラジオボタンで回答できる7つの質問のうち、オペレーターの応対に関する質問を4つ設定。いずれも「大変満足」「普通」といった7段階評価で回答できるようにしています。
このWebアンケートをSMSでお送りするのは、オペレーターではなく我々バックオフィス部門の担当です。まずはコンタクトセンターのCRM(顧客管理システム)に記録された当日分のコールログを翌営業日に全て出力します。そして、ご回答をいただきたいお客様のご連絡先を含むデータを抽出。オペレーターにフィードバックしやすいようにコールログに通し番号をつける、パラメーターで紐づける等の整理をします。
そして、データをCSV形式で空電プッシュにアップロードし、WebアンケートのURLをお客様に一括送信するといった方法で運用しています。
最終的に、お客様から回答いただいた評価結果をもとに、オペレーターごとの点数を集計。現在は月1回ペースで「個別の評価点数」や「平均の評価点数」という形で、オペレーターにフィードバックしています。
空電プッシュやモバイルウェブを活用することにより、オペレーターの応対品質管理や評価にどのような変化や効果を感じられていますか?
加藤氏:まず、コールログの確認作業に費やしていた数千時間もの作業時間を削減できたという点は、特にインパクトの大きな効果だと思っています。
以前まで費やしていた作業時間を削減できたおかげで、オペレーターの応対品質向上に向けた教育にも十分な時間を使えるようになりました。自分の評価の現在地を踏まえて応対方法の改善を促すための教育や、個別のフォロー機会を増やすなどの取り組みを通し、さらなる応対品質の強化につなげられるようになりました。
現場のオペレーターの方々の視点で変化したことはありますか?
加藤氏:お客様からの評価をダイレクトに受け取れるようになったことで、評価の公平性担保、モチベーション向上といった効果が生まれていると感じています。
これまではランダムに抽出したコールログの一部を元に、品質管理チームの視点のみで評価していたこともあり、時にオペレーターの納得につながらないこともありました。現在は数多くのお客様の視点による評価になりますので、オペレーターにとっても公平感と納得感がある評価だと捉えられているようです。
加えて、お客様視点でコンタクトセンターの対応品質の評価をいただくと、回答内容の専門性の高さや応対の丁寧さから、全体的に高評価をいただける傾向にあります。Webアンケートによって、自分の応対が数多くのお客様から高評価をいただいていることが分かるようになりましたので、オペレーターのモチベーション向上にもつながっていると思いますね。
今後、空電プッシュとモバイルウェブを用いて、どのような取り組みをしていきたいですか?
加藤氏:今後取り組んでいきたいのは、お客様からの回答率を上げ、評価の精度を高めていくことになります。そのためにも、どのように回答を促していくか、どのような設問をアンケートに盛り込んでいくかなどの検討し、より良い運用のスキームを構築していく必要があると思っています。
こうした試行錯誤を重ねるうえでも、空電プッシュやモバイルウェブのようなサービスの特徴が活きてくると思っています。初期投資が莫大になってしまう自社開発ツールとは違い、従量課金でコスト感に柔軟性がある点もサービスのメリットの一つだと考えています。
今後もアジャイル的にトライアンドエラーを繰り返して、応対品質強化につながるさまざまな施策を試していきたいですね。
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